約束 (角川文庫 い 60-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043854011

作品紹介・あらすじ

池田小学校事件の衝撃から一気呵成に書き上げた表題作はじめ、ささやかで力強い回復・再生の物語を描いた必涙の短編集。人生の道程は時としてあまりにもハードだけど、もういちど歩きだす勇気を、この一冊で。

感想・レビュー・書評

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  • 7編からなる短編小説でした。
    この本は辛いことから立ち直ることがテーマになっています。
    すべての短編がとてもよくできていて、どれもとても心に響きました。
    特に最初の「約束」は池田小学校事件を思って書かれた作品です。
    短編とは思えないしっかりした作品ばかりでした。
    この本は大事に持っていて、なにか悩みなどがあれば読み返したいと思います。

  • ひとり桜、は不思議なお話だった。ふわーっと終るかとおもえば、ラストは幸せの予感で良かった。

  • 最初の話は良かったものの、途中からほぼ終わりの方までは"毒にも薬にもならない…"という感想を書くつもりでした。ところが、最後の一編でそれがまた180度変わりました。涙が溢れました。帰宅途中で読んでしまい大失敗でした。

  • 「天国のベル」は心に響きました。出張中の車内で泣いちゃいました。我が子が小学校の時を思い出して、可愛かったなぁともシミジミと(^^)

  •  苦しみから立ち直り再び前を向いて歩き出そうとする人々を描いた短編集。左足を事故で失った息子がダイビングを始める『青いエグジット』、不登校の中学生と廃品回収のおじいさんとの友情描く『夕日へ続く道』に心を揺さぶられた。『天国のベル』も良かった。いかにもフィクションな展開だが、遺された家族が幸せに暮らせるのならこんな奇跡が起きても良いと思う。傷ついたり心が疲れている時に読むのがオススメ。

  • 石田衣良の短編集。短編集はあまり読まなかった。一つの話を長く深く読みたいから。
    しかし、最近忙しくちょっとした隙間に読むことができる短編集がとても良い。当たり前のことだが、自分の時間によって読みたい本も変わる。
    石田衣良の本は読んだことはなかった。
    読んでいて思ったのは情景の描写がとても繊細であること。
    主人公が、子供から大人まで様々な状況なので読む年齢や状況によってどの話が好きか分かれそうである。

    好きな作品はこの3つ。

    私が最も涙腺を緩くしたものはハートストーンだ。ありがちな展開でもあるが、そこがいい。大どんでん返しがないからこそ、小説の少しのリアルに胸を締め付けられる。

    青いエグジットも良かった。リアルに近い感じがする。五体満足で一生を終える人ばかりではない、出世街道まっしぐらの人ばかりではない、そんな誰にでも起こりうる人生の事柄。マイナスに感じることの中でそれが交互に組み合わさり人の原動力にもなるんだと思わされた。
    この父謙太郎はリストラ研修にいかされているが、人間性はとても立派で覚悟のある人と感じた。

    天国のベルはリアルからは遠いところがある。ありえないファンタジーはあまり好きではないが、この作品はそうだといいなと思わされた。夫の不倫事故で夫を失った主人公と夫と離婚協議中の2人は学生時代なら仲良くなってなかったかもしれない。人の縁は不思議なもので、決して善の感情ばかりで仲良くなるわけではないし、負の感情で結びついて関係性を築くこともあるなと思った。

  • 「約束 石田衣良」
    2006年9月頃

    僕の声はでかいわけでもないが、よく通るらしい。
    5Fフロアのちょうど真ん中あたりに座っている僕は、
    部署の人との会話がよく筒抜けになっているらしく、
    ある日は「給料が安い。やっていけない・・」とぼやいたら、
    3日後に人事部長に呼び出され、1時間会議室で説教され、
    吐きそうになった。

    ということで、
    「最近、家で暇なときなにやっとるん?」って聞かれて、
    「読書」
    「珍しい・・なにをよんどるん?」って聞かれて、
    「石田衣良」って言ったら、翌日、僕のとなりの空いている席(物置代わり)に、
    この本が置いてあった。
    1日は誰のか知らないから、放っておいたけど、
    誰もなんで置いてあるか知らないっていうので、頂戴しました。
    ありがとう。面白かったです。

    それにしても「衣良」がいっぱつで変換できん。

  • 久々に石田衣良読んだんですが、面白かった!!!!石田衣良作品の中でもナンバーワンを争うほどに面白かった!短編だけど読み応えあり!!!

    実際の事件を目の当たりにして書き出したというこの一冊。なんだかそれぞれの事件なり苦悩がより身近に感じられるものでした。

    涙無しでは、、、というほどのものではないけど、なんとなく辛く険しい道のりをそれぞれ強く歩んで行く姿に、そっと寄り添うような気持ちになる。

    他人の不幸として読んでかわいそうかわいそうと涙するってよりは、大変だろうけど頑張ってみますか!って気持ちにさせてくれる一冊でした!!!

  • 2001年に発生した無差別殺人事件に作家として出来る事はと悩んだ著者が紡ぎ出した表題作。主人公のカンタとヨウジは、後に別作の長編「カンタ」で設定を変えて、波瀾万丈の青春を生き抜く。
    泣ける小説が苦手な人にこそ読んで欲しい、人間のレジリエンスの短編集。

  • まず、本の表紙が気に入りました。
    内容もあたたかく、とても読みやすかったです。
    私は『天国のベル』という話が1番好きです。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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