レヴォリューション No.3 (角川文庫)

著者 : 金城一紀
  • 角川グループパブリッシング (2008年9月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043852024

作品紹介

「君たち、世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は-難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること!果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!?革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾。

レヴォリューション No.3 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ひさびさに再読。

    ウォークマンで音楽を聴いたり、
    ただただ爆睡したり、
    ジャンプ読んで笑ってたり、
    吉野家の牛丼をかっこんでたり、
    教科書の隅にパラパラ漫画を必死で描いてたり、
    机の陰で○んぽこの大きさを比べ合ったり(笑)、
    この物語に出てくる授業中の風景は
    自分たちの時代から
    な~んも変わっちゃいない。

    甘酸っぱくてこっぱずかしいあの時代を
    否が応でも思い出させてくれる。
    (あの頃になんか絶対戻りたくないけどね笑)

    最初金城さんの小説を読んだ時、
    僕の高校時代の身内が
    小説家デビューしたんだと真剣に思った(笑)

    それぐらいゾンビーズの活動や武勇伝は
    僕の高校時代の笑い話や思い出とカブるし(笑)、
    (マジでそばで見てたのかと思うくらい)

    金城さんが小説内で描く
    音楽や小説や主人公の考え方、生き方そのものが
    高校時代の僕とバンドメンバーの日々とほとんど差がなく
    趣味嗜好もぴったりシンクロしていて
    なんとも不思議で。

    勿論だからこそ
    それ以来、いい小説家を見つけた!と
    手放しで喜んだわけだけど(笑)


    もとは優等生だった
    語り手である僕こと、南方(みなかた)。

    喧嘩最強でいて
    学年一の頭脳を誇る
    在日朝鮮人の舜臣(スンシン)。

    男でも抱かれてもいいと思ってしまうほど容姿端麗で色気のある、
    日本とフィリピンのハーフのアギー。

    ゾンビーズの精神的支柱かつ実質的リーダーだか
    謎の病気で入院中のヒロシ。

    刑務所に入った父親や家族のために工場で働き家計を助ける
    心優しき萱野。

    いつも決まって一人だけ痛い目に遭う(笑)
    史上最弱のヒキを持つ男、山下。

    そんな落ちこぼれで不良と呼ばれる
    キャラの濃いゾンビーズの面々。


    しかし、このゾンビーズの不良少年たちは
    勉強は大嫌いなのに(笑)
    実に沢山の本を読むのだ。

    マルクス・アウレリウスの「自省録」、ウラジミール・ジャンケレヴィッチの「死」、コンラート・ローレンツの「攻撃」、
    他にも老子の哲学書や、
    リルケや立原道造の詩集、
    セザンヌやワイエスの画集、
    文学だけではなく
    「法律の抜け穴事典」「家庭の医学」「税金のしくみ」などの実生活に必要な本も
    ぬかりなく読んでいる。

    彼らは大人たちに潰されないよう
    自分の思いを表現するために言葉を知り、
    力と知恵と知識をつけ
    大人たちへの対抗手段として
    沢山の本を読み漁り活用する。
    (僕たちもまるっきり同じだった。自由に生きるために、カッコいい男であるために本が必要だった)


    そして彼らは死んだ友達のため、
    約束を守るためなら
    土木作業や引っ越し作業や製本所、パン工場、コンサートのガードマンなど
    いわゆる3Kと呼ばれるキツい現場で
    汗を流して働く重労働も厭わない。


    そして男から見ても
    彼らをカッコいいと思うもう一つの理由は、
    情には厚いが
    無駄に徒党を組むのを嫌う、
    個人主義者の集まりだということ。

    ここが集団でないと動けないヤンキーやチンピラとは違う点であり、
    学生云々ではなく
    もはや一人の男として
    みなそれぞれがカッコいいところなのだ。


    あと、コレは金城小説すべてに言えることだけど
    何の違和感もなく
    ただ、当たり前のように
    行間から音楽が聞こえてくる点も
    僕がこの小説に惹かれる理由。

    ボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』、
    『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』、
    ビリー・ホリデイの『ベイビー・ゲット・ロスト』、
    クリフォード・ブラウン、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンク、チャールズ・ミンガス、
    そして忘れてはならない
    ビートルズの『レヴォリューション』と
    心踊る
    インディ・ジョーンズのテーマ!
    (またこの音楽の趣味がとにかくセンスがいいし、カッコいいということがなんなのかを金城さんはちゃ~んと分かってる人なんだろうな)


    『世界を変える方法』をゾンビーズに教え
    彼らの反骨心に火をつける
    大人の中の唯一の味方、
    生物のドクター・モローこと米倉先生がまた
    とんでもなくカッコいい。


    物語は、高学歴の人間たちが構成する窮屈な階級社会に風穴を開けるために
    高学歴の女子を落とすことに奔走する
    ゾンビーズの面々の活躍を
    実にテンポよく
    金城さんお得意の
    意志の詰まった魅力的な言葉たちを駆使して描いていく。

    150人もの体育会系運動部員をガードマンとして配備した難攻不落の女子校へ
    彼らは果たして侵入することができるのか。
    (このへんの攻防と異性へのあくなき探求心が尋常ならざるパワーを生むところは、村上龍の青春小説の傑作「69」ともカブるアホアホパワー!笑)


    それにしてもヒロシが語る
    どんなときも自分を捨てなかった異教徒の話は
    泣けたなぁ~(≧Д≦)


    少年たちよ、
    おじさんから一言。

    カッコいい男になりたけりゃ、
    これを読みなさい。
    (カッコいい男の基準を知りたい女子たちもね笑)

    カッコいいことがどういうことかが
    解らなければ
    金城作品に出てくる本や音楽や映画に触れればいい。

    本当のヒーローになりたけりゃ、
    どんなに情けなくて
    どんなに苦しくても、
    踏みとどまってファイトあるのみ。

    Stand and Fight!!
    つまり、『踏みとどまって闘うのだ!』

     
    そして何があっても踊り続けること!


    金城さんがゾンビーズに語らせたその言葉は、
    同じ青春を生きた僕自身も感じ
    沢山の友を亡くした中
    やっとこさたどり着いた
    本当の真実だ。

    17歳から踏みとどまって闘ってきた
    ポンコツ寸前のボクサーが言うんだから
    間違いない(笑)(^^;)

  • 馬鹿で真っ直ぐな高校生の不良グループ、ザ・ゾンビーズが巻き起こしたり巻き込まれた事件を描いた連作中篇作品。
    作戦とかそれに伴う作戦会議とか、きっと彼らはそんな響きが好きに違いない。テレビや漫画で散々多用されていたそういうシーンに憧れて、フィクションの主人公になりたくなったやつらの集まりがザ・ゾンビーズであり、その為に、結局のところ作戦の趣旨である誰々を守りたいとか、あいつの為に、とかは後付けの理由になって、ただカッコよくありたいという男として単純な動機が真っ先に存在しているのが読んでいて気持ちいい。
    もちろんそこから広がる、ある意味暑苦しいカッコつけられた人間ドラマも魅力的。

  • 再読。
    著者の「GO」と云う作品は何度も読み返すが、この作品は二度目かな。

    青春のほろ苦さと共に、笑顔や幸福感を読者に与えるのは、著者の素晴らしい所だ。
    そんな金城一紀に私は惚れてしまった。

    表題作も含め、3短編収録。
    中でも「ラン、ボーイズ、ラン」が好き。
    この気持ちは近しい人を亡くして初めて味わった。
    今でも罪悪感が残る私には、この作品を読んで少し救われた気がする。

  • ゾンビーズ最高。

  • 表題の「レヴォリューションNo.3」と、続編の「ラン、ボーイズ、ラン」、書き下ろし作品「異教徒たちの踊り」で構成されている。
    「異教徒...」の前フリで、しばらく「あれ?主人公違う?別の話?」と不安になった(実際のところ作家に言わせると「余話」だそうだ)とき、この世界に思いのほかハマっていたことに気づいた。
    全体的にテンポよく、やや言葉が直接的すぎるものの、青春小説らしいサッパリ感が半端ない。
    著者曰く彼の作品は「在日文学」だそうで、この作品でもそういった登場人物、エピソードが描かれているが、あくまで登場人物からの世界観でしか語らず、しつこさも主張も私は感じなかった。ただし知らずに読んでいた私が「あれ?」と思って調べるほどには見て取れるので、偏見のある方は注意。

  • 世界を変えてみたくないか?落ちこぼれ男子高校生たちが、今の瞬間を生きる青春小説。女子校の学園祭に入りたいというバカな計画を真剣に、なお、面白く書き連ねる物語。大人になることや、社会の矛盾に疑問を持つゾンビーズの率直な言動、行動が、自分のしょーもない建前を補正させてくれる。金城さんのストレートな物語がいつも胸にささる。
    作中名言はここ最近で一番響いた言葉。

    作中名言「ある記事の見出しは、全ての主婦が亭主の不在時に浮気してると決めつけ、ある記事の見出しは、全ての在日が犯罪者だと決めつけていた。
    例えば、将来僕が勤め人になって、こんな吊り広告ばかりの電車に乗り続けたら、どうなるだろう?気がついたら世の中を斜めに見る様になって、そのせいで色々なことにすぐ失望する癖がついて、そのせいで何事に対しても諦めが早くなり、そのせいでいつも愚痴ばかり言っているつまらない人間になるのだろうか?
    僕は変態になってもかまわない覚悟で視線を元に戻す。」

  •  大学の時に友達に貸したところ、
    その友達の友達にまで渡っていき、
    1ヶ月程いろいろな人を渡り歩きました。

  • 最高

  • 孫子「ピータン大嫌い!」諸葛孔明「フカヒレ食べたい!」毛沢東「ギョウザ大好き!」いいなぁ、こういうの。気の合う仲間たちと、どデカい馬鹿なことをしでかして大笑いするって。大人や世間に笑われよーが関係なし。やりたいことに一直線に突っ込めるって、青春の醍醐味だねぇ。

  • この人 いつも軽妙かつ切ない

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