クローバー (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 804
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043885039

作品紹介・あらすじ

ワガママで女子力全開の華子と、その暴君な姉に振り回されて、人生優柔不断ぎみな理系男子の冬治。双子の大学生の前に現れたのはめげない手強い求愛者と、健気で微妙に挙動不審な才女!?でこぼこ4人が繰り広げる騒がしくも楽しい日々。ずっとこんな時を過ごしていたいけれど、やがて決断の日は訪れて…。モラトリアムと新しい旅立ちを、共感度120%に書き上げた、キュートでちょっぴり切ない青春恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫で再読。前読んだ時は双子の姉の方・華子と微妙な関係、熊野さんの物語だと思っていたけど、今日読んだら双子の弟の方・冬治の物語だったんだと…今頃気がついた。

    青春小説でもなく恋愛小説でもなく、モラトリアムとその終わりの物語…という風にとらえるのが一番しっくりするって書かれていたのも、なるほどーって思った。電車のシーンはじーん…ときてしまいました。(前も読んだけどこのシーンどうなるんだっけ…ってドキドキした)

    強烈なキャラ入るけど病んでいるキャラがいないから読みやすかった。(安心して読める…けど物足りなさはあるかも?)華子・冬治・藤森・雪村・熊野さん・史弥・金森さん・冬治の元カノ…などで織りなされるクローバー。ひりひりしていない島本作品は読みやすくっていいな~(ハラハラしないからホッとする)。だけど文章がなんか硬くって…読み返さないと意味が分からない部分があったりで、結局前回と同じ☆になりました。

    「冬治のキャラが苦手だ」と書かれていたけど、私もそうかも。…煮え切らないというか臆病すぎるというか…そういう面が読んでいてもやもやした。ひそかに藤森と史弥が気になる。「来訪者、いくつかの終わりと始まり」がいい。

    あと食べ物がどれも丁寧においしそうに描かれていて好感が持てる♪自分できちんとご飯を作らないと、おいしそうに表現出来ないだろう。エッセイでパスタ本一冊を極めた!と書かれていたのでカルボナーラが出てきた時はニヤッとしてしまった。

  • 油断した。ものすごくいい。

    でだ、どういいのかを書こうとしてハタとこまった。
    たとえば、これを誰かに進めるとして、どう説明すっかな。

    いや、まぁそんなに悩むもんじゃないと思うけど。。

    オビには「キュートで切ない青春恋愛小説」ってあるし「愛の一冊フェア」とかまである。勘弁とは思うけど、違うともいえない。

    双子の姉弟が実家を離れて一緒に暮らしつつ大学に通ってて、、ってそんな説明したって絶対面白いとは思ってもらえなさそう。

    とてもあっさりと描かれているので、清涼感はあって、仕事で疲れているときになんかはいいと思う。人間に好意的になれそうな気になる。

    ひとによっては、物足りないって感じるかもしれない。

    なんにしたって、饒舌過ぎないこの終わり方が素敵だ。

  • 人は誰と出逢うかで人生が大きく変わる。恩師、友人、恋人。人と人との小さな距離に笑ったり泣いたり怒ったり、そんな感情を素直にさらけ出せたのは、あの頃は好きな人をただ好きなだけで良かったのだと思います。だから大人になりきるのが怖くて躊躇って決められなかったのかもしれない。ずっと大好きは大好きのまま、楽しいは楽しいのままで居たかったから。あれから自分は何をどう間違ったのだろうか...そんな風に考え込む日々に、現在の私を好きだと想ってくれる人がいる、それだけが私の生き方を、生きて来た道を照らしてくれている気がした。

  • この4人の生活に素直に憧れる自分がいました。青春って高校まで、って思っていたけどこの人たち間違いなく青春している。
    冬冶くんの不器用さと華子ちゃんの奔放さの対比は眩しくて、冬冶くんの迷いに自分がモヤモヤしたり酸っぱくもなったけれど突き抜けるような爽やかさで読んでいて楽しかったです。
    自分の明日からに瑞々しさを与えてくれるような作品でした。

  • 姉弟の双子の話。

    若いなぁって思うけど
    それはそれで気分のいい読後感でした。

    ただ表紙が私は好みじゃない。。

  • ワガママで女子力前回の華子と、その暴君な姉に振り回されて、人生優柔不断ぎみな理系男子の双子の弟冬治。そんな二人と、めげない求婚者熊野と、挙動不審の才女雪村さんの四人で織りなすストーリー。


    四人での楽しい日々と、決断のとき。


    一千一秒の日々に続き、島本さんの青春ストーリーです。


    登場人物の言葉には、みんなそれぞれの思いがあって、どの人の言葉にも心が動かされました。


    冬治が雪村さんに対してかわいいと感じた場面がすごく印象に残っています。


    「来たかったところに連れてきてもらって、冬治さんも一緒で、そんなの楽しいに決まってるじゃないですか」


    こんなの笑顔で言われたら、たまんないよって男の人多いと思うけど、本当に好きな人だったら自然とこういう感情って湧き上がると思います。


    計算じゃなくて心からの言葉。


    登場人物全員がどこか面倒くさいけど、そこに人間らしさがにじみ出てて、読み終わった後も登場人物のその後が気になります。


    最後の冬治の選択について熊野と同じで納得のいかない読者もいるかもしれないけど、冬治らしくていいのかなと。


    すごく大人な人には物足りないのかもしれませんが、誰しもこういう時期ってあったと思うし、同世代の私にはすごくピッタリな作品でした。


    大学生にはオススメですね。嫌いな人いないと思う。こういう作品。

  • やっぱり島本理生さんの言葉選びが好きだなー。
    何気ない日常の書き方も恋をした時の言葉も。変に冬治の言葉にこっちが影響されてしまったり。
    モラトリアムのど真ん中にいるからこそ、すごく心を動かされた1冊でした。

  • 男女の双子、冬治と華子を取り巻く話。
    二人の性格が全然違うのが面白い。
    恋愛に対して積極的な姉と煮え切らない優しさを持つ弟。

    個人的には雪村さんが好きになれなかった。
    自分がしたいと思ってることを相手に伝えられずうじうじして、でもそれが相手に伝わってしまって、結局は自分の思い通りに物事が上手くいく。
    だったら最初から相手に伝えるか、隠し通すべきだと思う。

  • 主人公の一人である彼の自分の未来に対する言い知れない葛藤や、その片割れである彼女の男には分からないかもしれない複雑な気持ちなど、共感できるところが多々あった。
    自分も、未来の自分に対するビジョンが見えないが、この本にはそんな、同じ状況に悩んでいる人への小さなヒントが散りばめられていると思う。
    メインの四人以外の登場人物にも、それぞれに長所であり短所であるリアルな人間くさい部分があるのも、この本の魅力。

  • いいじゃんいいじゃん、理生さんもっと、こういうの書いたらいいよ! と熱く膝を叩いてしまうほど良かった。

    とにかくもう華子が人間くさくって、たまらなく愛おしい。
    華子と冬治は双子という設定なのだけれど、だからといってくどくど双子における数々の奇跡が散りばめられているわけでもなく、ただ不器用で厄介な二人がくっついているという感じの設定が、またいい。
    互いの弱さを、口には出さないけれど補い合っている姉弟という感じ。

    頭に来ることは多いのに、居心地がいい。
    居心地はよくとも、本能で、からだは誰かの元へいきたがる。
    いつかは離れてゆくものだと、でも血の繋がりは切れないではないかと、分かっているのに淋しく不安になる。

    そうした家族のもつ当たり前のようでいて、普段は目に映らないあれこれが、彼らの放つ言葉や仕草でよく描写されていて、恋に似てるんだけど、恋じゃない苦しさに胸がきゅんとなったりする。
    そんなふうに感じたころ、やっと双子という設定がきいてきて、なんだかもういても立ってもいられない気持ちになる。


    それから、最後の選択もいいなあ、と思うますた。
    恋におけるさまざまな困難にぶちあたったとき、それが一生を左右するほどのものだと、若いとなおさら考えられない。
    考えられないんだけど、そういうものに限って、本当に人生左右するから困る。
    私は理生さんと世代がまったく一緒なので、冬治の出した結論に妙に納得してしまった。ちょっと冬治と酒飲みに行きたい。

    恋愛だけにおさまらない、こんな双子の弟がいたら良かったなーと、つい羨んでしまう家族小説って感じだった。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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