きみが見つける物語 十代のための新名作 切ない話編 (角川文庫)

制作 : 角川文庫編集部 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043894086

感想・レビュー・書評

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  • 「十代のための新名作」というフレーズが気恥ずかしくて
    レジではいつもおずおずと差し出していたこのシリーズ。
    数冊目ともなると、もう、「いいんだもん!おばさんだって読みたいんだから!」と
    開き直って堂々と会計できるようになりました。
    うん、これこそ成長! 人は幾つになっても成長できるのよ!
    と、自分で自分を励ます私。。。切ない。。。

    いつもながら、テーマに沿って作品をセレクトする、そのセンスが素敵。
    色あいもかたちも違う、さまざまな切なさが並べられています。

    加納朋子、山本幸久、小川洋子の3作は前に読んでいて
    しかもどれも好きな作品だったので、ほくほくしながら読んだけれど
    このアンソロジーの凄さは、「切なさ」の括りに、
    荻原浩の『お母さまのロシアのスープ』と志賀直哉の『小僧の神様』を
    どうだ!とばかりに入れてしまったこと。

    『お母様のロシアのスープ』での、人としての倫理をかなぐり捨ててでも
    我が子を守ろうとする母親の、狂気と紙一重の切なさ。

    『小僧の神様』では、鮨の一つも買えずに追い返された小僧を憐れんで
    気まぐれに腹いっぱい鮨を振舞ってしまった自分に
    なんともいえない居心地の悪さを感じる、裕福な男の切なさ。

    この2作が、他の作品の淡い切なさをぴりっと引き締めているのが素晴らしい。
    読書の入り口として、十代のこどもたちにももちろん読んでほしいけれど
    十代をはるかに超えた読み手にも、堪能してほしいアンソロジーです。

  • 一昨年~去年にかけて、このシリーズのうち5冊くらい読んで、知らない間にまた出ていたのか、と思い図書館で予約。

    切ない話というほど切なくないかな。
    ・川島誠「笑われたい」
    切ないというよりはケンジのうざさが痛い。
    そしてそれを冷静に見ているような語り手がさらに微妙。
    そんなに気になってたならなんかすればよかったのに。

    ・加納朋子「春の嵐」
    読んだことがあった。加納さんの本は全部読んでいるから。
    これは最終的には切なかったと思うんだけど、この本には途中までしか載ってないから、そこで切っちゃうと単に、良い親に恵まれず可哀想だと自分で思っているうざい子の話、みたいなことになってる;

    ・荻原浩「お母さまのロシアのスープ」
    これも切なくはない。
    どっちかというとグロ系?
    人肉スープ。

    ・山本幸久「閣下のお出まし」
    これは比較的切なかった。

    ・小川洋子「キリコさんの失敗」
    切ない・・・?んー、これもちょっと違うかな。

    ・志賀直哉「小僧の神様」
    これはよかった!
    有名な文豪ということで名前は知っていたのだけど読んだのははじめて。
    この人の本はまた読みたい。

  • 面白かったけど、これ切ないかな?というのが率直な感想です。
    10代向けのお話と銘打ってますが、「笑われたい」や「キリコさんの失敗」などはもう少し歳をとった後の回顧録として切なさが身に沁みそうな話だと思いました。
    後は、切なさというよりこの後のお話が気になってしまうようなものが多かったです。

  • 志賀直哉の「小僧の神様」が、一番「切ない」と感じた。

    いろんな作者さんのアンソロジー。好きな作家が多かったので一読しました。

    ・笑われたい/川島誠
    いつも道化役に徹する「ケンジ」。すごくわかります。
    ケンジは身体も弱いし、根性もないし、これといって取り柄が無いから、笑いに徹するしかなかったんじゃないかと。弱い者が生き残るすべだったんだと思う。私もそんな子だった。

    ・春の嵐/加納朋子
    「てるてるあした」の冒頭部分。昔読んだことある。
    切ないというより、照代の親がバカすぎて腹が立ってくる。
    結末を知っているので多少溜飲は下がるものの、この部分だけだと怒り心頭のまま終わってしまいますw

    ・お母さまのロシアのスープ/萩原浩
    切ないというより、猟奇的というか…。
    双子が何なのかについては中盤で見当がつきます。奇形とカニバリズムという、個人的に大好きな要素を詰め込んだ話でした。
    「押入れのちよ」に入っている話らしい。読んでみようと思います。

    ・閣下のお出まし/山本幸久
    男の子同士の友情と、ダメおやじ。
    ダメおやじは主人公の少年が大好きな特撮の中で悪役を演じていた。
    大丈夫。一人じゃないよ。

    ・キリコさんの失敗/小川洋子
    主人公にとっては自分を一番よく理解してくれて、困った時に一番の助けになってくれる魔法使いのような存在だったキリコさん。
    どうしようもないことで別れることになった彼女のために、主人公は物語を書く道を選んだ。

    ・小僧の神様/志賀直哉
    小僧(小間使いをするローティーンの少年)と、議員をしている男がある日出会い、議員は貧しくて寿司が食べられなかった小僧に匿名で寿司を奢る。
    小僧は名前も名乗らずお寿司でお腹を満たしてくれた議員を「神様かもしれない」と考える。
    志賀直哉は物語の最後で
    「小僧はこののち匿名の議員を探したが会えなかった、というラストは残酷すぎるので書かないことにする」と書いている。
    書かなかったということは会えたって思ってていいのかな。
    議員が小僧を想う気持ちと、名乗れないシャイさがとても良かった。
    お腹を満たしてくれて人を神様だと思う少年も、けなげでとても良い。
    冒頭で書いたけど、切ない話を集めたこのアンソロの中で、一番「切ない」と思った話です。

  • 10代でこれを切ないと感じるかな?

  • 6話の短編アンソロジー。『夏のこどもたち』笑われたい 川島誠/『てるてるあした』春の嵐 加納朋子/『押入れのちよ』お母さまのロシアのスープ 荻原浩/『はなうた日和』閣下のお出まし 山本幸久/『偶然の祝福』キリコさんの失敗 小川洋子/『城の崎にて』小僧の神様 志賀直哉。

    面白いと感じる作品はなかった。残念。このシリーズに共通する〇〇編というキーワードに対する疑問。はっきりいって今回も切ない作品はない。

  • 01YA
    作家が活躍した時代はまちまちでも、空気感が一緒なら楽しく読めそう。

  • 6人の作家のアンソロジー。
    最後に志賀直哉が入っているのは驚き。
    荻原浩の「お母さまのロシアのスープ。」
    前に読んでいるけど、一番印象に残りました。
    お母さまが守りたい双子の秘密。2人の、いえ3人の生活をどう維持しているか。切ない。
    小川洋子「キリコさんの失敗」もよかったです。
    子供にとって、素敵な大人の味方ですね。

  • 高校の図書館で。

  • 既読作品もありつつどれも面白かった。「切ない」かなあ?

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著者プロフィール

角川文庫編集部

「2008年 『きみが見つける物語 十代のための新名作 スクール編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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