テロリストのパラソル (角川文庫)

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  • 角川書店 (2007年5月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784043847013

作品紹介・あらすじ

新宿に店を構えるバーテンの島村。ある日、島村の目の前で犠牲者19人の爆弾テロが起こる。現場から逃げ出した島村だったが、その時置き忘れてきたウイスキー瓶には、彼の指紋がくっきりと残されていた……。

みんなの感想まとめ

緊迫した状況下での主人公の冷静な判断力と人間力が際立つ物語が展開されます。新宿のバーテンであるアル中の男が、目の前で起きた爆弾テロに巻き込まれ、思わぬ運命に翻弄される様子が描かれています。彼の博識さや...

感想・レビュー・書評

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  • 1995年第41回江戸川乱歩賞
    1996年第114回直木賞 受賞作

    テレビドラマでは、主人公を萩原健一が演じていたらしい
    うん、ぴったり
    そして、ギャンブル借金返済の為の作品だったらしい
    うん、ぴったり
    新宿のバーテンの男、ほぼアル中
    ほぼアル中だけど、頭はキレる
    新宿公園でいつものように飲んでいると 爆弾テロに遭遇する
    偶然かと思われた爆弾テロが自分に関わりが深いものだと気がつく
    そして 気がついてからの行動が小気味良いほど悪賢い
    この男が 連なっていくトラブルにどう動いていくかと 事件に繋がっていく人達
    最後まで緊張感が切れずに楽しめました
    東大の学生運動時代に発端があり、その時代を引きずってしまった強さであり弱さ
    すべてが繋がっていくストーリーに驚きもありました


    ただ繋がりすぎたかなー、そこまで繋がると計算が過ぎるかなーというところなんです

    • おびのりさん
      もう30年くらいですかね
      今日は 藤原さんの命日なので
      直木賞でご供養ですわ
      もう30年くらいですかね
      今日は 藤原さんの命日なので
      直木賞でご供養ですわ
      2024/05/17
    • しずくさん
      このタイトルを聞くと胸がつーんとなります。
      藤原さんに傾倒していた頃が懐かしい。
      当時流行っていた歌と同じように、本もそういうところがあ...
      このタイトルを聞くと胸がつーんとなります。
      藤原さんに傾倒していた頃が懐かしい。
      当時流行っていた歌と同じように、本もそういうところがあると思いませんか? 
      2024/05/18
    • おびのりさん
      こちらにもコメントありがとうございます。
      主人公がホットドッグメニューのみのバーテンとか、学生運動時代の繋がりとか 昭和と平成の間のハードボ...
      こちらにもコメントありがとうございます。
      主人公がホットドッグメニューのみのバーテンとか、学生運動時代の繋がりとか 昭和と平成の間のハードボイルドになりきらない危うさが 良かったです。
      2024/05/18
  • 淡々と話が進んでく中に皮肉と格好良さもあって海外小説のような雰囲気でした。他の作品も読んでみます。

  • ブクログの皆さんの感想を読んでいて興味を持った作品
    江戸川乱歩賞と直木賞の唯一のダブル受賞作
    読むしかない!

    主人公は40代のアル中のバーテンの男
    朝の日課で近所の公園の芝生の上でウイスキーを飲む場面から始まる
    少女が近づいてきて男に話しかける
    その会話のやりとりから、彼は博識だとゆうことがすぐに感じられる
    その公園で爆発事件が起こり、巻き込まれて行く

    出だしで主人公の人間力に惹かれた
    アル中でウイスキーを飲んでいないと手が震えてきちゃうのに、かっこいい
    そして彼が営むバーの唯一のメニュー、手作りのホットドッグがとても美味しそう

    常に危険な状況なのにやるべき事を冷静に分析し、行動できる人
    主人公と同じくらいあたまがきれる元警察官のヤクザがまたかっこいい

    解説で「ハードボイルド」と書かれている
    こうゆうのをハードボイルドとゆうのか~

    西島秀俊主演のドラマ「ダブルフェイス」と内容は違うけど雰囲気が重なった

  • 面白いんやけど、読むの時間かかる…たまにあるな。こんな感じ。
    ミステリー要素もあるけど、ハードボイルドって感じやな。

     主人公:アル中のバーテンダー
    紅一点:ツンデレ(元同士の娘)
    もと警察官のヤクザ
    学生運動からの同士の爆弾魔
      その他色々…

    それぞれ個性的な登場人物。
    解説ではキャラ立ちしてるって。

    学生運動って言っても、今の人は分からんな。という私もあんまり分かってないけど。

    その頃にやってもうた事で、姿を隠して20年、酒飲んで、のんびり公園で寝てたら、爆弾がボ〜ン!
    爆弾テロやん!犠牲者には、昔の馴染みが何人も!
    おかしい!犯人探すで!物語スタート!
    ヤクザとは思えん浅井。主人公島村との会話は知的な感じで良い。この2人のタッグはなかなかでした。
    でも、直木賞と江戸川乱歩賞の同時受賞の作品なんで、少し期待値高過ぎたかもしれん…

  •  '95,'96の乱歩賞&直木賞W受賞作! 
    評価に違わぬ、素晴らしい小説でした。

     本書は、世間一般でいうところのハードボイルドの位置付けのようですが、特定感情に流されず、精神的・肉体的にも強靭で、時に冷酷非情とも言えるような、所謂〝カッコいい〟主人公とは趣きが違います。
     中年でくたびれたアル中のバーテンの主人公を始め、他の登場人物も個性が際立っていて、その設定にも感心します。
     ストーリーも、客観的で簡潔な描写が淡々と展開され、どんどん引き込まれます。ミステリーを超越し、他のハードボイルドからも一線を画している気がします。
     最後は怒涛の驚愕の連続でしたが、破滅の道へ進んだ友人と主人公の想いを中心に、多くの登場人物へ感情移入しながら、哀愁漂う主人公のカッコよさに酔いしれました。
     素晴らしい読後感で、しばらく余韻を引きずりそうです。

  • 他の人も書かれていますが、ほんの数頁で引き込まれました。
    物語の重要なカギにもなる公園でのやり取り(本文より引用)
    「神様についてお話ししませんか」と彼はいった。「申しわけないが、いま仕事中なんでね」「仕事? なんの」「これだよ」酒瓶をふった。「プロの酔っ払いでね」

    ・・・もう、これだけで面白いの確定です。

    結末での主人公の「私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ」、この台詞が全てです。
    出版当時に「乱歩賞と直木賞、初のダブル受賞作は?」とアタック25で児玉清さんが出題されていて、とりあえず読んでみた記憶が有ります。
    当時、自分にはそこまで響かなかった物語が今回の再読では全く違うモノになっていました。
    小説には読むべき時期があるのだと再認識しました。読めて本当に良かった。

  • 1995年の大ベストセラー小説。当時の日本で、こんなに凄いハードボイルド小説が書かれていたとは知らなかった。主人公やヒロインのキャラクタ造詣といい、脇を固めるヤクザやホームレスの物語といい、隙がない。大胆に心の内をブチまける短歌という詩型をプロットに組み込んだのもユニークで再読に耐える傑作。

  • 雫井脩介著「犯人に告ぐ」を読んだ後、ちょっとハードボイルドな物語に魅力を感じて手に取った本作。
    主人公がアル中のバーテンという「え?大丈夫?」と思ってしまうような設定にも関わらず、どんどん惹かれていき……
    最後には「アル中でも構わない!かっこいい!」なんて感じてしまいました(笑)

  • この『テロリストのパラソル』の冒頭数ページを読んだだけで「ああ、これは好きな小説だ」となりました。

    アル中の中年バーテンダーの島村は朝起きると、いつも通り公園に行きウイスキーをいれたカップを傾ける。そんな島村を見つめる一人の女の子。会話の流れから、女の子がバイオリニストを目指していることが分かり「わたし、バイオリニストになれると思う?」とその子は問う。「なれるかもしれない。ツキに恵まれたなら」と島村は返し、そして女の子は……

    昼間からアルコールの臭いを漂わせているため、世間の人からは白い目で見られることの多い島村。そんな島村が無垢な女の子との会話から思った世界のこと。そして淡々と無骨ながら、どこか色気やリズム感のある島村の語り口と、彼の視点から描かれる日常世界。そして最初の少女とのやり取りで浮かんでくる、彼の人間性や人生観。

    派手ではないけれど、文章や場面、人のやり取りや会話、思考、すべてがいいふうに自分の中で受け入れられた最初の場面。後は流れに任せて、一気に読むだけだった気がします。

    女の子との会話は静かなシーンでしたが、そこから一転、物語は一気にギアがかかります。その直後、公園で起こった死者19名の爆破事件。そして島村の元に現われるヤクザに、元交際相手の娘。そして死者の中にいたのは、大学時代の島村の友人。そして警察は島村の過去から、爆破事件と島村の関係を疑い……

    爆弾事件の犯人捜しの物語の本筋はもちろん、そこにヤクザや警察からの逃走劇というサスペンスも加わります。そして事件の展開も読ませる。事件は徐々に闇社会の奥深くに入っていく一方で、島村個人の過去とも密接に関わってきます。

    島村以外の登場人物たちも魅力的です。なぜか島村を気に入り、事件に入れ込むヤクザの浅井。事情があり、カタギからヤクザへ鞍替えした彼の矜持。一方で島村との関係性は、立場や損得関係を越えたバディものの雰囲気があって、しかし一方でこの浅井もまた事件と密接に関わってきて、この関係性はもちろん、先が読めない展開も面白かった。

    作中に登場し、島村に協力するホームレスたちもよかったなあ。それぞれ詳しく書かれるわけではないけど、会話などのやり取り、そして事件や物語の展開で、彼らにもそれぞれの人生、プライド、矜持といったものを抱えて、泥臭く生きていること、そして人生の哀愁も感じさせます。

    島村と友人の桑野の回想の場面も良かったです。時代背景もあって、彼らの青春はかなり特殊なのですが、お互いがお互いに一目を置き、そして構築された唯一無二の友人関係が魅力的。完全に理解しきれるか、といえば微妙なのですが、その描写のみずみずしさは、なにか懐かしい気持ちにさせる力があるような気がします。

    そして真犯人もなんだか憎み切れない。カリスマ性というか、彼の抱えた闇と空白、社会の不合理や矛盾、そして嫉妬。改めて設定を考えると、なかなかのとんでも設定ですが、それを無理と感じさせない、スケールの大きなキャラでした。それがなんだか惹かれる理由なのかもしれません。

    粋な会話や文章、なかば世間から隔絶しているような男主人公、ヤクザや闇社会、男の友情、そしてなぜか主人公はモテる(笑)と話や設定、キャラは今から見ると古さを感じます。ただその古さは、アンティークのようなもので、古さを感じるからといって、まったく出来に影響するものではないと思います。

    そして良い意味で男くさい、男のロマンが詰まったハードボイルドだった気もします。本格ミステリや最近のキャラミステリも面白いけど、こういう良い古さと、男くさいロマンが詰まった話も面白いのだなあ、と改めて感じました。

    第114回直木賞
    第41回江戸川乱歩賞
    1996年版このミステリーがすごい! 6位

  • 全共闘世代、団塊の世代の学生運動を背景に持つハードボイルド小説。

    東大卒かつアマボクサーで、とある特定の電子機器に強く、しかもアル中でいて素敵な女性達、男性達にモテるというてんこ盛りキャラクターだけど、現状は独りで都内の狭いカウンターバーを切り盛りする一介のバーテンダーに過ぎず、店では酒とホットドッグしか出さないという主人公。
    脇を固める登場人物たちもかっこいい。

    乱歩賞新刊、数ヶ月後に受賞する直木賞は発表前という段階で読んで以来ずっと、本棚のお気に入りスペースに鎮座ましましている名作です。

    昭和と平成初期のハードボイルドを感じてみたい方は是非。

  • 図書館で借りて読んだのはかなり昔のこと。
    こんなにおもしろそうで、直木賞と江戸川乱歩賞の両方を獲っていて、でも、印象に残っていない?
    なぜだ……自分に問いたい。
     
    最近読んだ本の中では「犯罪者」に似てるかな。

    • おびのりさん
      再読すれば、よろし。
      再読すれば、よろし。
      2024/05/17
    • 土瓶さん
      おもしろかった印象がないからな~。
      おもしろかった印象がないからな~。
      2024/05/17
  • 直木賞と江戸川乱歩賞を受賞とのカバーを見て、購入しました。
    ハードボイルド小説は読み慣れないので大丈夫かなと思いましたが、まったく問題なかったです。
    ストーリーのテンポがよく、最初冴えない主人公が真相に迫る様子がおもしろいので、後半は一気に読み進めてしまいました。
    1995年に発売された作品ですが、今読んでも古臭いという感じにはならないと思います。

  • 江戸川乱歩賞受賞作と聞いてかなり期待して読んだが、そうでもなかったかな...。

    読むのに時間がかかってしまったので、それが良くなかったのかもしれない。一気読みしたらもっと楽しめたかも。

    塔子のキャラクターはとっても良かった!ラブな方向に話が逸れるのも見てみたかったかな〜。

    真相はかなりエグかった....。

  • この小説の重要なキーワードは「偶然」である様に思った。新宿で起きた爆破テロの背景には様々な「偶然」が絡まっていて、それらをパズルのように組み合わせていくことによって犯人へと辿り着く構図がとても面白かった。

  • 【2023年22冊目】
    読んでる途中から「いや、これもうよっぽどのことがない限り★5です、満点です」って思ってたんですけど、めっちゃ面白かった〜!

    江戸川乱歩賞と直木賞ダブル受賞ね、ふーんて思いながら読み始めましたが、ダブル受賞伊達じゃなかった。

    のどかな公園からスタートする物語が、どんどんと複雑化していき、途中で相関図書いて整理しつつ、結末がどうなるか全然わからなかったので、最後までドキドキしながら読み切りました。

    「私」の受け答えがいちいちかっこよすぎる、あと頭が切れるのと同じくらいダメっぷりが光る人間味が良すぎました。

    あと、あの、浅井ー!浅井かっこよすぎるでしょー!途中から浅井が出てくるたびに「浅井!!」って思いながら拍手してました。

    学生闘争の頃とかについて、少し前知識入れておくとより楽しめると思いますが、やー本当面白かったです。

  • 面白かった。アル中でバーテンダーの主人公島村と奇妙なヤクザ浅井のキャラクターと関係性が魅力的。読み応えのあるハードボイルドミステリー。

  • 一気読みしてしまった。
    言葉遣いといい表現といい行動といい、全く関わったことない人種だらけなのに、想像できてしまった。それにしても割とハイコンテキストな会話が多くてみんな頭良い。
    ストーリーは読めそうで読めない展開が続きウズウズしてるとラスト十数ページで全ての伏線を回収してきた。すっきりした。

  • 情景が目に浮かんだ
    テロリストの考えはよくわかりません、、、
    学生運動のくだりとかよく分かんなかったら時間空けてもう一回読んでもいいかも

  • 20年以上前の作品ということに驚いた。
    とても面白かった。

  • 本屋さんの「今更だけどおすすめです」 と言うコーナーにあって 気になったのでよんでみました。

    アル中のホームレスのようなバーテンダーが爆弾テロに巻き込まれていく話
    読んでるうちにどんどん かっこよく思えてくる ハードボイルドだね~
    優子さん塔子さん親子には キュンですね

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著者プロフィール

1948年大阪府生まれ。東京大学仏文科卒。85年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。95年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、同作品で翌年直木賞を受賞。洗練されたハードボイルドの書き手として多くの読者を惹きつけた。2007年5月17日逝去。

「2023年 『ダナエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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