サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043860012

作品紹介・あらすじ

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。-2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 元活動家のハチャメチャな父に振り回される一家と、主人公である小学生の息子・二郎の親友や、個性豊かな登場人物との確執、絆までが描かれた人情コメディ。

    終始二郎目線で描かれた世界は、幾度も自分が子供だった頃へとタイムスリップさせてくれた。

    当時、親に、大人に対して同じような感情を抱いたことがあったな。

    友達を虐めていた時って、こんな些細な感情だったな。

    友達に虐められていた時は、親にも言えず本当に苦しかったな。

    親友と呼べる仲間ができた時なんて、何をしても楽しかったな。

    正に小学6年生の頃と言えば、4つ上の姉と、ほぼ2人だけの生活だったな。などなど。

    兎角、家族の在り方、仲間の在り方、自分の在り方の描き方や展開がリアルで、ユーモラスで、とても面白かった。文字を見て、声を出して笑えるって素敵だ。

    著者の作品は大好きだった伊良部シリーズ以来、4作品目。

    恐らくだが、私は著者の描く文体や世界観が、めっちゃくちゃ好きみたいだ。

    さぁ、いざ、参ろう。下巻へ。

  • これはメチャメチャ楽しい。破天荒な父一郎に翻弄される家族。しかし、ブレない、群れない、日よらない最高の男。「おとうさんを見習うな。少し極端だからな。けれど卑怯な大人にだけはなるな。立場で生きるような大人にはなるな。」また、母のさくらが最高。「人として何ひとつ間違ったことはしていない。唯一常識からはずれたとしたら、世間とあわせなかったことだけ。世間なんて戦わない人を慰めるだけのものよ。」自由でおおらか。沖縄かぁ。温暖で海も陸も食うに困らないから人がおおらかな理想郷だな。

  • 2018.8.11
    上巻たまらんー!
    下巻が楽しみ過ぎる
    別れは淋しい事ではない、出会えた結果のゴールだ
    過去より未来の方が遥かに大きいとおセンチしてる暇はない

  • 感想は下巻で。

  • 小学6年生の男の子の視点で書かれているので、馴染むまでに時間がかかったけれど上巻の後半あたりから
    ストーリーの面白さにペースアップして読むことができました。

    元過激派の父親と優しいけれどいまいち謎な過去を持つ母親。
    その思想がどうこう、というよりいわゆる一般的な概念に囚われない親ってなんだか楽しい~と、ワクワクしながら読み進められます。

    実際にこんな小学生がいたらちょっと怖いけど。
    下巻が楽しみです。

  • 小学生の心情をここまでありありと描写できる奥田英朗氏に感服。

    小学6年生なんて10年以上前のことだが、小6って思春期に片足突っ込んでいるので、同じ小学校低学年と全然違い、自分ではまだ言語化できない複雑な悩みが増え始め、子供であるが故の不自由さにもがいたこともあったなあ、と、その感覚を思い出した。

    大人になると、自由すぎて苦しむこともありますがね。

  • 過激派の父親を持つ小六少年の成長期東京編。子供の喧嘩に手に汗を握る面白さ!下巻の沖縄編が楽しみ。

  • 上巻を読み終えたところ。
    ホーム小説かと思ったら、過激派などの話になったり、ヤンキーと対決になったり、お父さんが狂ってたり、母の秘密が謎だったり、いろいろなことが目まぐるしく進むが、読みやすく、登場人物も少ないので、ごちゃごちゃにもならない。
    自分なら間違いなく四ツ谷の子供になる。
    今から下巻を読みます。

  • 2006年本屋大賞2位

    奥田英朗が三年かけて構想した小説であり、直木賞受賞後の第一作
    あらすじ
    元過激派の父が起こす大騒動に翻弄されながらも、東京から沖縄への移住を通して家族の絆、息子二郎の成長していく過程を描いている。
    学生運動時代が複雑に絡み合い、駆け落ちした女性と三人の子を作るが最後は西表島に帰るというファミリードラマである。
    感想
    読んでて楽しかった。

  • 読み出したら、時間忘れて読んでまうけど、いざ一回綴じると再び読み出すのは時間がかかる変わった小説やった。下巻気になる。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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