最後の記憶 (角川文庫)

著者 : 綾辻行人
  • 角川書店 (2007年6月1日発売)
2.87
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  • レビュー :78
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043855018

作品紹介

脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴-。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。

最後の記憶 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 特殊な認知症になった母親は、近い記憶からどんどん記憶を失っていきます。
    最後に残るのは子供のときの強い記憶で、幼少期に母は恐ろしい体験をしていたため、徐々に恐怖の記憶のみを思い出すようになっていきます。
    母の病気が遺伝性ではないか、つまり自分も発症するのではないか、と異常に怯える息子は、母の幼少期の謎を解明するため、母の過去を辿り始めます。
    わりとオチは途中から察しがついてしまいますが、主人公の妄想なのか現実なのかわからなくなっていく、狂気の狭間の描き方は作者ならではで非常に上手いです。
    母親の本名が別作品の謎の女性とリンクしているのも気になりました。

  • 主人公波多野森吾の母千鶴は白髪痴呆という特殊な痴呆症によって徐々に記憶を無くしつつあった。
    そんな千鶴に最後まで残った記憶-それは幼少時代に体験した恐怖だった。

    バッタの飛ぶ音、突然の閃光、顔のない黒い殺戮者

    森吾は幼なじみの唯とともに母の過去を探りだす。そして訪れた出生の地、迷いこんだその"場所"で彼は遂に真実にたどり着く。

    *************

    心がざわつくようなホラー。
    森吾が別の"場所"で真実を悟る過程が特に怖い。じわじわと追い詰められる逼迫感、異様な情景と子ども達のリアルな描写が想像力を掻き立てて更に恐怖は増していく。思わず一気読みしてしまう作品だった。

    それにしても、
    『生きているのは楽しいかい?』
    随所に散りばめられたその問に迷いなく答えられる人はどれ程いるだろう…
    子どもだけじゃなく大人こそがあの"場所"を求めてるんじゃないか、ふとそんな気がした。

  • 主人公・森吾の母親は認知症(白髪痴呆)を患ってしまい、その病気が
    遺伝的要素が強いことを知る。

    母が元気な時から恐れていたショウリョウバッタの羽音、稲光、顔のない者や自分の幼い頃の記憶にあるキツネ面を付けた何者かなどの謎を解明していく。

    母親の母親、自分の実の祖母は母親と同じ病気になったのかを
    調べる事を決意し母親の出自を調べる事になる。
    そして冥界か幻想か解らない世界へと入っていく。
    そして謎が解明していき、最後に母親の出自がドンデン返しのような
    感じで描かれている。

    解決というかこの結末へと導かれる過程はほとんどホラーというか
    ファンタジーという形で現実的ではないのだが、帳尻は現実に則した
    形で迎えられていると思う。

  • あ、へぇ……。そうなのね。
    っていうラスト。
    よく考えたら予想がつくんだろうけど、そうさせないところが良い。

  • 母を苦しめる「最後の記憶」とは何か?

    記憶の謎、という言葉に惹かれましたが、私がイメージしていた話とは違いました。
    ある程度現実的で、精神的な恐怖がもっとあるのかと思った。

    ただ、個人的に最後の終わり方は好きです。

  • 再読。ファンタジーホラー?
    家族性遺伝って怖いけど、その運命を受け入れられないと森吾のようになるのかな。

  • 駄作です。

  • 終盤近くになるまでホラー小説だという意識はまったくなかった。
    精神的な迷路に入り込んでしまった男・波多野森吾の内面の葛藤を描いた物語だと思っていた。
    精神に異常をきたした母親・千鶴。
    医師から遺伝性の怖れがあると聞かされた森吾は、自分の未来を思い衝撃を受ける。
    雷やバッタの羽音に激しく反応する母。
    「ゆい」という名前への狂ったような拒絶。
    すべてがわずらわしく、母の元から足は遠のくばかりだった。
    幼なじみのゆいの強い勧めもあって、森吾はようやく母の過去を調べるために動きだす。
    母は養女で実の親は別にいることがわかり、母の生家へ向かってはみたが・・・。
    記憶が徐々に欠落していってしまう。
    忘れていく本人に恐怖はないだろうが、周囲で見守る人たちにとっては辛い出来事だろう。
    まして最後まで残った記憶が「恐怖の色」に染めつくされていたとしたら、悲惨以外のなにものでもない。
    年老いてまでそんなものに苦しめられたくないだろう。
    すべての謎が解けたとき、一番救われたのは森吾だったはずだ。
    しかし、登場人物の相関図があったらやけに「義」のつく関係ばかりで、裏の裏の真実までは気づかなかった。
    結末のホラー場面よりも、森吾が悩みながら底なし沼に落ちていくような精神状態の描写のほうがはるかに怖かった。
    ちょっと欝になりそうな内容で、実は早々に挫けそうになった物語でもある。

  • 図書館でタイトル借り。
    綾辻作品は余り読んだことがなく、特に何の期待も持たず読み進めました。

    母親が脳の病気にかかり、(アルツハイマーの様な)自分にも遺伝するのではないかとオドオド・ビクビクしている男性。
    オドオド・ビクビクが話の八割を占めているので
    何だかこちらの気持ちもジメジメしてくる。

    ホラーともミステリとも違って何だか幻想的な少し不思議な物語。

    アルツハイマーに遺伝性があるのをこの本で初めて知りました。

  • 脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという
    凄まじい恐怖の記憶
    だけだった。
    突然の白い閃光。ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供達の悲鳴ー。
    死を目前にした母を今なお苦しめる最後の記憶の正体とは何なのか?

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