霧の夜の戦慄 百年の迷宮 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 232
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043870134

作品紹介・あらすじ

十六歳の綾はスイスの寄宿学校に留学することになった。その初日、目を覚ました綾は、切り裂きジャックに怯える一八八八年のロンドンで「アン」という名で暮らしていた! 〈百年の迷宮〉シリーズ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀ロンドンを震撼させた殺人鬼「切り裂きジャック」をモチーフにした小説です。

    21世紀と19世紀をタイムスリップできる少女が、切り裂きジャックの正体を求めてストーリーが展開していきます。

    切り裂きジャックという重たいテーマを赤川次郎さんの軽快なリズムで進めていく絶妙な描写がスバラシイと感じました。
    まさに事実とフィクションのバランスがいいです。

  •  別にご都合主義でもいいのだ、話が面白ければ。
     現代の女子高生がヴィクトリア時代にタイムスリップして切り裂きジャックの謎を解く! というのもキャッチーでいいよね、と思う。

     設定がご都合主義なのも、結果がアレなのも許せるが、登場人物の行動理由にリアリティが無ければ……もう「ああ、ふぅん? そうなんだ」としか言えない。ヒロインがどうしてこういう行動するのか理解できない。発言も突拍子もなくさっぱりである。
     この子が男子で理系で女装趣味があれば、なんとなくそういうものかと理解出来る気がした位、普通の女子高校生から遠い。
     下手に女子高生としたからリアリティが薄いというか、気になってしまうのかもしれない。

  • 期待以上に面白かった。現代と過去を行き来するのだけどタイムスリップ物によくある「混乱する」ことが全くなく、序盤から引き込まれ一気に読んだ。「切り裂きジャック」は知っていたけどこんなに残忍な殺人犯だったとは知らなかった。当時のロンドンの風潮も伺え面白かった。ただところどころ意味がわからない箇所があり、そこが謎。

  • 小学生の頃から赤川次郎を読み漁り、リッパロロジスト(切裂き魔研究家)を自認する身としては、ぜひ読んでおかなければ!と手に取った。
    現代日本からスイス、ロンドン、そして19世紀ロンドンと、話のスケールがどんどんでかくなっていくので結末を心配したが、特に終わりを急いだ感もなく、怒涛の伏線回収っぷりを見せ、無事に終了。
    近年の作品としてはかなりの良作と言っていいだろう。

    19世紀側の綾である“アン”の父、ラルフ・クラフトは、映画『フロム・ヘル』のアバーライン警部がモデルなのではないか?と感じた。
    最後の犠牲者、メアリー・ケリーと恋仲になる、メアリー・ケリーは実際には死んでいない、といった点が共通する。

    一つ気になるのは、19世紀ロンドンを震撼させた切り裂きジャックの正体=チャールズ=ヴィクトリア女王の息子?は何者なのか、ということ。
    公的に記録の残っている人物としては、ヴィクトリア女王にチャールズという息子はいない。
    可能性としては「記録に残せない人物」、つまりアルバート公亡き後、ヴィクトリアと恋人との間に生まれた庶子ではないか?という考えが頭をよぎった。
    実際、ヴィクトリアには夫の死後に恋人の存在が噂された。
    また、チャールズがなぜ切り裂きジャックになったのかの謎も解明されなかった。
    綺麗に纏め上げたのだから、ぜひこれらの疑問も解消させて欲しかった。

  • 過去と現在を行ったり来たりするけど、ごちゃごちゃにならずにスッキリ読める。綾がアンになった時に、少し性格に高貴さが出てくるように思う。凄惨な殺人事件を巡った話だが、グロテスクな感じが少なくストーリーそのものを楽しめる。

  • 時空を超えたミステリー、ということで、
    主人公の綾が現代とヴィクトリア時代のロンドンを行き来します。
    初っ端から綾の父親の死に遭遇して、
    たった16歳でひとりぼっち、その上父親の会社を継ぐことに。
    この辺りは、昔読んだこの著者の他作品と似た雰囲気がします。
    年齢の割りにやたらしっかり者のヒロイン像も。
    生前父親が手続きしていたという留学の話を受けて、
    もともと帰国子女だった綾はためらいなくスイスへ出発。
    更には、もともと興味のあった「切り裂きジャック」の事件の渦中へ。
    実は母親は死亡ではなく行方不明だったり、
    寝耳に水の社長業をスイスの寄宿舎に居ながら続けられたり。
    それも実権を握ろうとする重役を抑えて。
    すべては綾に都合良く廻っている感じが付きまといました。
    ある意味読者は安心して読めます。
    前に読んだのが大分昔なので定かではないですが、
    この感じは赤川次郎作品に共通のような気がしました。
    ミステリーは、現代ロンドンで切り裂きジャックを彷彿とさせる事件と、
    ヴィクトリア時代のロンドンで本物の切り裂きジャック事件の2本立て。
    綾がどっちの時代の事件にも巻き込まれて奔走します。
    また、父の死をきっかけに顕現した時空を超えるという能力は、
    綾が自在に発動出来る訳ではなく、
    ヴィクトリア時代では綾は結構危ない目に遭います。
    でもやっぱり前述の安心感があるのでリラックスして読めました。
    綾の能力や母親について、その他いろいろ気になることもまだあるので、
    もし次回作があるなら読みたいです。

  • 切り裂きジャックの存在は知ってはいたけど、詳しい内容は
    よくわかってなかったからドキドキしながら読みましたよ。
    いやぁ~初っ端からテンポの速い展開で忙しいのよ。
    タイムスリップものなんだけど、本体ごと移動するわけではない。
    あっちではアンという名前のお嬢様で記憶は共有している。
    1888年と現代の切り裂きジャックの犯人を探す主人公の綾が
    お嬢様のくせに肝据わり過ぎ!
    さすがに切り裂きジャックの正体には驚いたけど
    謎が謎を読んでどんでん返しがあってハラハラドキドキで楽しかったぁ~

  • 初赤川作品。この人は長ーいシリーズ物が多くて今まで手を出す気に慣れなかった。百年の迷宮シリーズは「切り裂きジャック」「ドラキュラ」と興味のある内容だったので2冊まとめて購入。

    ミステリー+タイムスリップ物。読みやすい文章で面白かった!
    でも結末部分がちょっと物足りないかな。特にミステリーの部分が。
    ラスト手前は泣けたんだけどな。メアリーの決意とかマークとの別れとか。

    ちょっと解んない部分→陛下は息子が犯人だと知ってたの?会話を見る限り次で最後にするという条件でわざとメアリーを殺させたっぽいけど。助ける気全くなかったし。チャールズの「夢」って何?

  • 現代と過去をタイムスリップしながら、2つの事件を解き明かす時空ミステリー。

    起承転結の起承転まではハラハラドキドキでしたが、結が微妙だったので★3つ。

    あと登場人物が多いので、人物相関図があればよかったです。

  • とても読みやすくて楽しく、一気に読んでしまいました。

    百年の迷宮、次作も出ているので、読んでみたいです。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。76年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以後続々とベストセラーを刊行。「三毛猫ホームズ」シリーズ、「天使と悪魔」シリーズ、「鼠」シリーズ、『ふたり』『怪談人恋坂』『幽霊の径』『記念写真』他、著書多数。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞受賞、16年、『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。

「2021年 『天使に賭けた命 天使と悪魔 10』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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