生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

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  • 角川書店
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レビュー : 158
  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043803026

感想・レビュー・書評

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  • がんで亡くなった著名彫刻家、川島伊作のアトリエに残されていた遺作には、首がなかった。何者かが侵入し、首を切り落として持ちさっとと考えられる。そうした中、その彫刻のモデルとなった川島の娘が行方不明になる。素人探偵法月綸太郎は、その謎を明らかにすることができるのか。

    主人公を作家本人にするタイプのミステリである。そしてまた、長い。前半では彫刻の首と無くなった彫刻家の生前の姿を、中盤からは行方不明となった娘の話になるのだが、全てにおいてあーでもない、こーかもしれないの可能性の話の連続で、特に前半部は事件なのかも不明なため、かったるい。

    この作家が、自分の名前で事件を明らかにする(解決するとは言ってない)というスタイルを取るのだが、とぼけたキャラクターなのか、それとも超敏腕探偵なのかがよくわからないままだったのもあり、全体にキャラクターの立ち位置がわかりにくかった。前半部の彫刻の首の話は、作者の独りよがりに感じる。

    最後の解決部分も、無くても良かったんじゃない?というような後付の理由だったりして、長いなーと思わせられていたのが辛かったかな。

    文章としてはちゃんと読めるし、展開も悪いものではない。なにかが足りない。なにかが。

  • サスペンスドラマじみたドロドロの因縁とインテリ向けな蘊蓄の連続にローギアで読み進めるも
    真ん中辺りでやっと投下されたグロテスクな起爆剤で事態は一気に加速する。
    因縁と蘊蓄が一つの場所に堕ちてゆく。
    切断された石膏の首。
    狙われた女の不審な行動。
    石膏の眼差しが語る悲劇の真相。

  • 「このミス」1位を受賞した本格ミステリ大賞受賞作。
    でも、ちょっといまいち。長い..
    いわゆる謎解き探偵小説。しかし、見せ場や盛り上がりシーンもなく、エンターテイメント性には欠ける物語。
    主人公の探偵の人間性もいまいち好きになれません。また登場人物のキャラもいまいち。

    ストーリとしては、
    有名彫刻家が病死直前に完成させた、娘をモデルとした石膏像。
    しかし、その石膏像の首が何者かに切断され、持ち去られる事件が発生。
    持ちだした人物は誰か?
    その目的は?
    娘への殺人予告なのか?
    さらに、その彫刻家を売り出そうとしていたキュレータの怪しい行動。
    娘の身を案じた彫刻家の弟は主人公の法月に調査を依頼します。
    法月はきれっきれの探偵というわけでもないですが、洞察力は素晴らしく、いかにもといった観察眼を要所要所に見せてくれます。しかし、人間性溢れるのか、あちこち抜けています。それがちょっとしっくりきません(笑)。
    どうせなら、完璧な探偵役になってもらいたいのですが、あとがきを読むと意図的にそのような人物像にしたとの事。

    そして、結局娘は殺されてしまいます。
    娘を殺したのは誰なのか?
    刑事事件となった本件ですが、主人公の父親が警視ということで、この事件の捜査を行う事に。
    親子で事件の真相に迫りますが、父親や刑事は民間人に捜査内容をべらべらしゃべりすぎでは?

    明らかになる事件の真相、犯人。
    それまでの伏線が回収されて、そういうことか、となるわけですが、いかんせん途中が長くて、だれてしまい、やられた!とかいった感覚もなく、へーそうなのね、で終わってしまいます。登場人物の人間性が掘り下げられているわけでもなく、人間の業が語られるわけでもなく、淡々とネタを解説される感じ。

    真相にはいろいろ凝ったネタが散りばめられていて、謎解き大好きなミステリーファンには良いのでしょうが、自分が求めるものとはちょっと違う。
    そんな凝ったネタは面倒くさい(笑)

    ということで、本格ミステリ好きな方にはお勧め。

  • ずっと読みたかった「このミス」1位だった法月綸太郎シリーズ

    連続殺人とか、派手なトリックとか、そう言うのは無かったのですけど、納得の本格だったのです。
    彫刻なんて、フツーの読者はサッパリだけど、分かるようにちゃんと大事な所を解説と言うか、法月探偵と共に「ふーん。なるほど」と言う位には掴めて良いのですよね
    だから、「あっと驚く展開」が予想以上に鳥肌だったのです。

    しーなの好きな法月親子の関係と言うか、お母さんの事とかもチラッと出て来て、今後の展開や何かの事件に関係してくるのでは……?とちょっとwkwkしてしまったのです。
    闇は闇なのでしたが。

    緻密な伏線……とゆーのが感想には必ず出てくるのでは?と思う位あれもこれも後々「ああー……!」と頷いたり、悔しかったり。
    よくよく考えてみると、要らない設定とかもあるのですけど(例えば、1だけで良くない?2とか3とかそれ以降とか……要る?)躓いたり迷ったりする法月探偵は好感が持てるのです。

    巻末のインタビューにもあったのですけど、完全無欠の名探偵はやっぱりカッコイイし、江神さんも鳴海雄一郎(?)も大好きだけど、やっぱり間違ったり後悔したりしながらの法月探偵も好きなのです
    探偵が一人でワトソン役が居ない場合は、多重推理が成り立ちにくい分けだから、法月探偵みたいな読者と一緒に間違って行く探偵になるのでしょうか。

    そう言う面から見ても、探偵と読者とストーリーがちゃんと一緒に進んで行くのですよね。
    つまりそれって、読みやすい?のでしょうか。多分そういう事なのですよね。

    読みやすい。理解しやすい。突然名探偵が思い付くトンデモ推理に着いていけない……とゆー事態に陥りにくいのですよね。

    解決や結末は「鮮やかー!」と言うよりもシリアスな展開で余韻もしんみり。
    他の法月探偵シリーズを読みたいな……読み返したいな……と思ったのです。
    次にまた未読のものを見かけたら、迷わず買ってしまいそうなのでした。

  • 久しぶりに本格推理ものを読んだ。以前から気になっていた法月綸太郎シリーズです。
    この筆者の作品は僕好みでした。まず登場する探偵が、ホームズや相棒の右京さんみたいなぶっ飛んだ頭脳の持ち主ではなく、割と右往左往しちゃうタイプの探偵。
    しかし最後の結論に至る論理の構成は完璧で緻密。
    基本的に読者目線で話が進むので、探偵が立てた仮説が」次から次へと証言によって覆される様は眩暈がしそうです。そういう展開が好きな読者には最良の一冊となるでしょう。

  • すいません…ミステリ好きなんですけど法月さん読んだことなかったんです。

    『ノックスマシン』を読んですっかり好きになってしまいました。ノックスの方が異作なんですね。本格ミステリで驚きました。有栖川有栖さんもですけど作者=探偵(もしくはワトソン)という流れはクイーンからきてるのですかね❔

    著名な彫刻家の作品の石膏の首が切り取られた!いつ誰が何故❔
    犯人は割とすぐわかりますがそのあと二転三転。いやらしいミスリードが無いので素直にミステリを楽しめました!

  • 伏線がみっちりとはられており、最後にはそれらが一つになっていく爽快感をあじわえる。
    ロジックを紐解いていく面白さはあるが、派手さには欠ける。

  • 最後は、お見事っ!の一言。
    途中は、難しいのとややこしいのとで読むペースが落ちてしまいましたが、随所気になっていた言葉が伏線でラストに綺麗に回収されていくのと、ややこしくって首を傾げながら読んでいた場面を分かりやすく解説してくれたことで、スッキリしました。

    全体としては、やはり難しく、理解するのが精一杯で二転三転する犯人像に驚くことよりもその都度納得してしまい、物語を読んだというよりも物語に読まされた感が強い作品ではありました。が、ミステリー小説としては完成度はかなり高いと言えると思います。

  • 解決への道のりが長すぎて、だんだんげんなりしてくる。もっとちゃっちゃと話を進めて欲しい(笑)

  • なかなか面白いミステリー作品でした。言葉のあやというか誤解を巧みについてミスリードさせるトリックで最後まで真実は何なのか混乱させられました。
    真実を知ってからだとミステリー作品としてはありがちなオチだなと思いますが、二段三段とトリックがはりめぐらされており、最後まで読者を混乱させる展開は唸らさせられましたね!
    法月探偵シリーズにすっかりはまりました!

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著者プロフィール

1988年10月、『密閉教室』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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