きみが住む星 (角川文庫 い 58-3)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (105ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043820023

感想・レビュー・書評

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  • きみが住む星 
    1992.10発行。字の大きさは…小。

    この本は、美しい風景と、愛しい人に宛てた手紙が綴られた、恋の本かと思って最後まで読んでしまいました。
    そして、いつ旅が終わって愛しい人のもとに帰るのかと……最後まで気になっていました。

    美しい風景を見ながら愛しい人にふみを書く、その思いを私は読んでいて癒され、そしてせつなく感じました。

    池澤夏樹さんの本を読むのは始めてです。

    【読後】
    美しい景色を見たとき、ふと大切な人の顔が思い浮かぶときがあります。この感動を共有したいと...。一枚の風景写真がラブレターになります。

  • 素敵な優しい言葉がたくさん詰まった葉書たちだった。写真も綺麗で、自分も行ってみたくなるような手紙ばかりだった。彼女とは会えたのかな。

  • 旅をする「ぼく」が「きみ」に綴る手紙たち。

    時々写真がはいっていて視覚と文字で楽しませてくれるのだけど、そのセンスがすごく素敵。ページを開くたびにわくわくするし手紙の内容は優しく愛に溢れている。

    ”どこにいても、きみを想ってる”

  • この本にありがとうと言いたい。元気のないときも悩んだ日も、明るく前に。ずっと私の手元にあるだろう。

  • 写真家エルンスト・ハースの美しい写真に池澤夏樹が文章を添えた作品。旅に出た男が旅先から恋人に絵はがきを出す掌編形式で詩と小説と紀行文の境界のような雰囲気。

    写真も文章も綺麗で旅に出てみたり手紙を書いてみたり詩を書いてみたりと時間を過ごすことの素敵さを感じます。

  • いろんな国から送られてくる、恋人からの手紙。
    読み進めるにつれて、本当に自分宛の手紙のような気がしてくるから不思議。
    最後の、華恵ちゃんのあとがきもすてきです。
    旅に出たくなったり、恋をしたくなったり。人によっては、写真を撮りたくなるかもしれないし、はたまた、物語が書きたくなるかも。
    ゆっくり読めるときに、手にとってほしい本です。

  • 男は旅先から、故郷に残した恋人に手紙を送る。こういう形で、ぼくはきみへの思いを伝える―。

    恋人を日本に残してアジアを一人旅してたとき、感動的な風景、面白い出来事に出会うたび、「君にも見せたい」と思った気持のあたたかさを思い出した。
    それは、今自分がたっている見知らぬ世界にその人の面影をみることでもあったし、
    同時に、自分がその人といた世界と、今自分がたっている世界の確かな繋がりを感じることでもあった。
    旅先で感じた葛藤や違和感、怒りや悲しみ、学術的な思考の巡りは、その瞬間だけは身をひそめて、世界はとても優しく、不思議な丸みを帯びて在った。
    友人、家族とはまた違った愛情の形を胸に抱いてなければ、この風景は見えなかったかな…とふとおもった、その気持ち。青いけれどたぶん、大事にしなければいけない感覚。

    あの地平線が輝くのはどこかに君を隠しているから、という歌詞もありますが、
    遠く離れたところに君を残すことで、すべての美しい風景に君の面影を見る…
    寂しいし不安なことだけれど、愛を豊かにはすると思う。一緒に旅して経験を共有するのも勿論楽しいけど、また違ったものが見えるから。
    旅しなければいけない理由はひとそれぞれですが、それが逃避でないなら、きっと離れても大丈夫。


    補正や効果を多用していない写真たちが、実直な視線を感じさせてまた素敵。
    一人旅好きで恋人に渋い顔をされる方から、いつも恋人と一緒にいる方まで、幅広くメッセージがこめられる贈り物になるかと思います。

    私は今後もきっと、愛するひとができても旅をするだろうと思うので、今度は必ず手紙を書くよ。そして文末には必ず、「バイバイ」ですね。

  • 何度も読み返したくなる本です。
    情景を想像させてくれるような、
    現実逃避も出来る、そんな本だと思います。
    ステキな本に出会いました。

  • こんな彼氏が欲しい。

  • 一人旅に持っていく

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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