グラスホッパー (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043849017

作品紹介・あらすじ

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに-「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観るために再読。

    妻を殺された鈴木は復讐のために危ない会社《令嬢》に入社する。ターゲットは《令嬢》の社長の息子。復讐のチャンスが巡ってくるが、押し屋と呼ばれる殺し屋の槿に先を越され社長の息子は死んでしまう。
    社長は血眼で押し屋を探せと社員に命じ、鈴木は槿を追うことに…そこに殺し屋の蝉や殺し屋の鯨まで絡んできて鈴木の周りは知らないうちに大混乱。
    「鈴木」「鯨」「蝉」のパートで話は進んでいく。それぞれ色んなものを抱えてる彼らがひとつに交わる時どんな結末を迎えるのか…

    鈴木と槿(ファミリー)のシーンが好き。いつ本心を語り合うのかドキドキした。その時ふたりはどうなるのか。みんな早く逃げて〜ハラハラ手に汗握る。盛り上げ方がうまいなぁ。
    槿のいうグラスホッパーの話が怖い。そうならないように気をつけていきたい。

    映画の方も少しだけ。
    原作のキャラとイメージを大切にしつつ2時間という枠に収まるよう物語を作り変えた感じ。映画は映画で面白かった。特に蝉と岩西の関係は映画の方が好きかも。山田涼介くん頑張っていたなぁ。槿の活躍が少なかった事が残念。

    • 杜のうさこさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      お~!映画観に行ったんですね。
      配役どうでした?(内容よりそこが気になるって・笑)

      大きな声じゃ言えないけど・・・

      『マリアビートル』のへんてこな悪人たちも妙に好き♪
      マズイね(#^.^#)
      2015/11/14
    • けいたんさん
      杜のうさこさん、こんにちは(^-^)/

      いつも楽しい話をありがとう(*^^*)♪

      配役は槿以外はいいと思ったよヾ(≧∪≦*)ノ〃
      槿が吉岡秀隆というのはちょっと渋みが足りないような…
      吉岡秀隆さん好きな俳優なんだけどね。

      山田くんの蝉が本当によくて、強がっているけど本当は孤独で、誰かに自分を認めてほしいんだろうなって、可愛くもあって、でも血まみれで(笑)

      鈴木さんも最初は違うかなって思ったけど、だんだんいい感じって思えたよ。

      「マリアビートル」いいよね(*≧艸≦)
      私もあの殺し屋たち好きだった。いかん、いかん。
      殺し屋より悪い子がいたよね。
      また読みたくなったよ。

      最近、伊坂作品読んでいないのでまた何か読もうかな♪

      では、今日もありがとう。
      2015/11/15
    • 杜のうさこさん
      けいたんさ~ん(>_<)
      返信が遅くなってしまって、申し訳ありません。

      このコメント書いた次の日から、体調を崩しちゃって。
      ほぼ10日あまりPC開けなくてね。
      今日やっとのことで、復活!

      が、しかし、ブクログさんの模様替えにびっくり!!
      PCが壊れたかと思った。。。
      入会して数々の失敗をしながらやっと慣れてきたところだったのに…。
      病み上がりのアナログ人間にはつらいわ。

      『ジャイロスコープ』面白かったよ♪
      短編集なので、大好きな伊坂さんと、よくわかんない伊坂さん(笑)が
      混ぜ混ぜされた感じでした。

      『マリアビートル』けいたんさんも♪
      嬉しい(ふふ、ナイショね)
      伊坂作品の、くすくす笑えるへんてこりんな人々が大好物なのであります。

      では、またね。
      けいたんさんも、身体に気を付けてね!(*^-^*)
      2015/11/27
  • スピード感のある展開。暴力的な空気。行き着く先が見えないストーリー。
    「鈴木」「鯨」「蝉」の三人が交差しあいながら進んでいく流れは伊坂さんらしい。
    とにかく、主要人物である三人が魅力的だ。
    暴力とは無縁の人生を送っていたはずなのに、妻が殺されてからは復讐者となっていく鈴木。
    一気に極端へ走るくせに、しっかり計画して動いているかというとそうでもない。
    自殺専門の殺し屋「鯨」は、いつも自分が自殺させた人間の幻覚を感じている。
    亡霊たちに話しかけられ、現実と幻覚との境界がどんどん曖昧になっていく。
    身体能力の高さを活かし、ナイフを使って殺しをする「蝉」。
    仲介者を通して仕事を請け負っていたが、トラブルに巻き込まれ仲介者は消されてしまう。
    「鈴木」の復讐相手である寺原Jrが「押し屋」に押されたことで、彼ら三人の道は徐々に交差していく。
    それぞれの視点で語られているところもいい。
    内容的にはかなりハードな場面もあるはずなのに、妙に血の匂いがしない。
    ただ、時間が積み重ねられ、その中を登場人物が動きまわっているのを眺めているような感覚だ。
    独特の世界観に自然と引き入れられ、強烈な個性を持つ登場人物たちが次にどんな行動をするのか、共感するわけでもなくただ待っている。
    物語の終わり方も好みだった。
    あっけないと思う人がいるかもしれないけれど、「そうか、こう終わるのか」という面白さを感じた。

  • 映画化すると聞いて…再読です。

    妻の復讐を誓う鈴木、悩める自殺屋・鯨、ナイフ使いの雇われ殺し屋・蝉。三者三様の想いを胸に押し屋を追い物語は進みます。

    おもしろかったー!こういう伊坂作品も案外好きです。押し屋とか自殺専門の殺し屋とかよく思いつくなぁ。それぞれの名前も妙に合ってておもしろい。
    最後は「え?」という展開ですが…(まさかのスズメバチ…)私的には鈴木が表の社会に戻れそうでほっとしました。

    どのキャラクターも魅力的で好きなのだけど、とりわけ蝉と岩西のコンビが好きです。わからないけれど、蝉に対して岩西の親心のようなものが感じられて切ないです…

    相変わらず名言の宝庫で、作中によく出てくる虫の比喩も興味深い。

    マリアビートル、挫折してしまったけど、読みたくなりました。

  • 素晴らしいエンディング。
    悲しみの中を暖かい風が吹き抜けていくよう。
    伊坂幸太郎の小説には本当に痺れる…

    妻を殺され復讐に企む鈴木。彼の行く手にはバラバラの目的を持った3人の殺し屋達が。
    そして物語が進み、彼らの思惑は交錯していき…

    心に響いた一節…
    「自殺する奴ってのが大嫌いなんだ。人間だけだぜ、逃げるように死ぬのは。どんなに酷い環境に置かれたって、動物は自分からは死のうとしねえよ。自分たちが生き残るために、他の動物がどれだけ犠牲になったか知ってるからだ。人間ってのは、傲慢だよ」

    • kwosaさん
      グレープフルーツちょうだいさん

      はじめまして。
      突然ですがフォローさせてください。

      ブクログのお仲間のタイムラインからレビューを拝読し引き込まれました。
      本棚を覗いてみればレンジの広いセレクトながらもツボを押さえた作品ばかり。
      是非、これからもレビューを読ませてください。

      伊坂さん、いいですよね。
      しばらく離れていたので、近刊あたりを読んでみようかと熱が再燃しました。
      2013/05/13

  • グラスホッパーは伊坂幸太郎による2004年に書き下ろされた小説。


    後から知ったのだが、これが伊坂幸太郎のハードボイルドな殺人を扱った最初の作品だった。


    この前にマリアビートルを読んでいたので、この作品に手を伸ばしたわけだが、相変わらず面白くてすぐに全部読んでしまった。


    マリアビートルもそうだったのだが、今作もジグゾーパズルのピースをはめて行くように、それぞれ章ごとに別のキャラクターの目線で事件が描かれており、話が進んでいくごとに、それが一つの事件として重なり合っていく。


    このキャラクターの目線で、別のキャラクターを攻撃した章の次はその攻撃を受けたキャラクターの目線から章が始まったりするので、その事件や場面がより頭の中で具体的にイメージされる。


    そのキャラクターの名称も傑作だ。


    鈴木(これはなぜか平凡)、鯨(でかいから)、蝉(うるさいから)、スズメバチ(黄色と黒の服だから)、槿(あさがお)など、ユーモアに溢れていてなぜか親しみがわく。


    この名前で殺人が起きるものだから、コミカルに感じてしまう。


    実際に人が死ぬシーンもリアルなのだが、伊坂幸太郎の手によると暗さを感じさせず、すがすがしいのだから大したものだ。


    主人公は、妻の復讐を誓って敵の会社に潜り込み、妻を殺した主犯格を追い掛けるという設定。


    死んだはずの妻がいたるところで主人公と対話(幻聴)するので、まるで主人公と妻の物語のようのも感じる。


    また次々と人を自殺に追いこむ通称自殺屋の鯨が過去に自分が葬った人物の幻覚に悩まされるシーンや架空のロックスター、ジャック・クリスピンの名言など、実際に存在していない人物が存在しているような感覚に陥る。


    押し屋、槿(あさがお)と主人公鈴木の最後の場面でのやりとりでのブライアンジョーンズのローリングストーンズによる下りは、知っているだけに、僕も槿同様、納得してしまった。


    この小説から伊坂幸太郎は大量殺人の話も良く書いていくけど、やっぱりこの話の書き方がベースになっているなと感じる(実際に繋げているらしい)。


    マリアビートルでは、この小説で出てきたキャラクターが何人か登場するし、裏の社会の中で別の話とも繋がっているところが、とても面白い。


    最後に、伊坂幸太郎は例えの天才だな、と思う。


    少々斬新でいびつなんだけど、その中に美しい表現だったり、生々しくイメージできるメタファーが伊坂幸太郎でなければ表現できないと思う。


    最後まで読み切った時の爽快さは、別の殺人を題材にした小説では味わえない深さが伊坂作品には存在する。

  • 何もかも繋がって、方程式を解くような面白さがある。
    でもかなしい。
    最後の一行で、主人公の痛みが際立って、本当にかなしい。数年前に読んで、今回再読なんだけど、前回は筋立ての面白さだけに目を奪われてて、気づかなかった。

  • 2年ぶりくらいの伊坂幸太郎作品を読みました。
    ユニークな描写は相変わらず癖になる。
    著者の書く鈴木の妻への一途で強い想いが凄く好き。
    伊坂幸太郎さん独特の一途さが凄く好きで、温かく、そして安心する。
    個人的には蝉推し。
    この本は誰かと語るということが出来る作品だと思います。
    ドストエフスキーとオーデュボンの祈りを読んでいるとより楽しめるかと思います。

  • 最強に面白い!
    私の読書の世界が開けた作品
    殺し屋シリーズ
    群衆劇、伏線も多く話もまとまっていて
    ストーリーの展開も面白く全てにおいて最高な作品です( ・∀・)

  • 伊坂の本では強盗がよく登場するし、悪人の描写はどこまでもえげつないけれど、ここまでアングロな世界をメインに描いているのは珍しい様に思う。

    物語の主要人物、鈴木, 蝉, 鯨の3人それぞれの語りで構成されているところが伊坂らしくて、色々な想像を張り巡らせることができて楽しく読めた。

    住所の件のところは、なんとなく予想ができたけど、その先に必ず「やられた!」があるって信じてワクワク読み進められる。
    そういう安心感が絶対的にある、信頼できる作家って素晴らしい。

  • 元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、男の後を追う。
    一方、自殺専門の殺し屋・鯨とナイフ使いの殺し屋・蝉も「押し屋」を追い始める。

    こないだ映画を観た帰りに購入して早速読んでみたのだけど、原作ファンに映画は不評だった理由が少し分かった。
    簡単に言えば原作のほうがずっと面白い。(だからと言って映画が面白くないわけではないんだけど)
    登場人物の設定は大体同じだけど、起こる出来事とか流れは映画版はけっこう違うし、変えたところに整合性を持たせるためなのか、わりと重要に思えるシーンも省かれたりしている印象。
    個人的には映画は映画で楽しめたから良かったけど、原作は後から読んで正解だったかもしれない。笑

    分類としてはミステリなのか、ハードボイルド小説なのか。
    人はたくさん死ぬし、それぞれ違う殺し屋が三人も出てくるし、舞台は裏社会の怪しい会社がメインだし、普通に生きている人間からすると無縁に思える世界観で、そんな中「ごく普通の人」である鈴木が際立っている。というか、鈴木以外普通の人は出てこないと言ってもいい。
    妻を理不尽に殺された復讐を果たすために裏社会に潜り込んだものの、元々真面目に生きてきた鈴木に高度な駆け引きなんて出来るわけもなく、しかしながらその駄目さ加減が愛おしくなる。

    伊坂幸太郎さんの作品、思えば読むのはだいぶ久しぶりだった。初期何冊かは読んだけど、一気読み出来る面白さは変わってない印象。
    既読の本も再読してみようかな。

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