古代からの伝言 水漬くかばね (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043828029

感想・レビュー・書評

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  • 白村江の戦いを初めて理解した気がする。

    鎌足さんはすごい人や。

    別離の章、悲しかったです。

  • 中大兄皇子と中臣鎌足の出会いから大化の改新が実現し、初めて「日本」という概念が人々の間に芽生え始める。

    それに大きなきっかけとなったことのひとつが、白村江の戦い、国対国の戦争だった。百済をバックアップするという建前ではあったが、実質大国唐と日本の対決でもあった。

    内政から国防に至るまで、中大兄皇子と鎌足の阿吽の呼吸でばばばとかたちづくっていく。
    まだ未熟だけれど、壮大なイメージを持って国を作った人がいたことを知れてよかった。

  • 中大兄皇子と中臣鎌足が大化の改新を経て白村江の戦いに挑むまでの話。
    本巻では蘇我蝦夷,入鹿は登場するが,その人となりは描かれておらず,大化の改新までは皇子と鎌足の話で進む。
    大化の改新後は,古人大兄皇子や蘇我倉山田麻呂など新しい国作りに邪魔となる者を倒し,公地公民と中央集権を広めようと躍起になるが,朝鮮半島の動きが激しく,嫌が応にも半島有事に関わらざるを得なくなる。
    白村江の戦いにおいては,日本に人質となっていた百済の皇子の豊璋を百済王に立てるべく秦田来津を参謀として豊璋に付けて朝鮮へ送る。古人大兄皇子謀反に加担したとされる秦田来津を鎌足は抜擢し,田来津は鎌足のため必死に戦う。ところが,百済王豊璋は一時滅亡した百済を再興しようと戦ってきた百済将軍鬼室福信とそりがあわず,遂には殺してしまう。唐は新羅と連合して高句麗を滅ぼし,百済に攻め入り,日本からは百済救援のため数で勝る水軍を朝鮮へ送るが,将軍が大軍を前におごり,田来津はそんな日本の将軍たちに忠告・激怒するが,戦時では守りに入る事や慎重になることが時には臆病と罵られることはままある話で,将軍らを説得しきれず,白村江では唐の戦略にまんまとはまり,ほぼ全滅に近い形で敗戦し,百済は滅ぶ。田来津は責任を感じ,白村江で散るが,その戦いざまは日本書紀に名を残している。本巻のタイトルである,水漬くかばねは,万葉歌人の大伴家持が白村江の戦いで破れ,白村江に死体を晒すことになった日本の軍人たちを歌った歌からの抜粋である。白村江の戦いまでの話は,これまでの巻の中で一番スピード感を持って読み進めることが出来た。田来津の話だけで映画が一本撮れそうだ。白村江で敗れた日本軍は,九州から瀬戸内海に国防の城を築き,都も近江にうつすのである。そんな中,鎌足は亡くなり,天智となった中大兄皇子もこの世を去り,舞台は壬申の乱へ進んで行くのである。

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著者プロフィール

1939年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒。63年産経新聞に入社し、大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を歴任。92年『ソウルに消ゆ』(筆名・有沢創司)で第5回日本推理サスペンス大賞受賞。古代史を体系的に描いた「古代からの伝言」シリーズで話題になる。

「2010年 『青雲の大和 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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