最後の記憶 (角川文庫)

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レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043855018

作品紹介・あらすじ

脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴-。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な認知症になった母親は、近い記憶からどんどん記憶を失っていきます。
    最後に残るのは子供のときの強い記憶で、幼少期に母は恐ろしい体験をしていたため、徐々に恐怖の記憶のみを思い出すようになっていきます。
    母の病気が遺伝性ではないか、つまり自分も発症するのではないか、と異常に怯える息子は、母の幼少期の謎を解明するため、母の過去を辿り始めます。
    わりとオチは途中から察しがついてしまいますが、主人公の妄想なのか現実なのかわからなくなっていく、狂気の狭間の描き方は作者ならではで非常に上手いです。
    母親の本名が別作品の謎の女性とリンクしているのも気になりました。

  • 主人公波多野森吾の母千鶴は白髪痴呆という特殊な痴呆症によって徐々に記憶を無くしつつあった。
    そんな千鶴に最後まで残った記憶-それは幼少時代に体験した恐怖だった。

    バッタの飛ぶ音、突然の閃光、顔のない黒い殺戮者

    森吾は幼なじみの唯とともに母の過去を探りだす。そして訪れた出生の地、迷いこんだその"場所"で彼は遂に真実にたどり着く。

    *************

    心がざわつくようなホラー。
    森吾が別の"場所"で真実を悟る過程が特に怖い。じわじわと追い詰められる逼迫感、異様な情景と子ども達のリアルな描写が想像力を掻き立てて更に恐怖は増していく。思わず一気読みしてしまう作品だった。

    それにしても、
    『生きているのは楽しいかい?』
    随所に散りばめられたその問に迷いなく答えられる人はどれ程いるだろう…
    子どもだけじゃなく大人こそがあの"場所"を求めてるんじゃないか、ふとそんな気がした。

  • 主人公・森吾の母親は認知症(白髪痴呆)を患ってしまい、その病気が
    遺伝的要素が強いことを知る。

    母が元気な時から恐れていたショウリョウバッタの羽音、稲光、顔のない者や自分の幼い頃の記憶にあるキツネ面を付けた何者かなどの謎を解明していく。

    母親の母親、自分の実の祖母は母親と同じ病気になったのかを
    調べる事を決意し母親の出自を調べる事になる。
    そして冥界か幻想か解らない世界へと入っていく。
    そして謎が解明していき、最後に母親の出自がドンデン返しのような
    感じで描かれている。

    解決というかこの結末へと導かれる過程はほとんどホラーというか
    ファンタジーという形で現実的ではないのだが、帳尻は現実に則した
    形で迎えられていると思う。

  • あ、へぇ……。そうなのね。
    っていうラスト。
    よく考えたら予想がつくんだろうけど、そうさせないところが良い。

  • 母を苦しめる「最後の記憶」とは何か?

    記憶の謎、という言葉に惹かれましたが、私がイメージしていた話とは違いました。
    ある程度現実的で、精神的な恐怖がもっとあるのかと思った。

    ただ、個人的に最後の終わり方は好きです。

  • あとからジワジワくる怖さ。

  • ※表紙デザインが違うのですが該当するものがありませんでした。Kindle版ならあったのだけど。

  • 彼女が幼き日に見たのは。
    結局、彼女が患った病気は一体なんだったのだろうか。
    何故、幼き彼女と息子である彼が出会ったのだろうか。
    最後まで、謎が残ったままのように感じるな…。

  • 再読。ファンタジーホラー?
    家族性遺伝って怖いけど、その運命を受け入れられないと森吾のようになるのかな。

  • 駄作です。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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