万能鑑定士Qの事件簿IV (角川文庫 ま 26-313)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043836451
作品紹介・あらすじ
希少な映画グッズのコレクターの家が火事になり、プレミア品の数々が灰になった。翌朝、やはりレア物のパンフレットやポスターを扱う店が不審火で全焼する。連続放火魔の狙いは、かつて全国規模でヒットを飛ばしながら存在を封印された1本の邦画だった。ミリオンセラー『催眠』の主人公、カウンセラー嵯峨敏也が登場、凛田莉子との初顔合わせを果たす。頭脳明晰な異色コンビが挑む謎とは?書き下ろし「Qシリーズ」第4弾。
感想・レビュー・書評
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このシリーズは、最後までなんて楽しめるのだろうか。毎度ながら、どの点と点が結ばれるのか最後まで分からずに、それでいて謎が解けたらスーッと納得できるストーリーは秀逸。
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シリーズ4作目は映画グッズにまつわる連続放火事件。
莉子の分野を問わない鑑定眼には恐れ入ります。
曲者ぞろいのコレクターたちを前に、臆することなく冷静に鑑定を披露する莉子がかっこよかったです。
今回はストーリーの途中でなんとなく犯人の予想がついたので、ちょっと嬉しくなりました。
…が動機までは我が想像力及ばず。
このシリーズは、毎回こちらの想像を裏切る意外な展開があるので、どう裏切られるのかわくわくしながら一息に読んでしまいます。 -
連続放火事件の犯人と目的は?
映画のプレミアグッズということで、莉子のうんちくと鑑定眼をたのしめた。
不可能に思われる犯行に、いかにもな暗号と、興味を引く展開。
臨床心理士の嵯峨敏也は、別のシリーズの主人公だそう。
未読でも差支えはないけれど、読んでいたほうが断然おもしろみが増しただろうな、と思う。 -
映画のポスターをめぐる物語。
映画に関するディテールがすごくて、知らないことばかりでその意味でも楽しめた。
マニアじゃなければ知らないようなことも本当に多くて・・・。
嵯峨の登場には驚いたけれど、結果的にさらに驚かされることになるとは。
名探偵のようにさらっと謎を解くだけではない。
あれも違う、これも違うと、紆余曲折しながら真実に近づいていくようすが好きだ。
しかも、きちんと伏線は回収され、結末に少しも嫌な感じが残らない。
莉子だけでなく、小笠原のキャラクターもいい。
初めて嵯峨の姿を目にしたときの小笠原の反応が、やけにストレートで、それでいて拗ねた少年のようで可愛らしい。
純粋な莉子と純情な小笠原、なかなかにいいコンビだと思う。 -
1970年代に公開される予定だった映画のポスターだけが狙われて、次々と放火される。放火の意図は不明な難事件にまたもや莉子が立ち向かう。
トリックがなかなか分からないのが、このシリーズの面白いところ。
今回は催眠の嵯峨も登場するのがポイント。 -
さすがの私でも犯人が中盤で分かってしまいました。このシリーズは軽く読めていいですね。
ただし、心情的にジーンときたり、登場人物に自分を重ねたりするようなことはないですね。