四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043878017

作品紹介・あらすじ

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に面白い本に出会えました!!夜は短しより読みやすかった。独特な語り口調、くだらない企み、他責思考ばかりなのになぜか面白い。大学生活が懐かしくなる。あの時期ってだらしなくてもかっこ悪くても一生懸命だったなぁ。

    「四畳半恋ノ邪魔者」では妙な映画を作成し、「四畳半自虐的代理代理戦争」では不毛な悪戯と戦いに巻き込まれ、「四畳半の甘い生活」では文通相手に想いを馳せ続け、「八十日間四畳半一周」では気が遠くなる旅を続けた主人公の未来に幸あれ!

  • アニメを先に見たが、小説も良かった。

  • 4つのパラレルワールド、最終章に至っては無限パラレルワールドなのに、主人公は小津とどこでも関わってると思われるのが運命の黒い糸腐れ縁で恐ろしい、明石さんと関わるのは赤い糸みたいでいいけど
    モチグマ、香織さん、師匠、羽貫さん、城ヶ崎がどんなふうに絡んでくるのか
    明石さんとはどうやって関わってくるのか、手紙の文通相手だったのかとか面白かった

  • パラレルものとはいえ何度も同じ描写が登場するのはさすがに退屈なものがあった。「コロッセオ」というキーワードもあまり効いておらず、ヒロインであるはずの明石さんにも「夜は短し〜」ほどの魅力は感じられず。最終章のどこまでも続く四畳半というコンセプトは良かったが。

  • ホント阿呆だよね。この大学生特有の阿呆さがたまらんのです。

  • 四畳半から、地質学の二畳紀、三畳紀が好きでした。

  • 夜は短し歩けよ乙女が好きでこちらも読んだ。
    主人公が周りに振り回されながらも大学生活を送る姿が目に浮かび楽しく読めた。

  • 森見さんの代表作。
    これがきっかけで、似た空間を繰り返しながら別の話に繋がっていく構成が大好きになりました。
    読んでたのは確か高校生…?中学生…?
    淡々と進む描写もあれば、「あれ、?そんな描写だったかな、」と戻りたくなる部分もあるなんとも不思議な話です。
    また改めて読みたい本。

  • 京都の大学生の主人公が個性豊かなキャラクター達と関わり合って様々な事件を繰り広げていく。4つの並行世界で構成されているので、1つの章が終わった後に次の章でも同じ文面が何度か出てくる。

  • 「僕なりの愛ですわい」

  • 森見登美彦作品六作目。人生において、「あの時あの道を選んでたらな…」と思うことは山ほどあるけれど、実はどんな道を選んでも同じところに帰結するんだろうか…なんてことを考えながら読んだ。「夜は短し歩けよ乙女」や他の四畳半シリーズに出てくる人物が登場するのにはいつもニヤリとさせられる。蛾の大群や古本市、猫ラーメン、図書館警察など同じものが視点を変えて何度も出てくるのを、見比べて読み返すのが楽しかった。

  • 森見さんの作品はいつも不思議な世界。
    各章の内容が似通っていたため個人的には読んでいて退屈になってしまった。
    少しの変化を楽しめる人にオススメできるのでは!

  • 大学の時に一話だけ見て挫折したアニメの原作。
    ファンの多い作家さんなので、やっぱり読んでみたいなーと思い。

    途中までは正直スローペースで読み寝落ちしたりしてたけど(夜間授乳中に読んでるため)、四畳半にとじこめられたあたりから「ん?面白いぞ?なんだこれ?」となりそこから昼夜忘れて一気読み。オモロかったー

    京都で鬱々とした大学生活を送る主人公が「もしも別のサークルに入っていたら…?」と不思議な並行世界に迷い込んでいく、ファンタジー?SF?
    (ジャンルはよくわからない。)

    秘密機関「福猫飯店」とか猫を煮込んだ(という噂の)猫ラーメンとか、四畳半(n)、四畳半(n+1)とか。
    見ているだけで心の中のサブカル少女が疼き出す世界観。
    そこかしこにでてくる京都の描写も繊細でよい。

    文句ばかりの捻くれた若者を叩きおこすようなメッセージ性があり、読み終わった後おいしいご飯やお風呂や周りの人にちょっとだけ感謝した。

    とはいえ一番好きだったのは、本の半分くらいがめちゃくちゃセンスのいい悪口やぼやきで構成されているところ。森見先生のワーディング、そういう芸でM-1でれそう。

    「まさに悪の権化というにふさわしい。ホモサピエンスの面汚しである。」
    ↑これは是非今後使っていきたい。

  • 私と小津のそれぞれの恋路の奔走の結果「わたおづ」とかいうカップリングに帰着するのが美しすぎて泣く。

  • 読みながら頭の中は?ばかり。
    これこそ、ザ森見登美彦ワールドだなと思いました。
    この不思議さに慣れてしまえば森見登美彦さんの作品はどれを読んでもおもしろく感じます。
    私の?を解決してくれたのは最後の話でした。
    なるほどとも思ったけど読んでいるときは不思議でたまらなかったな。
    京都の地名が出てくるたびにあの場所かな?とか想像しながら読むのも楽しいです。

  • どのサークルに入るか、4つの選択肢の中から、選んだサークルによって分かれる4つの並行世界の話。

    4つの章で、全く同じ文が沢山出てきて、読み飛ばしたりして途中、飽きてきてしまったが、文章が面白い。
    特に、最後の章の、「八十日間四畳半一周」が面白かった。挫折せず最後まで読んで良かった。
    カステラと魚肉ソーセージと大根のかけらを食べ続けてるところが面白かった。
    蛾の大量発生がなぜ起きたか、この章でわかった。

  • 表現が面白く飽きずに読める。不思議なストーリーだが妙に惹かれるね。

  • 森見作品で一二を争うくらい好き。
    “私”の選択によって生まれた並行世界。
    出会う人や起こるエピソードが、全く同じだったりちょっとだけ違ったり。本当にお見事な小説ですよね!
    最終話、四畳半世界から抜け出した後に訪れた鴨川デルタの美しさたるや。似たような文面なのに、他の並行世界で読むより一層キラキラ煌めいた川面が頭に浮かび上がってくるのはマジックだなぁ。四畳半タイムマシンブルースの最後の場面の鴨川の描写も素敵ですよね。
    “私”は気づいていないのかもしれないけど、薔薇色のキャンパスライフを送っていて本当に羨ましい。。映画サークル「みそぎ」の一員としてひっそり紛れ込みたいです。

  • 2024年
    鑑賞作品 No.1

    《感想》
    好きなやつ!
    森見ワールド全開のドタバタ奇怪劇場の開演。
    4つの可能性を並行世界として描きつつ、黒い運命の糸で結ばれた避けられない人生をもがき生きる主人公の姿が痛快であった。
    端々に張り巡らされた伏線にはあっと声を唸らせてしまった…。

    《印象に残ったシーン》
    ▼ 四畳半を渡り歩くシーン
    主人公があらゆる選択をとった場合のパラレルワールドを移動する中で、それまでに登場した仕掛けが隠されており、全てが一つの横軸で繋がる瞬間だった。

    《MVPキャラクター》
    ▼ 小津
    主人公の「私」を堕落に陥れ、周囲の人々を掻き乱して暗躍する姿が憎らしいが、ときおり見せる「私」への優しさが愛おしい。
    また、彼女という唯一の弱みは、妖怪である小津を唯一人間たらしめている部分である。
    だから憎めない笑。

    《ぐっときたフレーズ》
    「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」by樋口師匠
    →主人公は、どんな選択をとっても小津と出会うのであり、バラ色のキャンパスライフを送ることはできない。主人公は、どんなキャンパスライフをも送れる可能性を潜在的に有しているのではなく、小津と出会い無為なキャンパスライフを送らざるを得ない。そこに主人公のアイデンティティが確立している。すなわち、バラ色のキャンパスライフに対する不可能性が、「私」を「私」たらしめている。このことから、私たちは、「何になれる」ではなく「何になれない」によって、「何ができる」ではなく「何ができない」によって、自己の存在が規定されているのだろう。

  • 結局どの選択肢を選んでも、最高の大学生活じゃないか!と私は思う。薔薇色ではないけど、間違いなく青春。

    やっぱり森見登美彦の作品は文体が特徴的で、言い回しが面白くてするすると読めてしまう。読んだあとしばらくは真似たような文体で日記やら何やらを書きそうになるので危険。

    章を読み進めていくうちに、話を理解していく感覚が楽しい。伏線があちらこちらに散りばめられていてたまらない。
    『恋文の技術』も先に読んでいたけど、これを読んだときの感覚に近かった。こちらも面白いのでぜひ。

    どのキャラクターも憎むことができなくて愛らしい。
    小津は結局「私」の一番の理解者だし、なんだかんだ言ってめちゃくちゃいいやつ。ヒロインの明石さんは、淡々としているところがかっこいい。

    こんな大学生活送れたら最高だろうな。
    四畳半に憧れて鴨川デルタも行きました。大好き。

  • 初めて読了した森見登美彦さんの作品でした。少し読みにくくとっつきにくかったが、読んでいくうちに森見さん独特の言い回しが癖になってきた。読了できたことで自信もついたので、『有頂天家族』など他作品も読んでみたい。

  • 一章を読み終わった時点ではこのあとどうやってアニメ化するほど面白い予想外の展開になっていくのか想像できなかったけど、二章、三章でなるほど並行世界の話かつところどころ並行世界同士交わってるなぁと気付かされてからは面白かった。

    同じ展開(文章)が違和感なく散りばめられてて洒落た作者だなぁと思った。


  • 日々は選択の連続で、その選択一つ一つの結果として未来が少しずつ変わって、いろんな並行世界が存在するということに最後に辿り着いてるのが綺麗だった。

    日々の小さな決断について考えさせられる。
    あと、どんな並行世界でも親しくなる人、大事な存在は共通してるのかもしれないとも思わされる。

    こんなに細かくエピソードを張り巡らせて、4つの並行した話を書き上げているのは本当に凄い、そして飽きない文体、凄い。

  • 大学の新入生時に選んだサークルによって、その後の学生生活が薔薇色になるか、はたまた無意に過ごすことになるのか。全体が四話で構成されており、それぞれ別のサークルを選ぶ(人生の選択肢を選ぶ)ことによってストーリーが進んでいきます。

    第一話から第二話に移ったとき、涼宮ハルヒのエンドレスエイトのような、時間ループものだったら嫌だなと思っていたら、パラレルワールドだったので一安心。ただし、これが四話続くのはキツイなと思いながら読み進めていたら、第四話でちゃんとオチを用意していました。個性的な登場人物たちが語る多彩な言葉遊びや、海外文学にも理解があるなど、著者は頭いいんだなと感心しきり。

    それにしても、人生の選択肢を「もしも」と回想したところで、大して変わらない人生…『輪るピングドラム』でいうところの「きっと何者にもなれない」人生なのだろうということは、年を重ねるほど理解できますけどね。若いときを思い返してみると、主人公と同様に、いろいろ思い悩んで違う人生を夢想していた事が、なんだか懐かしく思い出されて、微笑ましい気持ちになりました。

    余談ですが、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』がたくさん出てきます。未読でも問題ないですが、読んでいればより楽しめるでしょう。また
    『海底二万里』の他に、スティーブンソン『宝島』、シェイクスピア『リア王』、デフォー『ロビンソン・クルーソー』のあらすじを知っているといいかもしれないです。しかし、どれも名作なので未読の人は一読をおすすめします。

    追記:屋台の『猫ラーメン』は、最終話の「八十日間四畳半一周」のタイトルに引用された、ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』に出てくる話しが元ネタかもしれない。主人公がインドのボンベイで「ジブロット(兎の白ワイン煮込み)」を注文して食べたら、あまりの不味さに「この兎は殺されるときに、にゃあにゃあと鳴かなかったかね」と給仕頭に問いただす場面があります。こちらの味は、不味かったようですが。

    追記:古書店の『峨眉書房』は、李白の七言絶句『峨眉山月の歌』という詩から名付けたのかも知れない。ヒロインの明石さんの嫌いな「蛾」と峨眉山(中国四川省の仙人が住むと言われる山)の「峨」に絡めているのでしょう。明石さんは、古書が好きなので対象的ですね。あと、峨眉(蛾眉)の美人であったり、峨眉山の「眉」は眉唾物の意味で捉えると、本作がより味わい深い作品であるように思えてきました。

  • 「あの時こうしていれば」なんて、やり直したってどうせ大して変わり映えしない。無意義で不毛な学生生活も奇怪な友人も捨てたもんじゃないよ。

  • 読む人によっては本当に「神話」かもしれない。なんか、学生の同期に実はこんな人が紛れていたのかもしれないと思ってみたり。でもたぶん明石さんはいなかっただろうし、だからこそ神話なのかもしれないけど。果たしてこの主人公は長じたのちにどんな大人になるのか思いやられる。

  • 冴えない三回の大学生が様々な並行世界で繰り広げられる物語。

    どんな選択をしても大筋は同じやけど、小さな選択が大きく人生を変えることになることを教えてくれる作品。
    日常系の作品はあんまり好きじゃなかったけど最終話は伏線回収もあり、展開も気になりで面白かった。

    京都で聖地巡礼したいなぁ。

  • 以前読んだ森見登美彦さんの作品が、自分には読みづらくて中々読み進められなかったことから、森見登美彦さんの作品には苦手意識があったのですが、この作品はそんなこともなくスルスルと読めました。めちゃくちゃ面白かったです。終始阿呆なことしかしていないんだけど、それが癖になります。登場するキャラクター全員が愛らしいです。並行世界という話の構成も楽しかったです。

  • 何を見せられていたのだろうか、いや、何を読まされていたのだろうか。良い意味で、何なんだ?でした。
    京都の大学に通う男子学生の話だけど、全く憧れもしなければワクワクもしない。爽やかとは真逆の所にいて、意味不明で、とにかく、何やってるの!?の「私」の話。そして4章目でようやく話が動いていく。…何か深い。
    人生には本当にたくさんの選択する場面があって、その選択によって少しづつだけど世界が変わっていく。あの時ああしておけば…なんて100万回くらい思ったことがあると思う。だけど、私は私で、どんな選択をしても「私」は変わらない。選択も大切だけど、私がどうしたいかと、私がどうするか、が一番大切なのかもしれない。

  • 豊富な語彙力と文才を悪ふざけに全振りしたかのような作品。
    人間誰しもあの時ああしておけば良かったという後悔はあると思うが、何を選んでも悪友との無為な学生時代からは逃れられない主人公の悲哀が心に沁みる。
    自分好みの良作だった。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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