トーキョー・プリズン (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 267
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043829026

感想・レビュー・書評

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  • トーキョープリズンってなんぞや?と思って本を開いたとたん巣鴨プリズンのことだとすぐに発覚。

    この著者の作品はジョーカーゲームを先に読んでいたので、エンターテイメント性が強いものを想像していたため途中から様子が違うことに気づいて戸惑いましたが、事件の謎、キジマの記憶、クリスの行方が気になり一気に読めました。
    BC級戦犯の裁判についてはもやっとするし、トリックや動機はいまいちはまらなかった。
    でも大団円ではないけれど、この終わり方は好き。
    そしてキジマのキャラがいい。
    探偵役は奇人変人じゃなくちゃ!

  •  太平洋戦争の戦犯たちが収監される巣鴨プリズンを舞台としたミステリー。

     柳作品はこの本で4冊目ですがなんというか惜しい作品だなあ、という印象。

     巣鴨プリズンで起こった連続毒殺事件、記憶を失った囚人と提示される謎はとても魅力的。また記憶を失った捕虜のキジマが探偵役でもあり、また彼の記憶が物語の中心にもなるわけですが、キジマのキャラが魅力的。危険な雰囲気やミステリアスな雰囲気が漂っていてなんとも言えないカッコ良さがあります。

     そしてテーマとして天皇の戦争責任や原爆の被爆者、そして戦争から浮かび上がる人間の闇にも踏み込みます。

     とまあ、魅力的な点も多いのですが、ミステリのトリックがかなりの力技だと感じるものがあったり、動機の面があやふやで説明不足に感じたり、
    また戦争を取り上げた作品としても、作中で上がった議論はいずれも表面上触れただけで、議論が練られている感じがしなかったりと、惜しいなと思う点もちらほら。そのため後半は失速してしまった印象があります。

     柳さんの戦争下を舞台とした作品に『新世界』と「ジョーカーゲーム」シリーズがありますが、ちょうどその間の時期に書かれたのがこの『トーキョー・プリズン』。

    『新世界』は原爆を扱った社会性の強い作品で、ジョーカーゲームシリーズはどちらかというと娯楽重視だったので、ちょうどその移行期で試行錯誤した結果が、惜しい感じになったのかな、と少し思いました。

  • 本書を読んで、著者の「ジョーカー・ゲーム」での化けっぷりがいかにとんでもなかったかを実感。本作、やりたいことは分かるんだけど詰め込み過ぎ。結果としてどれも丸く収まってない気がする。東京大空襲・原爆・二世問題・戦時中の日本の空気、それらをマトモに問題として書いたうえでミステリとしても傑作、なんてことは起こり得ないと思うので、以降の方針転換は大正解。

  • 表紙のイラストが好きだなぁ。
    まだ、読んでないけど。すみません。

  • 期待しまくっただけに少しがっかりしちゃった。。。

    今迄の作品が面白すぎてなのかな。今、映画化されてるジョーカーゲームの作者だけど、ジョーカーゲームほど、面白くないかな。

    おかげで読み終わるのに時間かかっちゃったよ。面白くなくはないんだけどね。ラストも若干腑に落ちないバッドエンドでした。

    作風はとっても似てるんだけどね。主人公の特徴とかね。

    でも、なんつーか重くてくどい感じです。読後感。笑

    この感じ読んだらわかる!

  • 内容は後半失速気味。というか謎解きがかなりゴリ押しで拍子抜け。
    でも謎解き後のラストシーンはとっても好き。
    とにかくキャラクターが良くて、それだけで星4、ラストシーンでプラス1という感じ。
    個人的には柳広司作品で一番好き。
    感覚的にはライトノベルだった。

  • 2015/02/13

  • ただのミステリーとしても楽しめたが、著者の戦争観についての記述が興味深い。

    私が読んできた戦争小説は、軍部の暴走によって、兵士や市民がどんなに受難したか、というものが多かったと思う。
    けれど本著では、だれも責任をとろうとしない軍部はもちろん、真実に目を向けようとしなかったり、行く末を本気で考えようとしなかったり、戦後のアメリカに対しての手のひらを返したように迎合した人々の無気力・無自覚・無反省・無責任を批判している。

    確かに、戦争による悲惨は軍部のせいだけではない。一般市民にも自覚・反省が必要だと思う。

  • ジョーカーシリーズのほうが楽しめたかなぁ。

  • 東条英機ら第二次大戦の戦争責任者たちを収監した巣鴨プリズンで起こる不可解な事件の謎に迫るミステリ。
    巣鴨プリズンは実在したけど、本作でのポジションはあくまで舞台というだけ。戦争の功罪を読者に問いかけてきたりはしないので安心して読めます。
    戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた主人公・私立探偵フェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられます。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追うが…。
    歴史ものとも言えるけど、それよりは純粋に推理小説として楽しみたい作品。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二○○一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。○九年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門を受賞。同年刊行の『ダブル・ジョーカー』は、『ジョーカー・ゲーム』に続き二年連続で「このミステリーがすごい!」の二位に選ばれる。主著に「ジョーカーゲーム」シリーズ、『ロマンス』『楽園の蝶』『象は忘れない』などがある。

「2017年 『風神雷神 雷の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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