夜市 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 642
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043892013

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    ゾクッと来るホラーとふわふわするミステリー感が独特な作品。面白いなぁ
    短い話なので、時間を空けてまた読もうと思う。

    夜市より風の古道の方が好みかな?
    どちらも読み終えた後、少し後を引きづる感がなんとも気持ちよくも寂しい感じがある。

    うん。良い買い物をしたなぁ〜

  • 何でも手に入るが、何かを手に入れなければ出ることができない「夜市」。
    幼い頃に迷い込んだ裕司は、時を経て、再び「夜市」に足を踏み入れる――――

    こういう話を読むと、まず考えてしまうのが「自分だったらどうするか」。
    お金は際限なくあるとして、三度しか訪れることのできない「夜市」で、私なら何を手に入れるだろう。
    永遠の命はちょっといいなぁと思うけれど、そんなたいそうな物を望むと代償が大きそうだし…
    無難に済ませたいなら、その辺の石ころを1万円でも購入する方が、いいのかもしれない。
    多少怖い思いをしてでも行ってみたいけれど、きっと、迷い込まずにいられるならそのままの方がいい、そんな空間なんだろう。

    余談だけれど、「夜市」と「風の古道」には、それぞれ色があるような気がする。
    前者は墨絵のような淡い墨色。後者は、茶けた緑――――ちょうど、落ちて日の経った笹の葉みたいな。
    話自体もとても面白いけれど、仄かな色彩が胸に残る、不思議な物語。

  • とても綺麗な文章だった。
    簡潔だけど情景が頭の中にどんどん浮かんできます。
    ホラー文庫ですが、全く怖くはありません。

    同時収録の「風の古道」の方が個人的には好きでした。

  • こういう本が読みたかった。満足。
    風の古道の方が好きかな。さらりとした文章なのが良かった。

  • ホラー強化月間中。
    「夜市」と「風の古道」という中編が収められた一冊です。
    森見登美彦の四畳半神話大系を怖くしたような感じ。

    ・夜市
    一行目から特に説明もなく突然不思議な世界が始まります。
    それほど親しくもなかった裕司から呼び出しを受け、唐突にこの世のものではない「夜市」という場所に連れ込まれた主人公のいずみ。
    いずみの目を通して読者の私もいつの間にか不思議な世界の良くわからない仕組みにのみ込まれている。
    説明は少ないんですけど十分です。
    ただおどろおどろしい世界を綴った話なのかと思いきや、そのルールを逆手に取ったミステリーのような要素もあり。
    夜市という不思議な世界によって、あの日兄弟は多分、決定的にこちらとあちらに引き裂かれたんだろうな…。


    ・風の古道
    こちらも、迷子という突然の出来事によって知らない世界に迷い込む。
    そこで出会ったレンという青年がとても魅力的でした。

    P174
    これは成長の物語ではない。
    何も終わりはしないし、変化も、克服もしない。
    道は交差し、分岐し続ける。一つを選べば他の風景を見ることは適わない。
    私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。
    私だけでない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。

    『道は交差し、分岐し続ける。一つを選べば他の風景を見ることは適わない。』
    これは「夜市」で永遠に別れてしまった兄弟と同じテーマかなと。
    それから、自ら危険に飛びこみたがったカズキはやっぱり帰らぬ人になってる点はホラーの王道踏まえてるなと思いました。

  • そんなに怖くない不思議系ホラーと聞いて読んだ。
    夜市と風の古道の2篇。後者の方が好き。
    夏休みの思い出のような郷愁を誘う透明感がある。
    神隠しとかお盆になったら死んだ人が帰ってくるとかいった日本に昔からあった身近にある恐さを思い出す。
    悲しくて切なくて印象に残る話だった。

  • 夜市
    学校蝙蝠、永久放浪者といった単語がこれといった説明もなく出てくるが、いつの間にかその不思議な世界観に引き込まれているのであまり気にならない。
    最後は切ない。

    風の古道
    すぐそばにあるのに気付かれない異界。色々なものが通る未舗装の道。
    古道で産まれた者、死んだ者は古道の所有物になる。それが永久放浪者。

  • 冒頭から、「学校蝙蝠」なるものが登場し。「ホラー大賞」なのに、いやに漫画的で、少々面食らった。
    ファンタジーは嫌いではないが、メルヘンチックなものは苦手だ。不安を感じながら読み始めたが、裕司たちが「夜市」に足を踏み入れた時には、私もいつの間にか、同じように「夜市」に心を奪われていた。

    ひんやりとした独特の雰囲気を感じる文章。
    あっという間に読めてしまうほどさらっとしているのに、軽くない。絶妙な「密度」をもっている。

    内容も、ありがちな西洋的(あるいは無国籍?の)洋風ダークファンタジーではなく、日本的な(日本であるとは言えない)世界観で、それもまたよかった。
    (適切かどうかはわからないが、漫画「HoLiC」の世界観と似ている気がした)
    この作者の作品は初めてだったが、もっと読みたいと思わされた。

    ☆-1の理由。
    「夜市」の結末が、え、ここで終わり?という終わり方だったからだ。
    これは作者のせいではなく、背表紙の紹介文のせいだと思う。「奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、…」とあったので、もっとドラマティックな終わり方を想像してしまったからだ。内容と合っていないように感じられた。

    それから、これも裏表紙の紹介文から収録作品が「夜市」だけだと思い込んでいた(ネット購入のため、目次がわからなかった)ためだ。「表題作」という一言があれば、と思う。(「風の古道」は、作品自体は私にとっては「夜市」以上に魅力的だった。)

    また、紹介文を読むと裕司が主人公であるかのように思えるが、実際には途中までいずみの一人称で話が進む。このあたりも引っかかった理由の一つだ。

    内容面ではなく些細なことだが、読者は作品に入る前に紹介文を読んでイメージをある程度形にするのだから、紹介文は適切でなければならないと思う。



    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-452.html

  • 5個じゃ足りない、そんな作品

    美しく儚くどこか恐ろしい独特の世界観に気づいたら飲み込まれていた
    いろんな人に読んでほしい
    読んだ後の満足感が心地よかった

  • 【せんと千尋の神隠し】のような世界観の中での厳しい現実的な物語!

    夜市には30万円ぐらい持って買い物に行きたいし、風の古道は一週間ぐらい旅行したいなと思いました。

    行ったことの無い場所ですが、勝手な望郷の念が心の底から湧き出してくる作品です。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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