秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043892037

感想・レビュー・書評

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  • 何かに囚われた人々の不思議な物語が三編。理不尽な厳しさや残酷さ、悲しさがある中にどこか優しさがある。
    『秋の牢獄』
    突然同じ11月7日を繰り返すことになった女子大生が、繰り返しの中で同じ境遇の人々と出会い、楽しみ、悩み、いずれ来る明日を望む。ループの謎解きや設定よりも主人公たちの心の動きに重点が置かれており、日々の大切さが心に沁みました。すごくよかったです。
    『神家没落』
    神の家に囚われた男性の話。開放されるには替わりの管理者が囚われる必要があるという昔からあるパターンの話ですが、独特の味に仕上げてきました。ちょっとした休暇のようなのんびりした雰囲気から急展開でひねってきました。囚われると考えるのか、そこに安らぎを得たと考えるのか。
    『幻は夜に成長する』
    幻を見せる不思議な力のために、教祖として教団に囚われ、人とは違う人生を送ることになる少女の半生。暗い記憶と信者から引き受けた地獄を糧に少女の心の中で怪物は成長し、最後には開放感を感じさせてくれる。

  • 夜市に引き続き2作目に
    読ませていただきました
    恒川さんの作品

    面白いですね
    ”秋の牢獄”はある意味
    深い意味合いを含んでいると思いました!

    個人的には神家没落が
    一番好きです。

  • 「異界を抜けた先に現れるのは、圧倒的な孤独と虚無」

    それぞれ違う秋の牢獄に囚われた人々の短編集。読み終わった後に、思わず唸ってしまうラストが3つも続くので、白旗を挙げて降参です。面白い!最近読んだホラーでは断トツ。 後味もしっかりと悪いので、そういった類が好きな方は是非。

  • 恒川光太郎さん、『夜市』に引き続き素晴らしい読後感を味わえた。

    表題作でもある《秋の牢獄》は初読ではいまいちスッキリしない(読者のご想像におまかせします、な)箇所があったが、続く《神家没落》と《幻は夜に成長する》を読んで納得した。

    登場人物たちは皆罪なき囚人であり、突然牢獄に放り込まれたことを嘆きながらも諦観している姿が印象的だった。
    彼らの周りには常に善意と悪意が同居していて、何一つ不自然なことはないのに空恐ろしさを感じてしまうのが恒川光太郎さんの世界であり魅力なのかもしれない。

    ブクログ登録後初の★5です。

  • 恒川光太郎連読み3作目。
    三編収録の短編集的一冊。
    三編とも、面白いし、相変わらず好きな世界観ではある。しかし、前、読了2作、『夜市』『南の子供が夜行くところ』と比較すると、ファンタジーさは控え目。
    その辺りの個人的好みで、前、読了2作より★1つ減。
    収録作では、「神家没落」が一番好き。
    表題作「秋の牢獄」は再読すると、評価変わりそぅな感じで、ちょっと、保留。
    「幻は夜に成長する」は細かい部分は好みだが、あまり目新しさ感じなかった。
    そして、坂木司の解説がけっこうシックリくる。再読時は解説読んでから、読むのも面白いかな?

  • やさしげな印象なのに表現されていることは残酷。
    まるで、古典の童話のようだ。
    短編が三作、すべて様々な牢獄に捕らわれている話。
    帯にも書いてあるように、小説の力を感じる。映像ではないのに目に見えるような描写がとてもきれい。
    リプレイヤーといわれる11月7日を繰り返す人々が集った噴水公園、一定の場所を周回する古民家をめぐる季節、少女が祖母と暮らす森の中。
    私は表題作「秋の牢獄」が好きだ。
    切ないのに清々しい。主人公はループする1日の向こう側に希望を抱いているのだろうか。
    仲間と集った1日は、決して無駄ではなかったと思いたい。

  • 時間という牢獄。
    空間という牢獄。
    そして自分自身という牢獄。

    それぞれの牢獄に閉じ込められてしまった人々の短編集。

    「神家没落」が好き。
    その消失の、喪失感が何とも言えず哀しい。寂寞。

    恒川光太郎の幻想世界は、厳格非情で時に残酷なのに、読み終わった後には優しさすら感じるのは何故だろう。

  • 様々な牢獄の話。牢獄が終結したもの、消失したもの、牢獄から誕生したもの
    恒川作品はやはりホラー色の強い幻想小説という感じがする。ただその世界の掟は厳格だ

    収録作品:『秋の牢獄』『神家没落』『幻は夜に成長する』

  • これはよかった。表題作は特定の一日を繰り返す状況に陥る女子大生の話だが、当然グリムウッドや北村薫の名作をすぐに思い出す。しかし、今作はきちんと別なテイストを持っていた。最後の一文はありがちなフレーズのはずなのにとても味わい深い。
    主人公が繰り返すのは11月7日の水曜日。自分なら・・・5月22日の水曜日を希望。晴れているとよいのだが。

  • 3話とも独特な雰囲気を持った作品。そこそこ楽しめました。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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