オリンピックの身代金(下) (角川文庫 お 56-4)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年9月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043860050
感想・レビュー・書評
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華々しい東京オリンピックの裏では、命を犠牲にしてオリンピックを底辺で支えた出稼ぎ労働者がいた。ちょうど田舎に戻ったタイミングでもあり、身につまされる思いだった。
表現や世界観で勝負する芸術文学とは違うけれど、大衆小説らしく綿密にプロットが練られていて、展開が緻密。時代背景の調査もかなり細かく、当時がリアルに描かれている。かつて十代の頃夢中になった山崎豊子や三浦綾子の読後感を思い出した。 -
東京オリンピックも決まったってことで読んでみた。上下巻をほぼ一気読み。ストーリーは一直線ながら構成が面白かった。時間軸と視点がアキレスと亀というか、この構成で面白さが倍増。
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著者らしからぬプロット先行の構成と比較的固く重たい描写が、本来の物語りの上手さと重なって非常にバランスの良い作品になっているように感じた。よりリアルな人間模様を描くために、著者としても従来の作風を進化させた意欲的な作品だったのではないかと思う。
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複数の視点でしかも時間がずれているという手法も
上巻では無駄に読みにくいと思ってたけど
下巻になってズレの時間が短くなっていくと
これもアリかと思えてきた
「邪魔」、「最悪」に比べると
序盤から興味深く読めた
当時の日本にとってオリンピックの開催というのは
とても重要な意味を持つものだったんだろうなぁとは思ったけど
そんなノスタルジーに浸れるほど実感はない -
上下よみおわったので感想。
はじめはあやしいな、あからさまだな。まさかこいつじゃないだろう
と思っていたらやはりの島崎。
べつに、オリンピックがにくいわけではないけれど、誰かにしんで欲しかったわけではないけれど、あっさり捕まってしまったのは、爆破できなかったのはものすごく悔しかった。
あんなに、あんなにいろいろ考えたのに。
東京招致と騒がれている今日、どうなるんだろうなぁとかおもってしまう。 -
やるせない、どこにぶつけていいのか判らない気持ちを抱えて読み終わった。オリンピック開催に沸く日本中に向かって、「誰か、オリンピックの陰にいた国男のことを知って!」と言いたくなってしまう。
純朴だった青年が自ら選んだ運命の流れに乗り、警察に追い詰められていく。一方、はっきりした勝算は無くとも仲間と共に活気づき追いかける若手刑事。この二人の状況が対照的だった。
村田のおじいさんが最後まで国男のことを気にかけていたのが救いであり、また切ないところでもありました。 -
2013/06/11
復路 -
下巻おもしろかった。
国男がんばれ!って想いながら読んだけど、やっぱりこうなるのね(T_T)
その後の国男が気になる。でもここで終わってよかったのかな。 -
上巻の内容が内容だけに、
下巻はもっとスピーディーに進むのかな?と思いましたが。
読了してもやはり共感できず。
奥田英朗は「ガール」みたいな女性主人公の方が
上手いなと思いました。