草原の輝き (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.40
  • (7)
  • (9)
  • (24)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 92
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043833023

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私の人生を変えた一冊。

    きっとこの世で生きる大部分の人たちが、目を背けたり切り取ったりする事でしか消化出来なかった過去を抱えている。

    その切り取ってしまった場所に茂った草原が、こんなにも傷を癒してくれるのです。なんて慈悲深い。

    哀しい部分が、広く青々と輝く草原。この小説は、人の心への希望に満ちている。甘チャンなあたしにとっては本当に素晴らしい小説でした。

  • 小学生の時に母と弟が心中してしまい、トラウマを抱えたまま大人になったなつきが、夫、優や、夫の教え子佳奈子ちゃんと出会い、やはり闇を持つ佳奈子と共鳴し、草原という逃げ場であり再生の場にたどり着く。
    佳奈子ちゃんがありえないくらい大人で、すごくいい。痛みを知る人は多分、子供だろうと大人だろうと、人の痛みのわかる人。だからありえないくらいがありえる。
    優も名前のとおり優しい。頼りになるのは佳奈子ちゃんだけど、優には寛大さが備わってて、安心できる。
    ラスト父と会えてよかった。

  • すいかや日射しやソーダ等で彩られた夏が鮮烈で、三つ編みの葉で切った傷は自分の指と錯覚するくらいで、全編に散りばめられた描写が凄く生き生きとして素敵。夫の教え子で六年生の意識が草原に行ってしまう美少女問題児が訪ねて来ての交流も、弟を道連れに無理心中をした母親にひっそりと囚われているのも、際立っていた。

  • 設定が衝撃的で、出来事が非現実的で、共感が湧かない・・・

  • 読んだタイミングがよかったのか、野中柊さんの言葉が柔らかいからなのか・・・久しぶりに心の深いところまで届いた一冊。

  • なんか、江國さんっぽい……。いや、違う?

  • 主人公は、小学校の教師をしている夫と、平穏で幸せな暮らしを営んでいます。けれど主人公には、忘れられない辛い過去がありました。その記憶は重荷となり、常に主人公を苦しめ続けているのですが、正面から向き合うことを彼女はずっと避けてきたのです。ある日、夫の教え子である12歳の少女が彼女のもとを訪ねてきます。少女はとても美しく、妙に大人びた雰囲気を持っていました。年齢の差を越え、少女と対等に心を通わせるうち、やがて主人公は、胸に秘めたわだかまりと、知らず知らず向き合うようになっていきます。
    死は悲しい。けれど生きることは、尚更に辛くて悲しいものです。人生は自ら選び取れるものではありません。それぞれが置かれた環境の中で生きていくしかないのです。主人公の背負ってきた過去も、半端な重さではありません。でも、必要なのは救いを求めることではなく、受け入れることなのかもしれません。悲しいと思えるのは、実は幸福なことなのですね。
    少女の台詞があまりにシッカリしすぎていて、少々違和感はありましたが、不思議な魅力のある小説でした。

  • とても綺麗な小説だと思いました。読みながら頭の中で思わず映像化してしまうほど。

  • 愛はお月様のようなもの。

  • 野中さんの話は深いなぁと思います。佳奈子ちゃんの気持ちがわかる人とわからない人がいるように。この話をよんでいてそれがわかる人わからない人がいるんじゃないかなと思います。わかるだけがいいことではないと思うけれど。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。立教大学卒業後、在米中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』『あなたのそばで』『ひな菊とペパーミント』『きみの歌が聞きたい』『銀の糸』『公園通りのクロエ』『波止場にて』『猫をおくる』など、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』など、童話や絵本に「パンダのポンポン」シリーズ、「本屋さんのルビねこ」シリーズ、『ポンポン・クックブック』『赤い実かがやく』『ヤマネコとウミネコ』『こねこのビスケット』『紙ひこうき、きみへ』など多数。絵本『すてきなおうち』(マーガレット・ワイズ・ブラウン著)など翻訳も手がける。

「2021年 『ルビと子ねこのワルツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野中柊の作品

ツイートする
×