GO (角川文庫)

著者 : 金城一紀
  • 角川書店 (2007年6月1日発売)
3.91
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  • 本棚登録 :2000
  • レビュー :248
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043852017

作品紹介

広い世界を見るんだ-。僕は"在日朝鮮人"から"在日韓国人"に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった-。感動の青春恋愛小説、待望の新装完全版登場!第123回直木賞受賞作。

GO (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最後の 行きましょう って部分で、この人は1人ではなくなったんだと感じました。
    登場人物がみんな弱く強い人たちで素敵です。

  • 私は、ただ日本に生まれて、日本で育って、日本国籍を所有している人なんだと思った。
    国籍とか民族とか、何か人を分類したものは、人が作り上げたもので本質的には的を射ていないこともたくさんあるんだろうな。
    ミトコンドリアDNAの話はとっても興味深い。
    自分でDNA検査を受けてみようかなと思う。
    自分のルーツを知ることはなんだかロマンチックだと思う。
    目の前のちっぽけなラベルに縛られて差別したり差別されたりすることは私はしないようにしたい。

  • 正直小説として優れているかというとそれほどでもなくて、櫻井の洗練されてる感の描写に物足りない感じとかはあるんだけど、それを補ってあまりあるテーマの強さ。マジョリティにある限りほとんど問われることがない、自分のアイデンティティとは何かという問題に、精神力激つよの主人公がどう立ち向かっていくかが見どころだと思う。重いテーマだからこそ、主人公があまりにタフなおかげでこっちもへこたれずに読み進められるんだけど、現実で同じ問題に直面してる人々が同様にタフなわけはないんですよね。周りの人のあらゆる生きづらさを減らす方向に自分は生きていきたいですね。

  • 杉原がかっこいい!
    何度も読み返しています。

  • 123回 2000年(平成12)上直木賞受賞作。”僕”が主人公の青春小説。彼女や友達、在日朝鮮人のオヤジなどクセある連中に囲まれて懸命に成長していくさまが楽しめる。おすすめ。”僕”の語り口はアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンを彷彿した。

  • 作中名言
    「僕は小説の力を信じてなかった。小説はただ面白いだけで、何も変えることができない。本を開いて、閉じたら、それでおしまい。ただのストレス発散の道具だ。僕がそういうことを言うと、正一はいつも、「独りで黙々と小説を読んでる人間は、集会に集まってる百人の人間に匹敵する力を持ってる」なんてよく分からないことを言う。そして、「そういう人間が増えたら、世界はよくなる」と続けて、人懐っこい笑顔を浮かべるのだ。僕はなんだか分かったような気になってしまう」

    スピード感がある最強の青春小説。
    在日朝鮮人である主人公の生きてるだけで起こる学歴や人種、恋愛の葛藤をストレートかつ、コンビネーションを織り交ぜ怒濤の攻めでページを読み進めさせる。

    キャラクター全員の一言一言がかっこよく、特にこんな親父になりたいと思えるようなカッコイイ大人を出演させる。一言一言が意味深く、多くのメッセージが隠されていて野暮ったくない。

    洗練された言葉。

    ハワイに行きたい。

    広い世界をみろ。後は自分で決めろ。

  • 自分にとって
    バイブルと言っていいほど、
    主人公の生き様や
    小説内に出てくる
    音楽や文学に至るまで
    影響を受けまくった作品です(笑)


    行定勲監督、
    窪塚洋介と柴咲コウ主演で映画化もされたけど、
    原作であるこの小説がまた
    本当にカッコいい。


    「国籍」という狭い枠組を飛び越え
    広い世界へと漕ぎ出す主人公に
    共感しきりだったし、

    コレを読んで
    金城さんの作品にまんまとハマる
    キッカケになった作品でもあります。


    胸に刺さる
    登場人物たちの数々のセリフと、

    軽やかなスピードと
    躍動感溢れる
    映像が浮かんでくる文体。


    読みはじめたが最後、
    その魅力的な言葉の力と
    登場人物たちのパワーに
    グイグイ引き込まれていく。


    在日朝鮮人から
    在日韓国人に国籍を変え、
    日本の普通高校に通う
    在日韓国人三世の主人公、杉原。


    杉原が次第に惹かれていく、
    友人の誕生日パーティーで出会った
    不思議な少女、桜井。


    杉原の親友で
    秀才のジョンイル。


    在日コリアン1世で
    元プロボクサーの
    杉原の父、秀吉。


    在日コリアン2世で
    杉原の母、道子。


    など登場人物たちはみな、
    確固とした自分自身であるために、
    それぞれがそれぞれのやり方で
    血を流して闘っている。


    在日問題や
    差別へのメッセージは
    勿論含んでいるけど、

    あくまでも根底にある本質は、
    ひとりの少年が
    自分自身の生き方を
    模索し苦悩しながらも
    自ら選びとるまでが描かれた、

    「何かを越えていく
    意志の在り方」

    を表現した小説だと
    個人的には思っています。
    (音楽で言えばパンクスピリットと同じく
    それは「ドン・キホーテの精神」であり、
    運命に抗う生き方を描いていると思う)


    なので在日を扱ったストーリーだけど、

    今の現状を打破したいと感じている人なら
    十分に楽しめる
    エンターテイメントな小説だし、

    なんか難しいなと
    今まで避けてきたような
    そんな人たちにこそ
    読んで欲しい
    本当に爽快感が得られる作品です。


    とにかくカッコいい小説をお探しのアナタや、

    アイデンティティーの揺らぎに悩む、
    すべての若き挑戦者たちへ
    オススメします。


    ちなみに
    ミスチルの名曲
    『youthful days』は、
    この小説の主人公である杉原と
    ヒロインである桜井をイメージして書かれた曲らしいですね♪

  • 人種、国境、国籍、戸籍、血族による拒絶や差別。
    今の世の中、これがどれだけちっぽけなものなのかわかっていながら頑なに行い続ける大人達。
    それに押し潰されて生きる若者と抵抗する若者。
    そして、そんなことを気にせず、鼻で笑って生きたいように生き、やりたいようにやる若者。

    一世と二世。
    オールドカマーとニューカマー。
    それぞれの捉え方の違い。

    不器用な親。
    それに似て不器用な息子。
    それぞれの不器用な生き方の中に光る信念。

    国境線なんか俺が消してやるよ。
    俺は俺であることも捨ててやるよ。

    本能の先に見い出した愛には人種、国境、国籍、戸籍、血族も関係ない。

    本作の映画では、正一(ジョンイル)が死んだことを受けとめた後、
    杉原はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の一節を読んでいたけど、
    小説では、ラングストンの詩集の一節の「助言」を読んでる。
    本作内でその詩の内容は、
    「その詩を、ここには記さない。みんなが知らないうちはその詩は僕だけのものだ。」ということで書かれてない。
    以下、ラングストン・ヒューズ詩集「助言」より

    「Advice」

    Folk, I’m telling you,
    birthing is hard
    And dying is mean
    So get yourself
    a little loving
    in between.

    「助言」

    みんな、云っておくがな、
    生まれるってな、つらいし、
    死ぬってな、みすぼらしいよ。
    んだから、掴まえろよ。 
    ちとばかし 愛するってのを、
    その間にな。

    <詳訳>
    これを目にし、読んでくれている全ての人に言っておきたいことがある。
    人は生まれてきかたらには辛いこともあるだろうし、
    そして、人はいつか死んでしまうものなのだ。
    しかしながら、だからこそ、自分の手で掴まなければならないものがある。
    それは、小さいけれど、大きく、
    難しいけれど、簡単なものだ。
    守るべき愛。
    人生は短いぞ。

    調べなければ解らないこの詩の本質部分の解釈にこそ、この物語の大幹が表現されているように思う。

  • 在日朝鮮人の主人公。読んでいると日本の歴史や日本人の差別意識、在日朝鮮人の反日感情に苦しくなってくる。簡単には抜け出せない環境と周りの意識。その中で不器用に荒っぽく生きる主人公の純粋さが愛おしい。
    途中までは暗い感じがするが、後半のストーリーは爽快感が残る。

  • 君は、桜井は、どういう風に、この人は日本人、この人は韓国人、この日のは中国人、て区別するの?

    この言葉がものすごく刺さりました。
    かっこいい物語です。人種差別や偏見について題材にされていて、自分が中学生くらいの頃に読んでおきたかった一冊。

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