フライ、ダディ、フライ (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043852031

作品紹介・あらすじ

おっさん、空を飛んでみたくはないか? ――鈴木一、47歳。平凡なサラリーマン。大切なものをとりもどす、最高の夏休み! ザ・ゾンビーズ・シリーズ、第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 娘を傷つけられた父親が復讐に燃える物語。
    ザ・ゾンビーズのみんながとてもいい味を出しています。
    この本を読んで、「もし自分が何かを望むのなら それに向かって努力をしなければならない」と思いました。
    すぐにあきらめるのではなく、目標を達成させるために、それだけの努力が何でも必要だと感じました。
    とても面白く、読みやすい本なので学生さんにもおすすめのザ・ゾンビーズ シリーズでした。

  • 金城さんの作品はこれで二作目。堤真一さんとV6の岡田君主演で、映画化もされてます。面白かった記憶があったので、原作も読んでみたくなり古本屋買い。

    平凡な47歳のサラリーマンが、傷つけられた娘のために、強くなろうと不良高校生に弟子入りするお話。とても分かりやすい展開ですが、その分かりやすさがいいですね。「これぞエンターテイメント」といった小説です。

    かつて観た映画も、ほぼ原作どおりでした。バスのシーンとか、決闘のシーンとか、読んだ文章が映像で浮かび上がり、楽しんで読むことができました。

  •  普通のおじさんが1ヶ月ちょっとの特訓でボクシングチャンピオンを倒そうなんて無理だよ。
    でも、この小説が大好き。映画も大好き。
    水色の夏空が似合うお話です。


     読んでいて鈴木さんの人柄の良さがすごく伝わってくるし、舜臣のぶっきらほうな優しさもすごく良い。親子でも歳の友達でもない、仲の良い親戚のおじさんと甥みたいな関係というか。夏が終わってほしくない、ずっと特訓してて欲しいくらい尊い。

    これが青春小説じゃないならなんなのだろうか。
    映画も文句なしの出来なので観てほしいです!
    (岡田准一が信じられないくらいカッコいい!)

  • 鈴木さん同じ歳です。
    頑張らねば。

  • 逃げたしたくなるときに読む本。
    読んだ後は体中から力が溢れてきて、やってやる!と思える。

    舜臣たちザ・ゾンビーズの前に現れたのは、包丁を手にしたサラリーマンの男性、鈴木さん。
    娘を襲った理不尽と闘うために一ヶ月半のトレーニングを行って、力をつける。
    果たして、鈴木さんの運命は…?
    そんなお話。

    自分が傷つきたくないと思っているうちは、闘う資格なんてないし、すぐ楽な方へ逃げようとする。
    本当に手にしたいものがあるなら、正々堂々と闘って掴みとれ!
    そうやって、鼓舞してくれる一冊。
    さあ、いっちょ闘いますか!

  • 普通のサラリーマンだった鈴木一の人生は娘が暴力事件の被害者になったことで一変。相手は高校生のボクシングチャンピオン。復讐しようと出かけた先で不思議な高校生たちに出会い、身体を鍛えて1ヶ月後に勝負を挑むことに。
    喧嘩にやたらめったら強い朴舜臣や、他にも魅力的で少し変わった高校生たちがこんなおじさんのために一生懸命になって最後は勝負のために学校を乗っ取るようなことまでしてしまうのがアホらしいけど素敵な話だ。娘を殴った相手をボコボコにしたってなんにもならないけど、それでも居ても立っても居られなかったんだろうなぁ。
    トレーニングの帰りにいつもバスと競争してるシーンが好きでした。続きが気になって一気に読んでしまいました。読んだ後すごくスッキリします。

  • 友が消えたの予習用に再読。
    20年前くらいに高校生の時に読んだのが最初、あの時は1m先に飛び込む怖さって表現もよく分からなくてバク、おっさんカッケー、すげーって気持ちで読んでたけど、今となっては自分に子供もいるわけで感じることも変わる。おっさんが最初味わった自分が不快だと思う領域に自分は即座に飛び込むことができるだろうか、その準備ができているだろうかってすげー思う。子供は何より大事と頭ではおもっていながら行動が伴うだろうかと色々自責させられました。
    厨二っぽくダラダラ書きましたが、本自体はサイコーです。人を言葉にするのがすごいうまい方だなぁと思います。まだの方は是非。
    燃えよドラゴンはたぶんまだ見てないなぁ。

  • おすすめしてもらった本。

    一作目はザ・ゾンビーズたちの「自分たちのため」って感じだったけれど、今作は、(もちろん自分たちのためでもあるんだけど、)他人のために活躍するザ・ゾンビーズのメンバーたちが良かったな。人のためにそこまでしてあげられるって、やっぱりいい子じゃないとできないし。

    鈴木さんが諦めずに練習したり、バスを追い越せたり、最後の試合?での勝利を見ると、自分ももっと頑張って飛んでいかなきゃなあって思う。

  • 強い男とは、ヒーローとは、娘の父親であることとは。

    暴力をふるわれ、高校生の娘を傷つけられたさえない父親が、喧嘩の達人の高校生と、真っ当に戦うために特訓に明け暮れるひと夏の物語。

    大怪我をした娘のために怒れなかった、戦ってやれなかった無力さを感じるおじさん。
    誰だってそうなる。しょうがない。

    でもそこで終わらなかった。おっさんが、喧嘩の特訓のために、ひと夏仕事を休むとき、同期の上司に語った娘への思いが、不器用でまっすぐでじんときた。

    喧嘩の達人、舜臣との絆が深まっていくのもいい。
    師匠と弟子の関係だけど、特訓のお礼にスニーカーを買ってあげるところ。この照れくさいやらなんやらで落ち着かない舜臣が、ちゃんと高校生なんだなぁってわかって愛おしい。
    絶対口にはしないけれど、「男の子もほしかった」と、舜臣を見て思うおっさんもいい。


  • 4.7
    話がシンプルで分かりやすいし、ハッピーエンドだから読後感も良い。
    18年ぶりくらいに読んだけどやっぱり好きな作品だった。

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著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『GO』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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