約束 (角川文庫)

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レビュー : 421
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043854011

作品紹介・あらすじ

池田小学校事件の衝撃から一気呵成に書き上げた表題作はじめ、ささやかで力強い回復・再生の物語を描いた必涙の短編集。人生の道程は時としてあまりにもハードだけど、もういちど歩きだす勇気を、この一冊で。

感想・レビュー・書評

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  • 大切に想っている人や自分を大事にして欲しいと願っている人の病気、引きこもり、喪失など年齢を重ねると避けられない出来事の数々。人生、自分の努力やエネルギーだけで何とかできるものではなく、思いもよらぬ事柄や親しい人たちとのボタンの掛け違いは日常茶飯事。

  • 石田衣良の短編集。短編集はあまり読まなかった。一つの話を長く深く読みたいから。
    しかし、最近忙しくちょっとした隙間に読むことができる短編集がとても良い。当たり前のことだが、自分の時間によって読みたい本も変わる。
    石田衣良の本は読んだことはなかった。
    読んでいて思ったのは情景の描写がとても繊細であること。
    主人公が、子供から大人まで様々な状況なので読む年齢や状況によってどの話が好きか分かれそうである。

    好きな作品はこの3つ。

    私が最も涙腺を緩くしたものはハートストーンだ。ありがちな展開でもあるが、そこがいい。大どんでん返しがないからこそ、小説の少しのリアルに胸を締め付けられる。

    青いエグジットも良かった。リアルに近い感じがする。五体満足で一生を終える人ばかりではない、出世街道まっしぐらの人ばかりではない、そんな誰にでも起こりうる人生の事柄。マイナスに感じることの中でそれが交互に組み合わさり人の原動力にもなるんだと思わされた。
    この父謙太郎はリストラ研修にいかされているが、人間性はとても立派で覚悟のある人と感じた。

    天国のベルはリアルからは遠いところがある。ありえないファンタジーはあまり好きではないが、この作品はそうだといいなと思わされた。夫の不倫事故で夫を失った主人公と夫と離婚協議中の2人は学生時代なら仲良くなってなかったかもしれない。人の縁は不思議なもので、決して善の感情ばかりで仲良くなるわけではないし、負の感情で結びついて関係性を築くこともあるなと思った。

  • 青のイグジット、昔現代文の練習問題で出題されていて、解いた記憶があった。
    何年も前なのに覚えていたのは、当時の自分も感情をこの話に揺さぶられたからだと思う。また出会えて良かった。
    そのほかの話も共通して、辛さを抱えたまま、それでもまた前を向けるような希望を描いており、暖かい読後感が心地よい、良い短編だと思った。

  • 「約束 石田衣良」
    2006年9月頃

    僕の声はでかいわけでもないが、よく通るらしい。
    5Fフロアのちょうど真ん中あたりに座っている僕は、
    部署の人との会話がよく筒抜けになっているらしく、
    ある日は「給料が安い。やっていけない・・」とぼやいたら、
    3日後に人事部長に呼び出され、1時間会議室で説教され、
    吐きそうになった。

    ということで、
    「最近、家で暇なときなにやっとるん?」って聞かれて、
    「読書」
    「珍しい・・なにをよんどるん?」って聞かれて、
    「石田衣良」って言ったら、翌日、僕のとなりの空いている席(物置代わり)に、
    この本が置いてあった。
    1日は誰のか知らないから、放っておいたけど、
    誰もなんで置いてあるか知らないっていうので、頂戴しました。
    ありがとう。面白かったです。

    それにしても「衣良」がいっぱつで変換できん。

  • 短編の連作集ですが、

    中でも表題作の『約束』と
    『青いエグジット』と『ハートストーン』で

    盛大に泣いてしまいました。

    さまざまな苦しみから立ち上がり、
    うつむいていた顔をあげて、
    まっすぐに歩きだす人々の姿。

    石田さんの作品は、いつも心をわしづかみにされたように
    胸にひっかかって消えません。

    私はただの読者のひとりに過ぎないけど
    作家の皆様方の紡ぎだす作品世界に触れるたび
    人生の深みを少しずつ感じられるような気がしています。

    私もきっといつか、大切なものを失うときがくると思います。

    家族や、健康や、夢。

    それが大切なものであればあるほど、
    失ったときの哀しみと喪失感は果てしない。


    だけど、どんな形でもいい、
    あきらめずに前を向こうという気持ちがあれば
    人はまた必ず人生に帰ってくることができる。

    そんなメッセージを受け取ることができた、作品でした。

  • 短編集なので読みやすい。
    天国のベル
    良かった。子どもは大人が思う以上に、色々、心に負担を抱えてしまうんだなあ。

  • マイナスからゼロに。

  • 作家さんはこうやっていろんな人にメッセージを伝えられるからすごいですね。
    特に伝えたいことも無いけど。
    泣けない。

  • 移動中に読んだ自分が馬鹿だった。
    どの話もジワジワと涙腺を刺激して来て知らぬうちに涙が溢れていました。
    荒んだ心を浄化してくれるような作品。

  • 短編集。「約束」「青いエグジット」「ハートストーン」が良かったです。

    ・約束
    表題作。
    無差別通り魔に、目の前で親友・ヨウジを殺された主人公の小学生・カンタ。
    実際にあった事件が題材だそう。
    クラスのヒーローだったヨウジが目の前で殺され、自分が死ねばよかったと思うカンタ。そのカンタの前にヨウジの幽霊が現れる。
    親友の死を乗り越えて強く生きると誓うカンタの様子が丁寧に描かれていて、清々しい感動がありました。

    ・青いエグジット
    主人公の謙太郎には、事故で足が不自由になり車椅子生活を送る息子・清人がいる。清人はもともと気難しい性格で、いわゆる引きこもりだったが、ある日少しだけ外に出た際に事故に遭った。
    それ以来清人の我儘に振り回されてきたが、ある日彼がダイビングをやってみたいと言い出す。
    息子に振り回されつつも見放すことはなく、じりじりと我慢の日々を送っている謙太郎の描写に、こちらまで息が詰まりました。
    海の中で親子ともども心身解き放たれていくラストは、やはり清々しい。

    ・ハートストーン
    実の父と、まだ幼い息子が同時に死の縁に立っている状態。ホントに切羽詰まっている。
    家族の無事をひたすら祈り、苦しみ、また祈り。それしかできない苦しさがひしひしと伝わる。
    自分が病気になるのも苦しいけど、大切な誰かが死にそうなのに何もできないのも本当に辛い。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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