夜市 (角川ホラー文庫)

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  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 4145
レビュー : 642
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043892013

感想・レビュー・書評

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  • 綺麗な文体と独特の世界観にぐいぐい惹き込まれて、気付くと夢中で読んでました。

    自然の摂理というかルールというか、そういうものの残酷さをまざまざと見せ付けられてぞっとした。
    だけど、読後感は切なく心がほんのり温まる。
    ホラー小説でこんな気分になるとは思ってませんでした。

    もっともっとって読みたくなる。
    この後すぐに別の作品も読み始めました。
    今や、怖いけど美しい恒川ワールドの虜です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「綺麗な文体と独特の世界観に」
      そんなにホラーっぽくないと聞いて購入。ジャケ買いしました。
      「綺麗な文体」と聞いて読むのが愉しみ!
      「綺麗な文体と独特の世界観に」
      そんなにホラーっぽくないと聞いて購入。ジャケ買いしました。
      「綺麗な文体」と聞いて読むのが愉しみ!
      2012/09/14
    • mameponさん
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます。
      表紙もキレイでホラーって感じがあまりないですよね。気に入ってもらえるかドキドキ!
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます。
      表紙もキレイでホラーって感じがあまりないですよね。気に入ってもらえるかドキドキ!
      2012/09/16
  • これはスゴイ。初期の森見登美彦作品からギャグ要素を取り去った感じというか、山尾悠子作品のSF要素を薄めた感じというか、グラビンスキ作品のシチュエーションを強めた感じというか…。やっぱこれに比するのはクライスト作品だろうか。「夜市」もスゴイが「風の古道」は更にスゴイ。

  • 56

    ホラーというよりは、ほんのり切なくて仄暗いファンタジー。グロくてこわい!とかじゃなくて、背筋を冷たいものが這うような、そんな怖さ。
    夜市は弟と引き換えにしてまで欲しかった才能も、
    年をとったり、誰かの一言で急にいらなくなってしまうものなんだなーとしみじみ。夜市も、一度行ったら忘れられるくらいならいいのに、3回までならまた来てオッケーでしかも開催されたらわかるっていう妙なやさしさ?が逆にすごく残酷。忘れさせてあげないんだ。。

    風の古道の方がわたしは好みだった。
    あの道ってもしかして、って思うところが数カ所あるな~。その道で死んだり生まれた人は、二度と外に出られないっていうのがぞわってきた。
    面白かった!

    20190730

  • 「夜市」、「風の古道」共に、切なくてほんのりゾワゾワするお話。
    風景の表現が美しく幻想的で、どことなく儚い印象を受けました。

    「夜市」も「風の古道」も、一度足を踏み入れれば永久に彷徨う事になるかもしれないという恐ろしい場所なのにもかかわらず、とても魅力的で行ってみたいとさえ思えてしまうのです。
    恒川光太郎さんは初読みでしたが、この純和風の世界観がとても好みだったので、また他のお話も読んでみたいです。

  • ホラーというか、ファンタジーか。
    現実の世界と隣り合わせにある異世界を舞台にした
    中編二編。
    妖怪達が様々な物を売る夜市で、弟と引き換えに野球の才能を手に入れた主人公の話。
    異世界に縦横無尽に張り巡らされた古道を舞台にした話。
    どちらも、ちょっと物悲しいお話。

    解説にもあったが、文体も良かった。

  • [夜市]
    三人称で綴られる文章は世辞にもこなれているとは言い難いものだ。
    人妖問わず誰をも受け入れる怪しげな夜市という魅力的な設定が、良く言えば簡素、悪く言えば物足りぬ文章によって綴られるため、片手落ちの感が否めない。
    主要人物のことごとくが人間であり、妖怪という要素が物語からやや剥離しているようにも見受けられる。
    しかしながら、弟と引き換えに手に入れた野球の才能とそれに翻弄される人生について主人公が述懐する場面では、その文章に光るものを感じた。
    老紳士である弟が、自らの人生を振り返る場面の苦心や煩悶の描写も良い。
    物語の構成としては主要人物からやや外れた、薄い印象の受けるいずみも、裕司との恋愛にまでは発展しない微妙な関係や裕司の真の目的に感付ける人間らしい賢しさがあり他と色褪せない。
    取り立てて面白いと感じたのは夜市で取引される品々だ。
    弟の代わりとして手に入れた野球の才能は、人としてトップクラスの物という訳ではなく、果ては付き合った女の卑しい驕りへと使われて裕司は絶望する。
    弟が自らの若さと引き換えに手に入れた自由は、人攫いの手から弟を開放したものの、両親の庇護からも弟を自由にし、彼は苦悩する。
    対して弟が、出会った少女のために手に入れた治療薬は少女の兄を救った。
    本当に必要な物というのは恐らく取引などでは満足に手に入らないものなのだろう。そう思わせる作品だった。

  • 夜市よりも風の古道が刺さった。
    古来より畏怖されてきた自然や見えないモノたちの表現が美しく洗練されており、ジブリの映画を観ているような気分になる。厳しい現実を突きつけてきたり、辛い現状を目の当たりにして逃げ出したくなる場面もあるけれど、それに立ち向かったり受け入れたりするキャラたちも読んでいて清々しい。旅をしたくなった。なにもない道をふらふらと。

  • 「夜市」と「風の古道」の二編。
    よかった。
    ホラー文庫だけど恐ろしくはない。
    怪しさと切なさ。畏れ。
    たとえば子供のころになんとなく神社の暗がりに感じたような、そんな気配が漂う。

  • 初見と思いきや、『金色の獣、彼方に向かう』の作者さんだった。風天孔。なるほど。

    表題作「夜市」と「風の古道」という短編で作られている一冊。
    化け物たちがあらゆるものを売買する「夜市」。
    裕司はかつて野球の才能と引き換えに売ってしまった弟を取り戻すために、再び夜市を訪れる。
    「思っていたエンディングとは違う」と紹介された通り、確かに展開はクルクル変わっていく。

    「風の古道」は、神秘的な力を持つ裏道を辿ってゆく少年たちのお話。なんか、森の隙間から入って抜けてゆく道って、トトロに繋がりそうなアレだな、という雰囲気がいい。
    また、そこで現実世界に戻る道筋の案内人を務めてくれるレンの役割も、ちゃんとこの世界観に溶け込んでいる。ただ、コモリが割と謎ホラー。
    人間でないものより、人間の方が実は怖いよね、ということなんだろうか。

    どちらの話にも、もっとエンディングを求めてしまう自分がいる。


  • 日本にはこんな脇道がきっとある。だから怖い。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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