心ヲナクセ体ヲ残せ (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043851027

作品紹介・あらすじ

殻を破って出なさいとの声に導かれて羽ばたいた私。その日から渡り鳥として遺伝子ジーンと共に南へ南へと飛行した。鳥の生態の専門家でもある著者が、人間どもを含む生き物の有りようを活写したユニークな名作集。

感想・レビュー・書評

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  • 2012/10月
    ジーンとともに、鳥の世界を不思議な目線で語る。梨木香歩さんの本で紹介されていた。
    何の鳥だろうと想像しながら読んだが、にじとりとの幻の鳥あとがきでよんでビックリ。やはり不思議世界の住人だ

  • 『ジーンとともに』(新潮社)を改題・文庫化したものです(たぶん)。梨木香歩さんの解説エッセイがついています。

  • 小鳥の眼から世界を理解するという、ストーリー。
    ジーンは遺伝子です。


    卵の殻を破って、この世に生まれてくるのも
    ジーンの導きによって。
    そしてひとりだちし、南へと渡る。
    南の島で初めてオスと出会い、交尾する。
    命を燃やす激しいひととき・・・

    無事に卵をやどした小鳥は
    やがてまた北へと飛んで、卵を生む場所を作りはじめる。
    すべてのエネルギーを使い果たすそのときまで
    ジーンは常によりそって一心同体だったのですが、
    最後、小鳥が精魂尽き果てた瞬間、離れて行ってしまうのです。

    ジーンの関心はもはや、次の命である卵に向かうんですよね。

    それは小鳥も深く納得できることでした。
    ジーンはずっと長いこと
    そうやって、過去から未来へと命をつないでいくものなのだから。

  • フゥ〜、何とか読了。
    帯や今月のPHP誌上で梨木香歩が大絶賛なんだけど、私にはこの鳥が語る物語の良さが分かんなかったです。どっちかと言うともどかしいばかりで…。
    まして冒頭続く24の掌編の連作は全く掴むことが出来ず、こちらから読み出したからちっとも頁が進まず、危うく途中棄権の危機でした。
    まあ、鳥ってあまり好きでないしね。「ジーンとともに」で描かれるニジドリというのは大変珍しい鳥のようで、人前には姿を現さず、不思議なことに13年に一度の周期でのみ姿が確認され、今年がその年に当たるらしい、というのは興味深い話ではあります。

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著者プロフィール

1936年札幌生まれ。41年両親とともに北京に渡り、47年引揚船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら、「三田文学」に作品を発表。72~89年自然観察会代表。82年「野餓鬼のいた村」で第14回新潮新人賞、83年「夢の壁」で第88回芥川賞、91年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。08年から財団法人北海道文学館顧問。日本野鳥の会会員。

「2015年 『尾崎翠の感覚世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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