心霊探偵八雲6 失意の果てに(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.11
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本棚登録 : 2436
レビュー : 137
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043887101

作品紹介・あらすじ

お堂で一心が刺された!?監視の目をかいくぐり犯人はどうやって事を成し遂げたのか?石井をはじめ、みなが疑心暗鬼になる中、八雲は拘置所で、殺人を告げた七瀬美雪と対峙する。一方、一心が収容された病院では、院内を少女の幽霊が彷徨っているという噂が!?絡み合う複数の出来事が、ひとつの点で結びついたとき、八雲と晴香は、深い悲しみと向き合い、大きな決断を迫られることに…シリーズ最大の悲劇、ここに完結。

感想・レビュー・書評

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  • 「でも、八雲君は何も言ってくれません」
    「それは、晴香ちゃんも言わないからでしょ」(90ページ)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「わたしは、拘置所に居ながらにして、一心を殺す」
    絶対的な悪意の塊である七瀬美雪は、拘置所の中でそう予告した。
    そしてその予告通り、一心はお堂で刺されてしまう。

    叔父である一心が倒れても、普段と変わらない様子の八雲に、晴香は“自分は頼りにされていない”という苛立ち、落胆してしまう。

    それぞれの事実と個々の思惑とが重なり合うとき、ひとつの真相が八雲の前に姿をあらわす…。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ヒロイン・晴香が初の表紙を飾った下巻!
    鈴木康士さんによって描かれた晴香の姿を見れて、嬉しかったです。
    それだけでなく、表紙をよく見ると、晴香の後ろには一心と奈緒の姿も!
    そして上巻の八雲と対になるようにデザインされていて、なんとも粋な演出です。
    (ちなみに上巻バックには、後藤刑事と石井刑事らしき影が!)

    七瀬美雪の予告通り、刺されてしまった一心。
    しかし八雲は普段と変わらない様子に見え、八雲が何を思っているのか、晴香にはまったく見えません。

    そんな悩みを、新聞記者の真琴にポロッともらした晴香は、真琴から思いがけない言葉をかけられます。

    「でも、八雲君は何も言ってくれません」
    「それは、晴香ちゃんも言わないからでしょ」(90ページ)

    八雲は何も言ってくれない。
    けれど、晴香も自分の思いを伝えていないことに、晴香はやっと気がつくのです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    本音をうち明けてほしい。
    自分を信用してほしい。
    そう願うことは多いです。

    でも案外見落としがちなのは、「自分の本音をまず、相手に伝えなければいけない」ということです。

    本音でぶつからない相手に、心を開くことはできない。
    ウザがられるかもしれない、傷つきたくはない、でもそう思って自分の思いを語らずにいたら、なにもしていないのと同じ、なのですね。

    晴香、気づけてよかったね。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    それにしても、真紅の両眼をもつ男は、なぜこんなことになっているのでしょう??
    八雲の推測する2~3年前に、男に何かがあったのだろうか?
    すごくすごく気になります。

    この先、きっとその謎も明かされると信じつつ…先へ進むことにします。

    さあ、7巻への道を急ぎましょう!

  • 何か大事な事をわからせてくれる話だった。

  • 本編も良かったがあとがきも良かった!

    一心は、八雲と晴香のクッション、緩衝材的な役割で癒し的な人物だったと思う。
    居なくなってしまって、今後はどーゆー展開になるのだろう?!

    今回はやっぱり後藤が良かった!
    石井の成長を喜んだり、奈緒や奥さんとの関係であったり。
    もちろん、なんだかんだで八雲の事を想ってる部分もジーンときた!

    次作も楽しみ!

  • 「人は死に向かって生きている」

    生きたい、もっと生きたかった、死にたくなかった。
    生き返って欲しい、死なせたくない、、、望みはただそれだけ、、。

    生への純粋な欲望が新たな死を生み、愛情はいつしか憎しみに変わる。
    歪んだ欲望と愛情に蝕まれた八雲の心はどうなってしまうのか…。


    今回、私にとっての一番の見所は、後藤夫妻でした。
    耳の不自由な幼い子供・奈緒を通して二人の絡まっていた愛情が
    ほどけていく瞬間が見えた気がしました。

    石井刑事を思う真琴も何気にいいです。

    八雲と奈緒の強い心に勇気づけられ、
    一心の愛情の深さに心が温かくなった第6弾。
    でも寂しい。すごく寂しい、というのが一番の感想です。

  • 単行本を既読だが、おまけストーリーが楽しみで必ず文庫も読んでいる。
    今回の『夜桜』は特にいい!
    何がいいかは是非ご自身で。

  • 一心さんの死は避けられたんじゃないかという気がしてならない。 半信半疑だったから判断が甘くなったっていうことなのかな。それにしてもなぁ。 トリックが脱出かって散々言ってたけど、第三者の可能性はもっと早く気づいてもいい気がするし。 一心さん好きだったから尚更この巻は評価が辛くなってしまう。

  • 結局上下巻を一日読了してしまった。
    。。。この先に、何か描きたいものがあってのこの結末だったんだろうなぁ、、、そうだとしても飲み込めないよぉぉぉ。久々しんどい。

  • やっぱりかッ!!
    一心さーん!!(ノ_・。)

    事件の真相当たってたやほい♪とか思ってたんだけど、物語の最後の件で吹っ飛んだよ。
    八雲さんのお父さんが亡くなっていたってコトも衝撃だったんだけど、今回はホントにもぅ、一心さんのコトで吹っ飛んださ(涙)。あぅー、哀しい。
    一心さんの選択も、八雲さんの選択も、とっても本人らしいとは思うのだけど、やっぱり哀しいよ。幸せになってほしかったんだもの、この家族には。八雲さんと奈緒ちゃん兄妹が一緒にいるといつも萌えるんだけど、今回はやっぱり背景が哀しすぎるので、萌えるやら泣けるやらでグチャグチャです。

    今回、何でも1人で抱え込んでしまう八雲さんに対して晴香ちゃんがキレた!!グッジョブ、晴香ちゃん!!とか思ってしまったわ。やっぱり八雲さん、晴香ちゃんに尻に敷かれるんだよ・・・。
    でも今回のコトや、今までのコトで少しは誰かに頼れるようになったのかしら、八雲さん。誰かに助けてもらえたり、癒してもらえたりするのはとっても必要なコトだよね。そうしてくれる人が周りにいるんだから、もっと甘えても良いと思うのだけど、なかなか経験上そう素直にできないのも八雲さんらしさなのだろうけど。もっとデレなよ!!と思います。
    だから今回最後の最後まで晴香ちゃんが八雲さんの傍にいたことがすごくうれしかった。八雲さんが泣いたシーンにはホント号泣でした。その泣いてる時に傍に晴香ちゃんがいたことがうれしかった。1人で泣かないで良かったと思った。

    前にもこういう事件の話があったけど、いくら自分の大切な人を助けたいからって、他人を犠牲にするってやり方は好きじゃない。そういう状況になった時に他人の気持ちを考えられないのは好きじゃない。それは自分がそういう状況になったことがないから言えるのかもしれないけど、でもそうはなりたくない。だから今回、八雲さんがガツンと言ってくれてスッキリしました。
    今は法律が改正されて昔よりも更に移植手術の数が増えてるんだよね。でも今ではそれすらも報道されなくなってきてる。移植を待ってる人がいる以上、必要なことだと分かるけど、やっぱり考えると難しくて複雑な心境にはなる。誰かの身体の一部として生きてもらえたら・・・と思っても、やっぱりそんなに割り切れないと思うし。かといって、移植を待ってる人のコトを考えると・・・うーん。でも、臓器提供をした人の遺族へのケアがあまりも無いなぁ・・・とは色んな報道を見ていて思います。だから、「身体は空っぽで、一人で持ち上げられるほど軽くなっていた。」という一文が胸にズシリときた。やっぱりどこか「身体」って「魂の器」だとか、どこか「入れ物」的に感じる部分があって。遺族の人はこういう気持ちを味わうんだなぁ・・・と思った。亡くなることだけでも哀しいのに、何か何もかも無くなった感じが。「空っぽ」って表現が何だか余計に哀しくなった。

    だから、文庫版のみに収録されてる書下ろしの「添付ファイル」があって良かったなって思いました。でないと読後哀しすぎてどよんとしそうでしたから。
    「添付ファイル」はもうキュン萌えしながら読んでました。八雲さんがちょっとデレてるよ、歩み寄ってるよ、晴香ちゃんに。これだからにゃんこはかわいいんです♥まだまだ完璧に心砕けてるとは言い難いのかも知れないけど、そこがにゃんこの魅力ですよ!簡単には靡きません!!←そんな八雲にゃんこさんがかわいすぎる。やっぱり私は根本的ににゃんこ好きだッ!!八雲さんと一心さんのコンタクトを晴香ちゃんにあげるシーン好きだ。

    そういえば。今回の事件で1つ謎だったんだけど、美雪さんの指紋が付いた凶器。アレは指紋を偽造して付けたってなってたけど、ナイフの握り方とかで指紋の付き方とか変わるから、そこまで偽造しなくちゃ本人が握って刺したかどうかって分かりそうなもんだと思ったのですが、どうなんだろ?昔、そんなトリックの話を読んだ気がするんですが。そこまで警察って調べないのかしら??
    なんにしても。泣きすぎてちょっと気持ち悪くなった・・・。

  • 記録用

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著者プロフィール

1974年山梨県生まれ。2003年に自費出版で『赤い隻眼』(文芸社)を発表し、話題となる。その後、2004年に『赤い隻眼』を改題した『心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている』(文芸社)で、本格デビュー。同作から始まる「八雲」シリーズが、若者を中心に圧倒的な支持を集める。他著作に『コンダクター』『確率捜査官御子柴岳人 密室のゲーム』(ともに角川書店)、「天命探偵 真田省吾」シリーズ(新潮社)、『イノセントブルー 記憶の旅人』(集英社)などがある。

「2021年 『怪盗探偵山猫 深紅の虎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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