熱帯夜 (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (2010年10月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784043873029

作品紹介・あらすじ

タイムリミットは2時間。美鈴とボクをヤクザの人質にして金策に走った美鈴の夫は戻ってくるのか? ボクは愛する美鈴を守れるのか!? 緊迫の展開、衝撃のラスト。ミステリとホラーが融合した奇跡の傑作。

みんなの感想まとめ

緊迫感とユーモアが絶妙に絡み合う短編作品集で、特に「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」がそれぞれ独自の魅力を放っています。作品全体に漂う退廃的な雰囲気と、底意地の悪さが際立つストーリー展開は、読...

感想・レビュー・書評

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  • 3つの中編からなるこの作品

    曽根作品の魅力に取り憑かれた私は、これで3冊目を読み終えたけど もー、なんつーか最高すぎて好きすぎる

    「熱帯夜」胸くそとんでもラスト
    「あげくの果て」SFブラックユーモア
    「最後の言い訳」とんでもゾンビ時代
    ってな感じです

    あとがきで馳星周さんと山田正紀さんの書評が少し載っていたけど、どちらの先生も『底意地の悪さ』が光る と書いてらっしゃる そんな底意地の悪い作品を大好物!!と思える私は底意地が悪いのかもしれないw だけれどもそんな自分が好きなんだ!ww

    小説って自分の想像力で読んでいくから、人間の悪いところ、クズなところ、ろくでもないところ、そういう部分を想像するとなんだかゾクゾクするんだよね(変態かw)

    映画や漫画はほっこり系や泣ける系も好きなんだけど、小説に関してはこういう作品が大好物だわやっぱり…またすぐにでも別の曽根作品を読みたくなっている…
    イヤミスよりももっと踏み込んだ底意地の悪い作品が好きな方はぜひぜひ、読んでいただきたい 

  • ブラックユーモアなホラー小説。
    今まで読んだ本の中で本作が一番好き。
    熱帯夜のラストに向かって収束していく
    スピーディーさと最後の言い訳のオチがたまらなく好き。

    特に最後の言い訳は設定もさることながら
    そのオチの面白さにゾクゾクし、読み終わって爆笑してしまった。
    この世で2番目に好き

  • 作者の小気味よい底意地の悪さ、
    もとい小説という表現の舞台に対する一種の軽薄さが実に中毒性がある

    本作に収録されている「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」のどれもがきれいにまとまった短編作品

    ただ作品全体に漂う退廃した雰囲気、
    特に「最後の言い訳」ラストのちゃぶ台返しには
    「小説とは格式高いものである」なんて高尚な思い込みを持っている奴ほど面喰らう

    直球勝負などはせず、超山なりのスローボールやふにゃふにゃ曲がるナックルボールで打つ気満々の四番バッターを手球に取ってグローブの裏でニタニタ笑いながら悠々とベンチに帰っていく

    テクニックのある人間が本気で読者を舐め切ってやろうとしたためた
    そんな小説への軽薄さに中毒的な心地よさを覚える良作

  • 曽根圭介作品を初めて読みました。3作品どれも確かにホラーなんですがしっかりミステリです。一見関係のなさそうな何人かの人物の視点がラストに上手く繋がって別の絵を見せてくれる手法はとても好みで、三作とも最後にいろいろな意味で衝撃が用意されていました。伏線もうまく張ってあったと思います。ブラックだったりシュールだったり、ホラーの背筋の寒くなるような怖さではなく、なんだか落ち着かない気持ち悪さを感じました。それなのにこの作家さんの別作品をすぐ読みたいほど、この世界観には不思議なことに惹かれます。

  • 2022.04.24

    あまり読んだことのないタイプのホラー小説というのか、SF小説というのか…
    読みやすいけど、グロめのブラックユーモアが効いてるホラーは初めてかもしれない。
    面白かった。
    サクサクスイスイと読めるしわかりやすくて気持ちよかった。
    「熱帯夜」は、うまくまとまってそーゆーことか!とグロさもあったのに読後はスッキリ。

    読み進めるのに苦労した本がしばらく続いたので軽快に読めて、すぐ読み終わって嬉しい。
    「鼻」も気になっていたので、次回読んでみる予定。

  • 「熱帯夜」
    「鼻」に続く叙述ミステリー(時間とキャラクターの二重仕掛け)なのだが今回も見事に騙された。スピード感があってスリリング。あいかわらず人間に対する憎悪で満ち溢れている。ゲス野郎が三人出てきてその三人ともがきれいに破滅するラストはお見事。期待を裏切らない素晴らしい作品だった。

    「あげくの果て」
    老人問題もののディストピア小説。同じ家族の祖父・父・息子の三つの視点から書き分ける。

    「最後の言い訳」
    ゾンビ+淡い初恋の思い出もの。ゾンビの擡頭により激変していく社会の様子が新聞記事の体裁で説明され、そこに主人公の現状と子ども時代の回想が絡んでくる。しかしここでも時間の叙述トリックが。非常にうまい構成だ。オチは当然これしかないだろう。

  • たまにはホラーでも読むか、と表題に惹かれて借りてみたけど、ホラーというよりはブラックでした・・・短編にしては面白かったけど。もっとゾクゾクするようなホラーが読みたかったなーw

  • ブラック短篇集。表題作は友人夫妻共々ヤクザに監禁された男の話。先入観というか文章読解における暗黙の了解を逆手に取ってクドいくらい想像を覆してくる。その他二篇は仕掛けというより物語の進行と後味の悪さが良かった。曽根圭介の短篇集は多分読み尽くしたので次は長篇かなー。

  • ミステリ、ディストピア、ホラー?とバランス良く収められている中短編集で表題作は評判になるだけあって巧い
    狙ったものなのかブラックユーモアや軽くて下品に感じられる印象もチラホラ

  • 世にも奇妙な物語とか好きな人におすすめ
    最後で度肝抜かれる
    読み返すとまた面白さがある
    口開けながらみちゃう とてもびっくり

  • 「熱帯夜」「あげくの果て」「最後の言い訳」の3作品。

    叔父から譲り受けた電子書籍に入っていたのでどのような作品かも知らずになんとなく読め始めたが、どれも色んな意味で気持ちが悪かった(褒めてる)。
    非現実的なグロい描写と、現代社会を皮肉ったリアリティのある描写とが混在していることで独特な世界観になっていると思った。ラストにかけて想像をいくつも裏切っていき、綺麗にオチるところでさえも気持ち悪く感じる(ほんとに褒めてる)。

    バッドエンドものに耐性がない私でも、なんとも言えない読後感と引き換えに3作品続けて読んでしまうほどの不思議な面白さがあった。

    私は「最後の言い訳」が好き!他の2作とは異なり、ちょっと切ない。

  • 笑窪(エクボ)ありますか?

    あばたも笑窪ってくらいだし
    やっぱ笑窪ってチャームポイント。

    この作品、わずか約60Pなのに負の連鎖盛り沢山。
    タ○リの世にも不思議な物語的で面白かった。

    読後、思い出したアメリカンジョーク。

    若い男女が深夜の公園でデートしていたら
    突然、大男が現れ「オイ、俺と付き合えよ」と凄む。
    彼氏は彼女に「逃げろ!」といい彼女を逃がす。
    大男はふふふ・・・と笑いながら
    彼氏を暗がりに連れて行きズボンを下ろす。

    これはこれで、怖いだろうなぁ

  • 相変わらず曽根さんは意表を突いてくるなぁ。そこに緊迫感とブラックユーモア、人間の滑稽さと悲しさが絶妙に同居。上野のパンダの名前には思わず笑いが漏れたw
    「あげくの果て」の結末はちょっと締まらなかったけど、「最後の言い訳」はオチもついてかなりの快作ならぬ怪作だと思う。

  • 表題作のみ読みました。

  • 2015年、23冊目。曽根圭介2冊目。途中GW入って1週間以上間が空いてしまった1冊。

    「日本推理作家協会賞短編部門」受賞の表題作を含む3篇収録。

    収録順に簡単に紹介&感想を……。

    「熱帯夜」
    主人公、「ボク」の友人、藤堂は闇金から金を借りている。その取り立てにボクと藤堂の妻、美鈴は人質となる。金策のタイムリミットは2時間。
    作りは「鼻」と同系統なので、何となく、途中で、オチの想像は付いていたが、やはり、「やられた」感はある。伏線の回収も良く出来てる。展開のテンポ感もイイ。ただし、完全にミステリー。

    「あげくの果て」
    超高齢化社会をむかえた日本は高齢者徴兵制を導入。戦地、最前線へと彼、彼女らを送るのであった。そんな近未来を、高齢者徴兵制のための検査を受ける老人、中年男性、高校進学を控えた若者、3人の視点で描いている。
    ディストピアSFとブラックの融合。敬老主義過激派組織「連合銀軍」、排老主義青年組織「青い旅団」、最新型戦闘スーツ「難局二号」等々、小ネタセンスが最高。コレもホラーではナイような……。

    「最後の言い訳」
    市役所職員の鵜飼京一はゴミ屋敷撤去の依頼を受ける。ソコは京一が幼い頃に住んでいた場所にほど近い所であった。人とゾンビが共生する世界の物語を現在と、ゾンビ暴動後の幼い過去、ソレ以前の初恋の思い出を重ねて綴っている。
    実にらしい展開。設定はゾンビが出てくるので、ホラー的ではあるが……。ブラック満載。そして、オーラス、タイトルがドカンとのしかかってくる。

    曽根圭介って作家は複数視点や、時間軸を使った、叙述トリック的なトコを得意としてるんだろうな……。と思う。ミステリーをソレほど読む方ではナイ自分だが、キーになるポイントは3篇ともほぼ予想通り。だが、ドレも大オチでさらに半回転ヒネりが加わってるトコも好き。

    ホラーを期待して読むと、少々肩透かし。しかし、ブラックなミステリーとして読むにはかなり楽しめる。

  • 曽根圭介得意の不条理な物語が三編。直球のホラーではなく変化球。ブラックユーモアが炸裂してます。きっとコーエン兄弟とか好きなんだろうな、曽根さん。

    『最後の言い訳』はゾンビファンには是非読んでほしい秀作です。

  • この短さでここまで秀逸なミステリー・ホラーはなかなかお目にかかれないのでは。
    不条理過ぎない設定が絶妙。

  • これは面白かった。一気読み。短編集(でもちょっと長め)で、そのどれもが設定が素晴らしい。満足

  • 「鼻」の作者。同じく3編の中編集。ホラーと言いつつも、前作同様「世にも奇妙な物語」チックで、世界観が独特。その世界観にゾッとするような背景がありますが、叙述トリックや物語の収斂性に面白さを集約しているようなところもあり、純粋なホラーとしては楽しめなかった。つまらなくはないですけどね。

    しかしここ最近の和製ホラーは、恐怖に直接語りかける作品があんまり多くないような……?

  • 曽根圭介の短編ホラー、面白い〜!ホラーといってもおどろおどろしいものでなく、ブラックユーモアが効いているのがなんとも好み。ただ評価は同じ星4つながらも、同じ短編ホラー集の「鼻」の方が面白かった。

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著者プロフィール

1967年、静岡県生まれ。早稲田大学商学部中退。漫画喫茶の店長などを経て執筆活動を開始。2007年「鼻」で日本ホラー小説大賞短編賞、同年『沈底魚』で江戸川乱歩賞を受賞。09年「熱帯夜」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2011年『藁にもすがる獣たち』で第2回山田風太郎賞の最終候補作となる。トリックの効いた異色の作風で注目されている。

「2017年 『暗殺競売』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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