夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

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レビュー : 4083
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043878024

感想・レビュー・書評

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  • 2006年(平成18年)。
    堪能いたしました。古の都・京都を、かくもアヤしく甘酸っぱいスラップスティックコメディ的青春恋愛ファンタジーの舞台に仕立てあげてしまうとは。感服しました。往年の名作漫画に例えるならば、さしずめ「めぞん一刻」或いは「グリーンウッド」といったところでしょうか。ファンタジーであるのだからして、「そんな奴ぁいねぇよっ」的突っ込みは無粋と申せましょう。エセ近代文学めいた胡散臭い語り口も、また楽しからずや。願わくは、若き2人の未来に幸あらんことを。青春万歳。京都万歳。なむなむ!

  • いやぁ〜まんまとハマりました(笑)(^_^;)


    本当に愛しくて、
    胸がキュイ〜ンとする
    ザッツ・エンターテイメント小説です(o^-^o)



    同じ場所の同じ時間を、
    先輩目線で語られる
    ダメ男の妄想全開な視点と、

    黒髪の乙女からの
    純真無垢な視点と

    交互に語り手が変わる構成で
    魅力的な物語は
    サクサク進んでいきます。


    告白などできるハズのないアホウな先輩は
    外堀を埋めるため
    黒髪の乙女を終始追いかけるが
    その先々でトラブルに巻き込まれ、
    なかなかうまく会えない様や、

    そんなアホウの想いに気付かない故に
    ちぐはぐな、
    天然乙女との会話が
    また面白い(笑)


    まるで大正ロマンを思わせる
    ハイカラでノスタルジックで
    奇妙キテレツな世界観と、

    森見節炸裂の
    文語調の独特な文体と
    (ここは好き嫌いあるかなぁ〜)


    そして
    想像力を掻き立てる
    数限りない素敵な言葉に、

    終始映像が浮かんできて
    ドキドキワクワクしながら
    読み終わるのが勿体無いくらい
    幸福感に満ち満ちた作品です♪


    京都を舞台に
    実際の地名や
    四季を彩る風景描写が
    これでもかと風情豊かに描かれているので
    京都のはんなりした空気感が好きなら
    たまらないと思います。


    『諸君、異論があるか。
    あればことごとく却下だ!』

    『恥を知れ。しかるのち死ね!』

    『なむなむ!』

    『偽電気ブラン』

    『学園祭とは青春の押し売り叩き売り、
    いわば青春闇市なり!』

    『ハッピーエンドだ!!誰もが赤面することうけあいだ!!』

    『ビスコを食べれば良いのです!』


    など
    名言に迷言、
    印象的な言葉のオンパレードに
    思わず声に出して
    読みたくなってしまうこと間違いナシ(笑)(^O^)


    読んでいると自然とニヤケてしまうので
    外で読むには
    それなりの覚悟がいります(笑)♪


    さて、『先輩』の
    届かぬ想いは
    成就するのか?


    黒髪の乙女の可愛さと
    先輩の間抜けぶりに
    杏仁豆腐の味にも似た人生の妙味を
    とくと御賞味あれ〜(^_^)


    なお文庫版に収録された
    漫画家・羽海野チカによる
    イラスト入り解説は必見!


    高橋留美子の
    『めぞん一刻』
    『うる星やつら』の世界観や、

    『ハチクロ』の漫画が好きな人、

    そして大正や昭和ロマン、
    文学やお酒が好きなら
    必ずハマる作品です♪
    (個人的には
    羽海野チカ監修で
    アニメ化を希望!)

    • pantookomeさん
      円軌道の外さん

      はじめまして。pantookomeと申します。
      ご報告遅くなりましたがフォローさせていただきました。

      フォローとコメント...
      円軌道の外さん

      はじめまして。pantookomeと申します。
      ご報告遅くなりましたがフォローさせていただきました。

      フォローとコメントをありがとうございます。
      森見作品よいですよね!

      主人公がいつもネガでぐるぐると考えているのに、決して湿っぽくならずクスリと笑わせてしまうところが流石!と思います。

      円軌道の外さんが的確なことばで森見作品のよさを書いており、共感してしまいました。

      これからもレビューを読書等の参考にさせてください。
      よろしくお願いします。
      2013/01/03
    • 円軌道の外さん

      ご丁寧なコメントとフォロー
      感謝感激です(^O^)


      あっ、分かります!

      どちらかと言えば
      ネガティブな主人公ばか...

      ご丁寧なコメントとフォロー
      感謝感激です(^O^)


      あっ、分かります!

      どちらかと言えば
      ネガティブな主人公ばかりなのに、
      なぜか読後感は爽やかやし(笑)

      この作品も
      文語調の語り口はちょっとクセはあるけど、
      ファンタジーでいてロマンチックやし、
      妄想狂の先輩が笑えるし、
      ヒロインが無性に可愛いし、
      京都の町の雰囲気に浸れるし、
      ホンマハマる要素
      てんこ盛りですもんね(笑)


      アホアホな先輩は
      なんか自分を見るようで…

      どうにもこうにも
      痒くて痛かったけど(汗)(^_^;)



      こちらこそ
      末永くよろしくお願いします!

      2013/01/19
    • 円軌道の外さん


      iii76385さん、フォロー&沢山の花丸ありがとうございます!

      そしてそして
      こんなに熱いコメントまで頂けるなんて、
      ...


      iii76385さん、フォロー&沢山の花丸ありがとうございます!

      そしてそして
      こんなに熱いコメントまで頂けるなんて、
      感謝感激でございます(笑)(≧∇≦)


      レトロでエロティシズムが匂う
      中村佑介さんのイラストは
      自分も大好きなので、
      ああ~
      確かにそっちのアニメも
      見てみたいなぁ~っと
      激しく共感した次第です(笑)


      とっつきやすく可愛い
      羽海野さんの手によるアニメは
      夕方か朝の時間帯に放送して、

      中村佑介さんの
      官能的で
      大人なイラストでのアニメは
      深夜枠に流すという
      アニメ界発の試みもいいんじゃないでしょうか?(笑)


      良かったら自分も
      「Blue-中村佑介画集」に
      熱いレビューを書いてるので、
      また読んでみてくださいね(笑)


      これからも末永く
      ヨロシクお願いします!(^_^)v


      あとでフォローに伺います!


      2013/12/12
  • 「奇遇ですね」
    「たまたま通りかかったものだから」
    そんな外堀?から生まれる幸せな物語でした。

    「夜は短し歩けよ乙女」を図書館で借りようとして、2回ほど受け取りできなかった。2年ほど経ったかな。
    手にしたのは「有頂天家族」の次。
    なんというめぐり合わせなんでしょう。
    森見登美彦さんを連続して読んだからこそ、さらに楽しめた感いっぱいです。

    黒髪の乙女が、かわいい、かわいすぎます、幸せを振りまきすぎです。
    巻末にある羽海野チカさんの解説イラストがさらに魅力をまき散らしてます。

    先輩と黒髪の乙女が交互に語り部となって物語が進行し、李白さん(有頂天家族に出てますね)、樋口さん(天狗ですね、きっと)などおもしろ愉快な人達とともに京を舞台に、観るもの(わたし)を魅了していきました。

    最初から最後まで、黒髪の乙女が語り出すだけで気持ちが温かく、思わず笑みが溢れてしまう良き小説なり!

  • 名前はよく聞く作家さんで、作品名も「ああ、そのタイトルどこかで見たわ」という程度の認識。要するにベストセラーなのでしょうが、そういう浅い認識で手を出すと万人受けでも自分受けではなかったりして、うわぁと頭を抱える事になる。その典型がみなt…いや差し控えますが、そんな売れっ子作家さんとまた1人出会ってしまいました。

    …という感想を書こうと思っていたのですよね。読み始めた頃は。独特すぎる世界感になかなかなじめず、これ、途中で投げ出すかもと覚悟してました。

    ところが読み進むにつれあら不思議、グイグイ引き込まれるじゃありませんか。古本市ではクスクス笑いだし、学園祭では全力で応援に回り、最後は拍手喝采でした。いや面白かった。

    最初こそ文体にばかり目が行ってましたけど、要するにこれ、キャラクター造形が秀逸なんですよね。黒髪の乙女ちゃんの可愛らしさときたらたまんないし、先輩の外堀を埋め続ける姿も滑稽さから一周回ってシンパシーを感じてきました。

    舞台の京都に対する造形と愛情が深いのも、作品の色を深めているでしょうね。蛇足ですが自分の知り合いに先輩みたいなものの見方をする友人がおり、これで舞台が浜松ならば「むむむ、知らない所でアイツこんな面白い文書いてたのか!」と疑いたくなる所でした。

  • 最近はしんみりと考えさせられる本が多かったので、これは久々に・楽しい・面白い・奇想天外と読んでて笑いが込み上げてきて面白かったです。

    後で知ったのですが、こちらはコミックにも映画にもなってたんですね。いゃー見てみたいです。

    舞台はおそらく京都大学らしき所で、うら若き少女 「黒髪の乙女」 と、その乙女を射止めようとする本名不明の大学生 「先輩」 が、彼女の城の外堀を埋めようと必死にストーカー(もとい気を惹くw)為に痕跡を追うのです。そこで彼女に関わって起こる奇天烈な出来事や奇抜ではちゃめちゃな人達との出会いが、もう笑えて笑えてw

    お話は「先輩」と無邪気な 「黒髪の乙女」の恋物語を2人の視点から交互に描く展開ですが、小説から入った私としては頭の中で高橋留美子先生の『うる星やつら』や『めぞん一刻』の世界観を描きながら読んでいましたが、 映画のイントロムービーを見て『四畳半神話大系』の・・ああなるほどーって さらに興味をそそられました。

    小説中に出てくる偽電気ブランの李白さんや、天狗を自称する樋口さん、それに古本市の神様やパンツ総番長も見てみたいし、学園祭の(象の尻)や(偏屈王)にも興味をそそられ、これは映画も見るしかないなぁ。

  • 黒髪の乙女は言いました、

    「まるで空気のように軽い小さな猫をお腹にのせて、草原に寝転んでいるような気持ち…」

    なるほど、この読後感を表すなら言い得て妙!

    あったかくて清々しくてふわんと幸せな気分…

    再読ですが、十年前(?!)に読んだときの感動そのまま、色褪せることなく楽しめました〜

    あ!文庫版は、羽海野チカさんの黒髪の乙女イラストがあります。

  • 読み進めればますます昏迷に襲われるが、そこを乗り越えた時に気付く。 この不可思議がとてつ もなく巧知に描かれ、ノスタルジックな世界に深く誘われて行くではないか。李白翁にいたっては紛う方なき妖怪である。空中に浮遊する樋口、ジジ臭い語りで神出鬼没の少年ほか、いずれも李白翁に劣らぬ魑魅魍魎の一味なのだが、奔放極まる乙女の前では無力なり 。遅疑逡巡に浸りつつ彼女を追い求める先輩あり。お よそ結ばれないと想定した二人に施された結末に乾杯。 百鬼夜行の世界にすっかりはまった。実にオモチロイ

  • 何とも分類しがたい「奇怪な」小説(^ ^;

    別に妖怪変化が出てくる訳ではないが、
    奇妙な登場人物たちが繰り返す怪しい言動の数々(^ ^;
    「んな、アホな」と突っ込みたくなる荒唐無稽な話だが、
    変な細かいところがこれまた妙なリアリティで、
    何とも摩訶不思議な世界観を醸し出している。

    この世界観に、登場人物たちの
    妙に「大正浪漫」を感じさせる言動・発想・ダンディズムが
    絶妙にマッチして、不思議さに輪をかけている(^ ^;

    もちろん設定事態は現代なので、コンビニもメールも
    普通に出てくるのですが(^ ^;

    主人公の「先輩(かわいそうに最後まで名前を与えられない)」の
    あこがれの君である「黒髪の乙女(こちらも名前がないな)」への
    一途な想いと姑息な策略と逡巡と懊悩が微笑ましい(^ ^
    それにまったく気づかぬ黒髪の乙女の天然大物ぶりも良い(^ ^

    それでも、奇々怪々なる登場人物たちと交わり、
    夢と現を行き来しながら、寛恕の心境にも少しずつ変化が。
    ラストのほのぼのとした高揚感は、読むものを幸福へと誘う。

    「これは何だろう」と思っても最後まで説明されなかったり、
    一度も登場しないが大きな影響を及ぼす黒髪の乙女の姉とか、
    謎をナゾのままほったらかしているところもまた良い(^ ^

    この本の魅力を言葉で伝えるのは無理だ(^ ^;
    ただ「一読の価値はある」「絶対に損はさせん」
    とだけ伝えておく(^ ^;

    思わず一気読みしてしまった(^ ^

    • 夢で逢えたら...さん
      読後は何ともいえない多幸感がありますよね♪
      読後は何ともいえない多幸感がありますよね♪
      2014/01/17
  • 魔術的学生生活の始まり。
    それは『ハリー・ポッター』のような系統だった魔法ではなく、青春という名の若さによって生まれた魔法だった。憧れの黒髪の乙女を追いかける先輩と、そんな先輩の熱い視線並びに熱い思いに全く気が付くことなく天衣無縫に京都の町を駆け抜ける乙女のお話。これを読むと自分の学生生活を思い返すと共に、学生時代特有の「なんでもできそう感」を思い出してしまうよね。

  • 読書家の友人に勧められて読みました。

    言葉の使い方がとても上手いなと感じました。
    電車で読んでいてもにやりとしてしまいます。

    ストーリーも一度出てきた要素が思わぬところで再登場し物語を進めるなど意表をつかれることが多くとても楽しめます。

    軽い気持ちで楽しく読める本。

著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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