- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043829019
感想・レビュー・書評
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原爆を作った研究所の天才科学者たちのフィクション。
目を背けてた部分に向き合わされた気分。
何に・・・たとえば日本人オカシイヨ。という部分。
よく考えたらこの作品、日本人が原爆を開発したアメリカ人側から原爆を描いているのだ。そうやって日本人にそれでよいのか?を問う。なんてシュール。
作者が作品中に表れる手法をなんていうんだっけ・・・メタだっけ?
プロローグがその手法で書かれてる。作者が、怪しい外国人からロスアラモスの所長を描いたフィクションの原稿を預かるところから始まる。
なので、この作品は戦争批判なのかな・・・。主観ですよといっているようなものだもんな。
引き込まれた。面白かった。
あと、また後味が重たかった。柳広司ってこういう作品が多いのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初柳広司。
なんとなく重たそうで、トーキョープリズンを温存して、
薄めだったこの本を先に読み始めました。
小粒なのにギュギュギュと詰まっていて、
すごく深くて、おもしろく読んだ。
それはある意味で、日本人だったらきっと、こんな風に展開していってほしいと思う、
まったくそのとおりにストーリが進められているからのように思います。
翻訳したという設定がすごく効いている。 -
都合よく話しが進む感じはした。
体調悪いときに読んだせいか
読書のスピードが上がらなかった。
柳さんは好きな作家なので、再読してみたい。 -
2010/03/20読了
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こりゃすごい!!
めちゃめちゃ重いテーマを描き、
しかしテンポがいいのですらすら読み進められる。
知らず知らずのうちに、迷宮への階段を降りているようだった。
設定から、展開から、その底深さから、
こりゃ一級品の読み物ですなぁ。
なにより、著者の志の高さに感動してしまいました。
「ヒロシマ」は風化させてはいけませんね。
これを読んだ人は、「夕凪の街・桜の国」も読んでほしいと思います。
読み終わった後で「新世界」っていうタイトルを見ると、
ぞっとしてしまいます。
2013年5月20日、再読。
やはりすごい。大傑作。ブクログには戦争や原爆のことをよく知らない世代がたくさんいるようだが、この本こそ広く読まれるべき原爆文学です。
16章の鬼気迫る描写は秀逸。ひたすらに怖い原爆小説。 -
集中的に読めなかったせいもあって、入れなかった…。序盤に登場文物が多かったのも、”見失っちゃった”要因かも…。こっから面白くなりそうな気配もするんだけど…。途中断念。
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これは凄い。ディテールが強烈すぎて、枠になっているミステリが頭の隅に追いやられてしまうほど(こま切れに読んだせいもあるか)。「なぜ笑いながら話すことができるのだ?」ー苦悩する科学者の独白が強烈(その後に見せる分裂ぐあいがまた怖い)。これは翻訳されるべき!と思った。
『トーキョー・プリズン』が気に入ったので買ってみた。明日の電車のお供に。(2/24) -
最後の新しい世界、って締めが怖かった。
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米国、原爆開発の研究における
殺人事件の話。
日本における原爆投下直後(30万人死亡)の
一人に対する殺人事件が対比的である。
原爆について知ってるようで
全く知らない・・・
文章中では、
開発過程、投下直後、投下後の人の惨劇を
説明されているが、、、リアルで気持ち悪い。
第二次世界大戦(民主主義国)では
戦争を推した国民にも責任があり
被害を受けても致したかなしという見方もあると
表記もあり勉強になった。 -
ワークワクしたぁ!
いやぁ、最初はねタリーなぁと思ってたわけ。
だって、この本の形式が見え見えすぎてダサイんだもんー。
でも、楽しかったなぁ。
そういえば、ジョーカーゲームも最初の方はなじめなかったけどハマったしね。
僕にとってはエンジンかかるのが遅い作家さんなのかもね