歪んだ正義 特捜検察の語られざる真相 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043827039

作品紹介・あらすじ

常に「正義」のイメージが先行する検察。だがその奥底には深い「闇」を抱え込んでいた。ずさんな捜査、マスコミを利用した世論の形成、シナリオに沿って作成する調書…。これまで功績ばかりが注目され、捜査手法や内容は一切検証されずにきた検察の驚くべき姿を、その「歪み」の源流へとさかのぼり追究。特捜検事や検察内部への丹念な取材と、公判記録、当事者の日記等を駆使し、戦慄の実態をえぐりだした問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 東京地検特捜部の闇を暴く。登場人物はなくなっている場合も多々あり真偽はわからないとした点もあるが、実名で出てくる人物、事実関係などとても読み応えがある。
    「特捜=正義、真実」というイメージを持ちがちだが、それはマスコミによって作られたイメージに過ぎなかった。
    彼らは事件が発覚し捜査を始めるとき、まず明らかになっている事実に基づき、捜査方針を立てる筋読みを行う。それに沿って捜査し、間違っていれば軌道修正をする・・・はずだ。しかし、そもそもその筋読みが内偵捜査によってもたらされる資料に基づく見込み捜査で、結論ありきだという衝撃的事実。自分達の都合に合わせて事件の構図を決定する。見込みと外れると、情報をマスコミにリークして世論を煽ってからまた捜査する。そしてその見込みの構図を最後まで押し通そうとする。
    マスコミも、なかなか取材できない特捜部からリークされればスクープとして信用し、徐々に特捜=正義というイメージを持つ。世の中でそのイメージが浸透しているのはそのためだ。裁判所にも「検事調書=真実」というイメージがあるらしい。
    さらに司法は自白編重主義なので、被告人や関係者から供述を引っ張り出さないといけない。このときも供述を微妙に変えてワープロで調書を作るそうだ。こうして偽りの起訴事実が作られる。
    こうした悪しき習慣はロッキード事件で明るみになり染みわたってしまったそうな。その後の東京佐川急便事件、鈴木宗男事件、ゼネコン汚職事件でもこのような手法が用いられている。

    政治もマスコミも司法も、簡単に信用してはいけないということですな。つ円に批判的に見ていないと、操られて良いように使われてしまいそう。というか、既にそうなっていそう。

  • 検察って怖い
    自分たちの力で事件を作ってしまう
    最近の厚労省局長の事件も同じ構図

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著者プロフィール

1953年生まれ。産経新聞東京本社編集委員。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。90年、ハーバード大学国際問題研究所に訪問研究員として留学。93年、ゼネコン汚職事件のスクープで新聞協会賞を受賞。その後、書籍編集者、産経新聞社那覇支局長などを経て現職。主な著書に『爆買いされる日本の領土』(角川新書)、『報道されない沖縄』(角川学芸出版)、『「特攻」と遺族の戦後』『海の特攻「回天」』(共に角川ソフィア文庫)、『電池が切れるまで』(角川つばさ文庫)など。

「2018年 『領土消失 規制なき外国人の土地買収』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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