怪談熱 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 72
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043834075

作品紹介・あらすじ

怪談会で聞いてはいけない話を聞いてしまった末に……背筋も凍る表題作の他、過去を隠しセレブ妻におさまった女が昔の同僚との再会を機に想像を絶する恐怖に見舞われる「再会」など9編を収めた短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 実話系が二話とホラーが七話。
    以前に読んだ怖いエッセイを期待していたんだけど、実話系はまぁ良かったかな。じめじめとした厭さが相変わらず上手い。

  • この世には聞いてはいけない、話してはいけない類いの怪談話がある。そして、ある作家が怪談会で聞いてしまった怪談は心身を冒し悪夢を引き寄せる話だった。夢と現を行き来し熱に浮かされ、覚めない悪夢を見続ける。彼はいつ解放されるのだろうか。




    この作者の怪談話は何冊か読んで、こちらの本もタイトルに「怪談」とあるので怪談話かと思って読んでいたが、怪談に絡めた話は一番最初と一番最後の話のみだった。ジャンルとしてはブラックユーモアもりもりのイヤミス小説。ひたすらに人間の狂気と理不尽と不条理が詰め込まれた話ばかりだった。どの作品も面白く、先が気になるのだが特に女と男の痴情話や不倫、浮気などの話が多く、やり取りも生々しくて胸焼けがする。雰囲気はすべて陰鬱で一度転がり落ち始めると事態は全く好転せず落ち続けるばかり。救いの手はなくただひたすらに状況や周りの人間が主人公ないしその周りの人間を追い詰め続けた。とくに不条理を感じたのは「猿島」どういう因果かはわからないが(因果などなく、外部からの観光客をこうやって食い物にして嵌めているのか?)普通に旅行をしていた家族が、人生を全部棒に振るような仕打ちを受けるのはひどすぎる。読了後のすっきり感は全くなくいつまでも、もやもやしたものが胸にわだかまる。人間の欲だったり、一時の感情だったりが一番厄介で恐ろしいのがよくわかる作品だった。

  • やっぱりこわい

  • 面白かった。「ブラックアウト」のテイストは好みだな。「猿の島」はコワイ。

  • 粘っこい何かが残る感じの話ばかり
    花冷えの儀式は人柱の儀式かな?
    ドラキュラの家は日本なのに吸血鬼・・とは思ったけど1番好きな話かもしれない
    あの時扉を開けていたらどうなっていたのか
    猿島の話は海外旅行あるあるなのかもしれない・・
    信仰と薬物には注意

  • 本屋で表紙買い…なんだけど、この真ん中のやつは何なんだろう…?久々の角川ホラー文庫。
    あちらとこちらの境界をいつの間にかまたいでしまうような短編。実話物では無いので、大概は主人公が生死不明になるのはお約束。どこかで見たような話なのもお約束?
    印象に残ったは表題作「怪談熱」で、これは最初から最後まで独特のジメッとした感じが気味が悪くて良かった。

  • タイトルからして実話怪談集かと思いきや、表題作はそれをモチーフにしたフィクション。これと巻末に、著者の近況というかノンフィクション調が次第に怪異を帯び、虚構と現実の境が曖昧になっていく作品を置いたのが面白い。
    それでも、より怖かったのは超自然的要素のない作品の方だったんだが……。

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2011-04-16

  • 怖かった。怖かった。。
    一気に読んでしまったけど、怖かった。。。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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