万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)

  • KADOKAWA (2010年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784043836468

作品紹介・あらすじ

パリ旅行を計画した莉子だが、天然で劣等生だった教え子を心配した恩師・喜屋武先生が同行することに! でこぼこコンビを迎えたのは、一流レストランの不可解な事件だった。書き下ろし<Qシリーズ>第5弾!

感想・レビュー・書評

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  • 万能鑑定士シリーズの第5弾。初めての海外で起きた食中毒事件を描いた本作。今回は小笠原の代わりとして恩師の喜屋武が海外に同行し、相棒として活躍していく。莉子を子供扱いする喜屋武と子供扱いされたくない莉子のギャップがとても微笑ましかったです。そして今回は恋愛模様も取り入れられており、楚辺の莉子に対する思いや喜屋武がかつての教え子に薔薇を渡すシーンなど、今までの登場人物が見せてこなかったシーンがあるのが印象的であった。
    事件の謎としては、単なる食中毒事件というよりもテロに近いものを感じた。極端なアニマルライツで人に危害を加えられてしまうところがとても恐ろしかった。それが子供の頃のちょっとした経験が元になっているのは、父親からすれば日常の風景にしか過ぎないものが彼女の人生のきっかけを作ってしまうのかと思うととても切ない気持ちになった。彼女の使ったトリックは冷静に考えてみればとても簡単だが慣習化された作業故に気づきにくくなっているという盲点を突いたところには目から鱗が落ちた。思い込みは怖いなぁ。
    そしてエピローグのルーブル美術館のシーンは、実写映画化されたあの話につながっていると思うので今からとても楽しみである。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠人:寺島拓篤
    喜屋武友禅:森川智之
    楚辺瑛翔:松岡禎丞
    ヤニク・クストー:津田健次郎
    アンジェリーク・クストー:東山奈央
    ヴァランタン・コタヴォ:中田譲治
    イヴォン・ダングルベール:小西克幸
    エミリー・ダングルベール:甲斐田裕子
    シモン・カヴェニャック:大塚明夫
    矢崎凱哉:西山宏太朗
    ジェリエンヌ・バゼーヌ:湯屋敦子
    ギュスターヴ・シャミナード:梅原裕一郎
    凜田盛昌:千葉繁
    凜田優那:井上喜久子
    オディロン・ボアイエ:宮野真守

  • シリーズ5作目の舞台はパリ!
    休暇を利用してパリ旅行を計画した莉子ですが、おせっかいな高校時代の担任が同行することになって出発前から先行き不安な展開に…。
    パリではフォアグラ専門店で修業中の元同級生とも期せずして再会したけれど、彼の勤めるレストランでフォアグラを食べた客が次々と倒れる事態が発生。
    徹底された食品管理のどこに異常があったのか、元同級生の窮地を救うべく、莉子が立ち上がります。

    前半、いつまでも莉子を子供扱いする元担任教師にイライラしていたのですが、後半になるにつれて少しうざったいけれどいい先生なんだなぁ…と思えてきました。(ただし私の担任だったらうんざりかもな…)
    今回の犯人と同じ境遇に置かれたら、自分は極端な思考に走らずにいられるだろうか…としばし考えてしまいます。
    莉子のように本心を語れる人ともう少し早く出会えていたら何か違ったかもしれないな…と切ない気持ちになりました。

  • 莉子が高校時代の担任とフランスの同級生のところに行き、老舗のフォアグラの異物混入事件を解決する。このシリーズ本当にめちゃくちゃ面白い。万能鑑定士の設定は、正直現実離れしてるが、いろんな豆知識もつくし、今回は何より動機の設定と真相に意外性もあってすごくいい。
    序盤が単調でつまらないのが難点。

  • 初の海外編。事件そのものも面白かったが、マナーの違いなど、トレビア満載なのが面白かった。ラストでの恩師からの卒業証書にほっこり。

  • 休暇を利用して、フランスに飛んだ莉子を待ち受けていたのは、高級レストランを襲った不可解な事件。
    美術のうんちくが語られるかと思ったら、ほとんど触れず…
    恩師、喜屋武の存在がちょっとうざい。

  • わざわざパリ?~本物の美に触れたくて個人でパリ観光を計画したが、両親が高校時代の担任に相談し、旧担任が引率に付く羽目になった。泊まりは西表島でドライブデートをしたことがある同級生で、パリのフォアグラ専門料理店の見習いコックのアパートだ。料理長に申し入れて格安のディナーを提供するはずだったのに、フォアグラを食べた客が苦しみだした。食材には万全を期しているが、二つの農場で手違いがあったのか、レストランの管理に手落ちがあったか。ホールスタッフの行為とも取れない。料理人一人が自分の犯行だと申し出てきたが納得できない…~売れている本だから取材費が出たのかなぁ。小笠原君は休みだったし

  • 美術館をめぐるフランス一人旅のはずが、恩師がついてきたり、宿泊先が同級生のアパルトマンになったり。
    莉子の扱いが、天然で劣等生だった高校時代のまま。
    沖縄時代を知るひととのからみは、いつものクールな姿とちがい、コミカルでほほえましい。
    雑学が多かったのもうれしい。
    事件を追いつつも、観光的な要素もあって、たのしかった。

  • フランス旅行に向かう莉子と,莉子を心配してついてきた高校時代の恩師の喜屋武先生。そして高校時代の同級生のレストランで起こる事件を莉子は解決できるのか。
    喜屋武先生いいなあ。最初は莉子を心配してたけど、ちゃんと莉子のことを認めてくれたのが嬉しかった。
    動物愛護家にとってフォアグラという食べ物が与える影響を考えると切なくなった。

  • 読書録「万能鑑定士Qの事件簿5」3

    著者 松岡圭祐
    出版 角川文庫

    p55より引用
    “ カルシウムが不足すると精神的不安定に
    陥るというのは、俗説以外のなにものでもな
    い。たとえ摂取量が少なくて血液中のカルシ
    ウム濃度が低下したとしても、骨のカルシウ
    ムが溶けだして一定の値に戻る。この補助食
    品によって不足分が補われるわけではな
    い。”

    目次から抜粋引用
    “ロワール
     パリジェンヌ
     サン=ポール駅
     マカリオス
     皇帝ナポレオン”

     多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
    鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
     沖縄からフランスに移り働いている青年・
    楚辺、古城が点在する観光地でありながら少
    し離れれば殆ど人を見かけない、そんな場所
    でコック見習いの彼が行う仕事は…。

     上記の引用は、イライラしていた主人公・
    凜田莉子に、恩師がカルシウム入りウエハー
    スを渡す場面での一節。
    イライラ防止にならなくても、骨の強度を保
    つためにも、カルシウムは気を付けて摂取し
    たいものです。しかし、骨とカルシウムの関
    係も、ひょっとすると否定される日が来る可
    能性も、全く無いとは言い切れないでしょう。
    最新の科学情報というのは、目の離せないも
    のなのですね。
     大きな事件に関わる事になりますが、どこ
    かのんびり、時々ドタバタとした雰囲気にな
    るのは、主人公の恩師と同級生が登場してい
    るせいかもしれません。

    ーーーーー

  • 莉子がまだ世間知らずの女の子だと思って、フランス旅行に強引に着いてこようと(本人は良かれと思っているが…)する喜屋武先生に腹が立ったが、最後は少し感動した。
    事件の渦中にあるものがフォアグラだったので、もしやという予感はありました。大人になれば、割り切れる部分もあるけれど、子どもにはトラウマになる可能性は高いよね。もし、事件が起こる前に話し合っていたら状況は変わったのだろうか。
    今回、小笠原さんの出番はほとんどなし。

  • 高校時代にどうしようもないほど劣等生だった莉子。
    担任だった喜屋武先生にとっては、5年経ったいまでもひとりでは何も出来ない心配な生徒のままだ。
    何しろパスポートを持っているか、確認するために言ったのが
    「赤い表紙の小冊子だぞ」
    どれだけ莉子を子ども扱いしているのかよくわかるセリフだ。
    フランスに行っても莉子の周りでは相変わらず事件が起きる。
    ルーブル美術館で「モナ・リザ」に感じた違和感。
    同級生が勤めているレストランで起きた急性中毒事件。
    そして、幼児誘拐・・・。
    不良食材を混入させたのは誰か?
    莉子は喜屋武先生を伴い、友のために奔走する。
    そして突き止めた真実は、犯人自身も動機を思い違いしているような哀しい事件だった。
    謎を追っているうちに徐々に莉子の変化に気づいていく喜屋武先生。
    何も出来ないと思っていたのに、自分が保護者となって守るつもりで一緒にパリまで来たのに、気づけば莉子はすっかり立派になっていた。
    もう自分の保護はいらないのだと悟った喜屋武先生からの卒業証書にはまいった。
    わざわざ毛筆で書かれていた卒業証書。
    その心遣いがあたたかい。
    きっと莉子の宝物になることだろう。
    「モナ・リザ」に感じた違和感の正体も明かされ、すっきりとした終わり方にも好感が持てた。
    海外編ということで、小笠原の出番がほとんど無かったことが残念といえば残念だった。

  • フォアグラって食べたことなかったけど、こんな作られ方をしていたんだって衝撃だった。。。
    相変わらず、このシリーズは色々と勉強になるな。

  • お盆休みを利用して、莉子がフランスに。
    ただ、一人ではなくて何故か高校時代の担任恩師も一緒。
    いや、一人で行かせてあげてくださいと思わず突っ込み。
    しかも泊まる場所を勝手に高校の同級生宅(しかも男)に変更されるし、いや、もうありえません。
    美術鑑賞旅行のつもりが、その同級生の勤めていたレストラン(同級生はコック見習い)が食中毒を出してピンチに。
    その事件に結局首を突っ込むことになります。
    果たしてその食中毒は誰が出したのか。
    フォアグラに関しては犯人の気持ちもわからないでもないですが、何事も極端に走る輩というのはどこか狂人の域に入ってしまうのでしょうか。
    しかし多分この巻は何よりも本物のモナ・リザを見分けた莉子がすごいと言いたいがための巻なのでしょう。

  • 犯人も意外だけど、動機には考えさせられるものがある。

  • 犯人はすごく意外。予想できない展開だった

  • 舞台はパリに変わっても、無駄のない展開は相変わらず。なんだか無駄がなさすぎて、今回のキーが『フォアグラ』であるにも関わらず、あっさりした印象だった(笑)
    この作品で高校時代の恩師・喜屋武先生からも卒業できたようなので、更なる活躍を期待したい。

  • B913/マ/5

  • ラスト一編が良いなぁ
    あの時
    感じた思いが
    間違ってなかったことを
    描いてくれるのが良いです
    感動できない本物って
    ないんだよねやっぱり
    感動できるからこその本物
    本物を見たいのではなく
    感動したいからこそ本物を見る

  • フランスにおけるレストランでの食中毒事件を解決するい。

  • 一巻から順に読んでいるが
    今までで一番面白いと感じた作品。

    いつもの謎解きに加え、社会問題にもなっている食の問題、特にフォアグラなどの生産過程における残酷さなどをさらりと取り上げている。
    一般読者も食と動物を捕食すること、また最近話題の動物愛護団体などの問題を再考するきっかけになるのでは、と思えた。

    あっさりしたテイストが売りのようなので、
    こよような時事ネタ、社会問題も盛り込んだ内容だとより深く楽しめるのでは。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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