四畳半神話大系 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043878017

感想・レビュー・書評

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  • 貧乏学生の居城である四畳半と、京都の町を舞台にしたどこかおかしな青春小説。青春小説の体裁を取ってはいるが、大学生主人公であるため思春期特有の葛藤などは無く、全体的に馬鹿馬鹿しく学生らしい奔放さに満ちている。関わる人間はどれも一癖ある人間ばかりで、不思議な出来事のオンパレードではあるが、こういう奇矯な人物や怠惰な学生生活は、大学生活を過ごした人間なら誰しもが思い当たる部分があり、ややこそばゆい妙な親近感を覚える。仰々しくクドい語り口はユーモアに溢れていて、独特ではあるものの読み進めるのに苦痛になるほどではなく、作品全体の雰囲気はほぼ文体で決定づけられている。4つのパラレルワールドが平行している構成になっていて、途中何度か同じ描写が出るためややクドく感じるものの、どの世界を選んでも関わる人間や起こる出来事に相違はないというのは中々面白く、それがまた怠惰でかけがえのない、閉じられた輪のような学生生活を現しているとも言えよう。「二年間を棒に振った」という後悔も真剣味よりもおかしみがあるからこそ気軽に読めるのだろうし、この滅法明るいストーリーテリングは読み手を選ばない明るさであるとは思う。

  • 森見登美彦らしい、曲がりくねった話し方がまるで大学に戻ったような気持ちになり、懐かしくなった。

    主人公はいかにも京大生といったような幻のキャンパスライフを夢見た大学生なのだけれど、最初にどのサークルに入るかで4つの話が分かれている。どれを選んでも小津に会い、樋口さんに会い、明石さんと結ばれているのを考えると、ああすればよかった、こうすればよかったと思うことは多々ある人生ではあるものの大筋変わらないのかなと半ば達観したような気持ちになるのであった。

  • 森見登美彦、真骨頂!とにもかくにも、憎き憎めぬ親友・小津のそつのなさがたまりません。注力のベクトルは別として、処世術は学びたいところ…。自分の大学生活も本当にいろんな選択肢に溢れてたナと耽りつつ、これほど濃密な交友関係を築ける”私”が選んだ選択こそ、もしかして、薔薇色のキャンパスライフなんじゃない…?

  • アニメが面白かったので,原作を読まなくっちゃと思って読んでみたら,これが大当たりの大傑作.
    以来,森見先生の大ファンです.

    アニメと原作では大きな違いがあるのですが,原作の方が好きです.

  • 『ペンギン・ハイウェイ』に続き森見作品三作目。『夜は短し歩けよ乙女』と同じく京都の大学生が主人公。大学生のくだらない日常と、京都が持つ非日常感との絶妙な融合がやはり良い、けど初めて読んだ『夜は短し〜』に比べるとやや冗長な感あり?パラレルワールド的な、全体の構成の仕方も面白かった。

  • アニメをきっかけに読んだが、面白かった。
    文体がそのままアニメと一緒で、監督はこの本の良さを活かし切ったんだなあと思える。

  • 人に進められて読み始めたら、なんだかよくわからないなぁと思いつつ読み。1話終了。2話目読み始めると、なんだこりゃ・・。徐々に面白さが分かり始め、3話目でそういうことかとなり、4話では伏線を回収する。よくできた話でした。

  • なるほど、これをああやってアニメ化するのかぁと感心した。そしてアニメの、森見さんの魅力を100%活かしきったといっても過言ではない構成に脱帽。
    本作の影にちらつく、太陽の塔。あの処女作の激烈さは忘れることができない・・・

  • 四畳半でくすぶっている「私」は回想する。あの時、●●サークルに入っていたら、というifストーリィを4編繰り返すという構成の短編集。だが、結局どうやっても最も忌避すべき悪友・小津との付き合いやそれに纏わる騒動は付いて回り、やっていることや思っていることはほぼ同じというリミックス。冴えない男共がむにゃむにゃと思索しながらちょっぴり風変わりな事件を巻き込まれたり、起こしたりという森見節はそのままに最終話では少々SFチックな展開に行き着くあたり「神話体系」たる所以だろう。そして、最終的に落ち着くところは人の繋がりということなのか。なんだかんだで全てハッピィ・エンドで小気味良い後味だった。

  • むかーしむかし初めて読んだ森見作品
    どはまりした

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著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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