秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 163
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043892037

感想・レビュー・書評

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  • *十一月七日水曜日、秋のその一日を何度も繰り返している女子大生。神の領域にある「家」に住まう人間。魔訶不思議な力に人生を絡め取られた女ーまるで童話のようなモチーフ、透明感あふれる文体、物語る力の凄まじさ。圧倒的な多幸感と究極の絶望とを同時に描き出す、新鋭・恒川光太郎の珠玉の作品集*
    本当に不思議な物語の数々。今までに読んだことのない類の別世界観。酸いも甘いも知り尽くした、大人の童話。

  • 毎年11/7に再読を繰り返しています。
    11/7は私にとって秋の牢獄デー。
    7日が今年も穏やかに過ぎていき、無事8日を迎えたことを感謝しつつ。

  • どの短編も情景が鮮やかで素敵でした。
    秋になるたびに再読する習慣をつけようと思うくらい好きです。秋じゃなくても読みたくなりそう。
    ホラー的には『神家没落』が好き。

  • 夜市でも感じましたが、やはり読後感が素晴らしいです。もの悲しいような、ぼんやりとした余韻が後を引きます。突然の囚われ、そしてそこからの解放へと進んでいく三編の物語。中でも「幻は夜に成長する」が印象的。ある意味では三編中一番希望に満ちた解放だと思うのですが、一番救われなさを感じる解放でもありました。恒川さんはこういう風なのも描くのかとちょっと驚きました。正直たまらなく好きです。

  • ダ・ヴィンチのプラチナ本で紹介されてて、凄く気になったんだけどホラー文庫なので暫く躊躇してたんだよなあ。
    勇気を出して購入して、本当に良かった…
    『秋の牢獄』『神家没落』『幻は夜に成長する』全ての話が完璧で、甲乙つけ難い。牢獄(捕らわれる)という共通点があるけど、それぞれ全然違った魅力があり何度も読みたくなる。
    今となっては、あらすじも確認せずに発売日当日にハードで購入するのは恒川さんだけ、というくらい大好きな作家さん。

  • ホラーなのに何故かハラハラではなくワクワクしてしまう。ホラーなのにその世界に自分も行ってみたくなる。でもやっぱ怖い。これは面白い。凄く不思議な完成された空間。例えば主人公以外の登場人物の目線で語られても、それはそれで一つの不思議な物語が完成する感じ。季節に合わせて読んでみたけど、もう一つは春のお話だった。もう一つの話はゾクッとした。他の著書もめっちゃ気になる。

  • 恒川光太郎さん、『夜市』に引き続き素晴らしい読後感を味わえた。

    表題作でもある《秋の牢獄》は初読ではいまいちスッキリしない(読者のご想像におまかせします、な)箇所があったが、続く《神家没落》と《幻は夜に成長する》を読んで納得した。

    登場人物たちは皆罪なき囚人であり、突然牢獄に放り込まれたことを嘆きながらも諦観している姿が印象的だった。
    彼らの周りには常に善意と悪意が同居していて、何一つ不自然なことはないのに空恐ろしさを感じてしまうのが恒川光太郎さんの世界であり魅力なのかもしれない。

    ブクログ登録後初の★5です。

  • これはよかった。表題作は特定の一日を繰り返す状況に陥る女子大生の話だが、当然グリムウッドや北村薫の名作をすぐに思い出す。しかし、今作はきちんと別なテイストを持っていた。最後の一文はありがちなフレーズのはずなのにとても味わい深い。
    主人公が繰り返すのは11月7日の水曜日。自分なら・・・5月22日の水曜日を希望。晴れているとよいのだが。

  • “閉じ込められる”がテーマの3編。

    閉じ込められたときの絶望から、自由を手にした瞬間に人は何を思うか…
    それぞれに全然違う描き方をしていて面白かったです。

    私は表題作の秋の牢獄が、読後感も良くて好きだったけど、人によっては全然違う捉え方をするんだろうな。

    恒川さんの作品は、異世界への入り口がいつも日常のすぐ隣にあって怖い。
    読み終わったあとも、その名残に繋がるものがそこかしこにあっていつまでも後をひきます。

    でも本当に怖いのは人間。
    読み始めは、不思議な世界に紛れてしまう恐怖を描いてるのかと思ったのに、いつの間にか登場人物たちに恐怖してる。

    やめられないよ恒川ワールド。

  • 短編集。なんとも言えない綺麗な文体と、相変わらずのノスタルジックな世界観は今回も健在。
    表題作の『秋の牢獄』は同じ一日を繰り返すことになった女性の話。心理描写や登場人物の会話が淡々としているようで、でもどこかさわやかで好きです。

    『神家没落』は異世界に建つ家にとらわれてしまった男の話。恒川さんが描く異世界に巻き込まれた人の話はホントに傑作が多くこの作品もそうでした。家のアイディアが素晴らしくラストは人生論にもつながるようで少し切なかったです。

    『幻は夜に成長する』は魔力を持った女の子の半生が描かれこの本の中では一番ホラーっぽい作品。ラストがゾッとするのですがあどけない女の子が変わっていってしまった過程を考えると哀しかったです。

    三編とも甲乙付けがたい素晴らしい出来だったと思います!

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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