姉飼 (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (2006年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784043838011

作品紹介・あらすじ

蚊吸(かすい)豚(ぶた)による、村の繁栄を祝う脂(あぶら)祭りの夜。まだ小学生だった僕は、縁日で初めて「姉」を見る。姉は皆、体を串刺しにされ、髪と爪を振り回しながら、凶暴にうめき叫んでいた!

みんなの感想まとめ

異様な世界観とシュールな設定が印象的な短編集で、ホラーの枠を超えた寓話的な要素が散りばめられています。主人公が体を串刺しにされた「姉」に惹かれる様子や、外界から隔絶された果物の島での虫たちによる楽園崩...

感想・レビュー・書評

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  •  縁日の出店で並べられた体を串刺しにされうめき叫ぶ「姉」に魅入られる小学生の主人公の破滅を描いた表題作を含む四つの短編が収録されたホラーで、キューブ状の物体から好みの女性を生成したりジャングルジムが主人公だったり外界から隔絶された果物が生い茂る島で起きる無数の虫達による楽園崩壊などどれもグロテスクでおぞましくも一抹の切なさを残す読後感が強烈だった。

  • 4編とも、とても寓話的な話だと思った。
    シュールでグロテスクで「なんでこんな設定思いつけるんだろう?」と思ってしまう部分は多いんだけど、何かしら現実にある物事を再解釈して作り上げたんじゃないかと思う。

    串刺しで売られる「姉ら」のおぞましい姿にどうしようもなく惹かれてしまう主人公、という図は、違法なペットや売春の比喩なんだろうなー。
    そういう寓話なんだろうと捉えてもやっぱり、姉らの妖しくて背徳的な姿に主人公と同じ目線でなぜか惹かれてしまう。
    ビジュアル想像するとどう考えてもただのグロだし暴れる姉たちは色気なんてないのに、不思議。

    収録作の中では『妹の島』が一番好きです。
    虫いっぱいでグロいのに、文章全体を覆う濃厚な果実の香りが感じられるような。美と醜が同時に襲いかかってくるようで印象的でした。

  • タイトルから想像される内容とは違った。まぁ、ホラー文庫から出ているのだから、当然と言えば当然なのだが・・・

    四編とも異様な世界であるのだが、個人的には「キューブ・ガール」がいいかな。この作品の世界観も怖いし、女性から見るとトンデモないものなんだろうけど。

    戦後日本のエログロが受けた時代の作品はこんな感じのが多かったのかな。

  • きっと山奥の田舎であった話と思うとロマンがありますね。

    姉・・・飼いたい・・・

  • ずっと姉が欲しかった。姉を飼うのが夢だった──。カルトホラー短篇集。表題作が凄まじいね。「姉」だけでなくサブ要素の「蚊吸豚」「脂神輿」も相当キてる豪華仕様。遠藤徹たまんね〜。遊具の心情を綴る「ジャングル・ジム」も好き。温かい作品も書くんだ〜と思ったら…でも良い話。

  • ホラー短編集。賞をとってたので読んでみた。

    ・姉飼
    最初の村の説明を読んでる時はグロいというか汚い系の話?と思ってしまいあんまり好みじゃないかも‥と不安だったけど後半になるにつれ怖くて面白くなっていった。不気味な話でよかった。脂祭いやだな〜

    ・キューブ・ガールズ
    世にも奇妙な物語に似たような話あったなーと。美女缶てやつ。もしかしてこれが原作?と思い調べたけど作者は違う人だった。

    ・ジャングル・ジム
    年取った童貞初恋ストーカー殺人?

    ・妹の島
    姉と妹でなにか繋がりがあるのかなと思ったけど、特にわからず。タイトルで遊んだだけ?私が気づかなかっただけ?

  • いやぁ〜これは、とにかく読みにくい。なんかいきなりとぶ

  • 不条理ホラーだ。良い意味で意味がわからないし、そもそも意味などないのかもしれないし、あるのかもしれない。
    「姉」を手に入れたい執着に取り憑かれた果てに「僕」が見るものとは。表題作含めて四篇を収録した不条理ホラー短編集。

  • 世界観が面白い。不気味、怖い、人間の狂気。
    グロテスクな部分もあり、想像するのが恐ろしかった。
    他の短編の『キューブ・ガールズ』も面白かった。でも、姉飼が1番好き。

  • 「姉飼」読み終わりました。えらくグロなんだけど、主人公の心情に共感を覚える私は異常なのだろうか?

  • 内容紹介
    選考委員への挑戦か!? 物議を醸した第十回ホラー大賞大賞受賞作文庫化!
    蚊吸(かすい)豚(ぶた)による、村の繁栄を祝う脂(あぶら)祭りの夜。まだ小学生だった僕は、縁日ではじめて「姉」を見る。姉は皆、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら、凶暴にうめき叫んでいた!

  • 前にも書いた気がするがホラーは苦手だ
    何が面白いのかさっぱりわからない
    ミステリだと解かれるべき謎があり
    SFだとかがくっぽい嘘というガジェットがあるが
    ホラーの求めるのは生理的感覚的てきてき気持ち悪さとか違和感であって
    つまりガラスや黒板を掻き毟る音であって
    ゴキブリとカブトムシの違いではない
    そこが理解できない
    この作品も何が凄いかさっぱりわからない
    日常からのズレはホラーじゃない
    いわゆるひとつのだから何

  • 本の表紙がインパクトあり過ぎて、肝心の中身を食ってしまっている

  • 姉っていう、ヒトとは独立した生き物かと思いきや、元は人間でしたという話。他3編収録。特に何てことはない物語たちでした。

  • 夏の角川ホラー祭。典型的な作品でしたよ。

    山奥のどこかで捕らえられる、「姉」と呼ばれる人間の女性によく似た凶暴な動物を、半死半生のまま飼育する。これを一度経験すると、破産するまで書い続けてしまうのだが…。

    90年代以降、「好きな小説は江戸川乱歩の『蟲』」というタイプの、よくある作家の一人。悪趣味でドロドロ、常に血が滴っているような情景に加え、既存の言葉に新しい概念をくっつけるという、悪く言えば学生っぽい青臭い作品だ。

    短編集なので4作収められているが、ジャングルジムが自分の意志で動くファンタジーっぽい作品があったりして、バラエティには富んでいる。ただ、あんまり刺さるポイントがなかったかな。角川ホラーによくあるタイプだが「自分の嫌いなものを気持ち悪く書きました」というものだ。

    その中で個人的には、今っぽさのある「キューブ・ガールズ」が良かったな。へんに「日本の田舎の気味悪さ」を書くより、現代の嘘くささから怖さにつなげるストーリーのほうが、スタイル的にも映えると思う。

  • いまいちかな。

  • 「姉」や「蚊吸豚」や「脂祭」、「オゴロ芋」や「オニモン蜂」など、微妙に不気味なモチーフを使うのがうまい。

    「姉飼」は、姉という奇妙な生物を飼うという設定もさることながら、「串一本」という表現もすごかった。
    「妹の島」はグロテスクホラーのよう。

    「キューブガールズ」と「ジャングルジム」は星進一や筒井康隆にもありそうな短編だった。

  • ぎぃよええええいッ、びぃよよよええいッ!串刺しにされて、いい声で鳴く姉。しかしながらこの場合の姉は、俗に言う"あの姉"ではないのである。伸びきった黒髪、湾曲した70cmにも伸び、手足の爪を振り回し噛み付くのである。姉って何やねん!?とお思いでしょう。それが僕も分からんのです。兎に角、姉という生き物なのです。完全に意表を突かれた濃厚な異世界。淫靡で背徳的で狂った世界観。ぼかぁ嫌いじゃないですこの作品。他に3編の作品も収納されてますが僕的にはムムッて感じのコメントしか出来ません。

  • 2015年、三冊目は、何度も読み返してる作品。
    コッチの世界へのキッカケを作ってくれた作家、遠藤 徹のデビュー短編集『姉飼』。
    収録は四編。個人的、好みの(逆)順に簡単な感想を……。 キューブ・ガールズ
    基本、主人公である、若い女性の一人称視点で書かれ ている。彼女こそ、キューブ・ガールズ。キューブ・ ガールズとは……?
    妹の島
    コレは、登場人物それぞれの視点を巡りながら、話が 進んでゆく。呪詛的要素、体内に巣食う蟲、等々、収 録作の中では、最もホラー的ではある。
    ジャングル・ジム
    おそらくgymとjimをもじって、擬人化したら、の発想 から生まれた作品であろう。ラストの情景はきっ と……。
    姉飼
    「姉」を「飼」うこと、それは、監禁モノのソレとは 全く異なります。ココでは、身を滅ぼすコトも厭わな い、偏愛の形。オチを含め、話の展開自体に新鮮さは 特に感じないが、和風倒錯世界に通じるエログロ感。 個人的にその辺、大好物です。
    全体として、四編、それぞれ異なった作風であり、好 みも分かれると思う。
    ソレ以前に万民ウケする作品だとは思えないが……。
    ここまでで、★★★★☆。
    そして、ラスト、大槻ケンヂの絶妙な解説で、 ★4.5。

  • 【本の内容】
    さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は―。

    蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。

    小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。

    どうにかして、「姉」を手に入れたい…。

    僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。

    「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集。

    [ 目次 ]


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    人間の妄想の底知れなさに打たれます。

    どうやったらこんなすさまじい小説が生まれるのでしょうか。

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    [ 参考となる書評 ]

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著者プロフィール

遠藤 徹(えんどう とおる)
1961年神戸市生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部教授。研究テーマはプラスチック、モンスター等多岐にわたり、以下のような評論・研究書を著している。『溶解論 ―不定形のエロス―』『プラスチックの文化史 ―可塑性物質の神話学―』(ともに水声社)、『ポスト・ヒューマン・ボディーズ』(青弓社)、『ケミカル・メタモルフォーシス』(河出書房新社)、『スーパーマンの誕生 ―KKK・自警主義・優生学―』『バットマンの死 ―ポスト9.11 のアメリカ社会とスーパーヒーロー―』(ともに新評論)など。
また小説家としても活躍し、「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞、「麝香猫」で第35回川端康成文学賞候補となる。主な作品集に以下のものがある。『姉飼』『壊れた少女を拾ったので』『おがみむし』『戦争大臣』(以上、角川ホラー文庫)、『ネル』(早川書房)、『むかでろりん』(集英社)、『贄の王』(未知谷)など。最新刊は本書と同時刊行の『七福神戦争』(五月書房新社)。

「2018年 『七福神戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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