ひまわりの祝祭 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.63
  • (7)
  • (18)
  • (14)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 133
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (539ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043847020

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 妻の自殺をきっかけに仕事をやめたアートディレクターが、ファン・ゴッホの八枚目の「ひまわり」を巡る争いに巻き込まれるお話。

    「テロリストのパラソル」でも思ったけど、

    出てくる男のひとたちがいちいちかっこいい。

    ダメなおっさんのはずの秋山も、

    ものっそい万能でゲイのマネージャー・原田も、

    荘子を愛読する新聞配達の青年も、

    なんか、すげえかっこいい。

    話の展開云々より、

    キャラが良くて、

    それだけで楽しかったです。

    とりあえず、なぜ原田が仁科を選んだのかはすごく謎。

  • 個人的には今一歩のハードボイルドミステリー

    ハードボイルドだからかもしれませんが、会話がくどい。
    さらに、前半では何がなんだかわからない状態で物事が進んでいくのが耐えらず、かなり退屈してしまいます。これ以上続いたら、読むのやめようと思うぐらい..しかし、後半戦はようやく話が盛り上がって、話の全貌が見えてきて、どんどん読み進めることができました。
    前半なくていいのに(笑)

    基本的にストーリとしてては、ゴッホの8枚目のひまわりの行方と、主人公の奥さんの自殺の真相といったところかなと思います。そして、衝撃的な結末。

    これに出てくる登場人物がまたまた個性的!、もちろん、くたびれた主人公、ゲイの知的格闘家、好奇心旺盛な娘、やくざ、義理の弟、新聞配達の青年などなど。
    登場人物の人間関係がこれまた、こんがらがりそう

    前半はまだしも、後半のスリリングな展開は2時間ドラマでみてみたいところ。
    ということで、前半の退屈さで★減点。

    やっぱり、さくさくっとストーリが展開する物語系が好き(笑)
    ハードボイルドの独特の言い回しは自分には不向きかな。

  • 金、権力、美。

  • テロリストのパラソルが面白かったので読みました。
    これを読む前に軽めの文体の本を読んでいたから余計にそう感じたのかもしれませんが、会話がくどい感じがしました。

    けれども、人物自体はカッコよくて良いなあと思いました。主人公の秋山は駄目人間みたく思わせておいて頭がいいですし、銃撃っちゃうしネズミと同居しとるし。私的には原田が一番ツボでした。優雅さがあって武道派、丁寧な喋り方。やわらかな微笑、ってどこの紳士でしょうか。仁科氏にはもったいない人材。

    前半は背景がなにも分からないですし、秋山の心理描写が際立っているので退屈してしまったのですが、後半は暴力団とのやり取りとか心理戦が面白かったです。秋山と麻里の最後の会話は直接的ではないから余計に悲しい感じでした。

  • 第41回江戸川乱歩賞、第114回直木賞を受賞した『テロリストのパラソル』の著者・藤原伊織の受賞後初作品。
    かつては優秀なデザイナーだった秋山は、妻を亡くして以降仕事もせず変化の乏しい「つるつるのプラスチックみたいに平板な生活」を送っていた。そこへ現れるかつての上司。彼は500万円を一晩で捨てる手助けを依頼してきてーー

    ゴッホがアルル時代に描いた幻の8枚目の「ひまわり」を巡る、ハードボイルドミステリ。
    文章が上手いし、面白さにも安定感がある。夢中になって読める作品だった。
    テロパラの時もそうだったけれど、伊織ちゃんの活写する脇役はずいぶん魅力的。本作でいうなら武道の達人で同性愛者のマネージャー・原田が良い味出してる。

    本当に早逝が惜しまれる作家。他の作品も読んでみようかな。

  • 妻が自殺してからデザインの仕事をやめて隠居状態だった僕は
    かつての上司である村林から五百万をギャンブルですってくれという
    風変わりな頼みを受けた。
    連れて行かれたカジノには村林の顔見知りである老人と
    死んだ妻にそっくりの女がいた。
    女は僕を追って来たので妻のことやなぜそこにいたのか尋ねたが
    彼女は何も知らされずに老人につきそってきただけのようだった。
    そうして家に帰ってみれば自宅の戸口が破壊され
    監視の車がうろうろしている。
    さらにカジノのマネージャーであった男が接触してきた。
    彼らは別々の組織だが狙いはどうやら妻が見つけた八枚目のひまわりらしい。
    しかし僕はそのことについて何も聞かされていないのだ。
    カバーデザイン:片岡忠彦The Bridgeman Art Library/AFLO

    ファン・ゴッホの八枚目のひまわりを巡るサスペンスです。
    前半はなんとなく村上春樹っぽい印象でした。
    主人公の何事にも関心を抱かない感じとか謎の女の登場とか。
    でもストーリー展開がはっきりしているから純文学ではないのかな。
    後半はいろいろな人間関係が明らかとなって
    だんだんこんがらがってきましたが落ち着くべきところに着地しています。
    英子がいい女すぎるのが現実味にかけるかも。

  •  一気に読み終わって思ったのだけど、長いわりにずいぶん短い期間の物語であった。もちろん、小説の中に流れている時間は短いけど、その背景にある時間はずっと長く、しかも重厚なものだ。それがあるから物語がずしんと重く感じ取れるのは確かだと思う。

     「ひまわり」という有名な絵画をモチーフにした、一種の争奪戦である。物語はよく練られていて説得力がある。なにより、登場人物が魅力的である。物語の背景にしか登場しない、それでいて主役と言っていいような女性を筆頭に、どいつもこいつも一癖あって、いろんなことを抱えていて、身勝手でよい。全体として「大人」と「子供」(精神的な、ある種の暗喩として)の対比が露骨で気になったのだけど、それがある意味「衝撃的な」ラストを引っ張り出していると思えば、それも作者の作戦であろう。読み応えのある、いかにも「日本のハードボイルド」といった雰囲気が感じられる小説だった。

     ただ、全体としてあまりにも物事が都合よく進みすぎていないか、って印象はもってしまった。主人公の特技にせよ、最後の方で実に感動的なタイミングで現れる救いにせよ、妙につながりがある登場人物達の人間関係にせよ。なんだか、この複雑な物語をなんとか集結させるために、神ならぬ作者がいろんな偶然の目を調整しすぎているような感じがして、それは残念であった。

     まあ、最初から最後まで、息つく暇もなく読みふけることが出来た本であることは間違いない。

  • 藤原伊織の作品には絵画・絵の話がよく出てくる(ダナエ・シリウスの道)

  • 気に入った作家さんの作品は古本屋で見つけるととりあえずまとめて買っておく癖があります。そして気が向いたときに読むのですがふと気づいたら同じタイトルが2冊ありました…。しかも同じ日に買ったらしい。アホじゃないか、私。

    それはさておき。
    この方の書く主人公は本当に独特ですね。厭世感に満ちているというか…でも決して無関心・無感動なわけではなく。今の世の中で一番信仰されている「カネ」と言う神を無視出来るなかなか凄い主人公です。
    ラストはちょっと納得できかねたので残念です。

    絵画を投資に使うということについてどうなんだろう…と思ってましたがまあこういう考え方もあるんだなあと思いました。

  • 前作程サクサク読めるわけでも、スリルが味わえるわけでもないのですが、落ちついて読める感じの作品でした。
    主人公の幼稚さがいろいろな人にやたら指摘されてて、若干違和感が・・・
    ラストはえー・・・って感じでした(笑)
    まああのラストも、主人公の幼稚さゆえなのかな。
    世界的な文化遺産なのに・・・
    テロリストのパラソルと設定が似すぎているような気がしました。

全13件中 1 - 10件を表示

ひまわりの祝祭 (角川文庫)のその他の作品

藤原伊織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

ひまわりの祝祭 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする