きみが見つける物語 十代のための新名作 オトナの話編 (角川文庫)

制作 : 角川文庫編集部 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.20
  • (6)
  • (11)
  • (34)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 291
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043894093

作品紹介・あらすじ

笑って、泣いて、怒って、泣いて。恋をして、失恋をして。本を読んだり、たいせつな存在と出会ったり。さまざまな経験が、きみをやがて大人にするのです。大人になったきみの姿がきっとみつかる、がんばる大人の物語。いま読みたい名作を厳選、超豪華ラインアップでおくる、短編小説集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 例によって
    「十代からはるかに遠ざかってるけど、ごめんなさい!」
    とつぶやきつつ、また買ってしまったこのシリーズ。

    十代から見た「オトナ」ということで、
    やはり仕事を軸にした作品で纏められているのですが。。。

    最初の作品に、バリバリ仕事をしている大人ではなく
    雑誌の新鮮さを保つために、就任したときから覚悟を決め
    10年勤めた将棋雑誌の編集長の椅子を
    自ら降りた男性の物語『ケンジントンに捧げる花束』を
    持ってくるあたり、さすがのセンスです♪

    遠いイギリスで、亡くなる直前まで、唯一日本に繋がるものとして
    彼が作っていた雑誌を心待ちにしていた老人の足跡を辿ることで
    自ら期限を決めた10年が報われたと感謝し、老人の墓に捧げる花束。
    雨に煙るロンドンの風景と共に、
    静かで自信に満ちた「大人の男性像」が深く心に刻まれる作品です。

    この物語の後に、一転して、
    希望部署に配属されて張り切り、「がんばってる自分」を肯定しすぎて
    空回りしてしまう女性営業職を描いた『話を聞かせて』

    仕事をしながら通い始めた大学の二部で、謎の代筆屋によって
    否定し封じ込めてきた文学への愛情の根深さに気付かされ、
    まさに目からウロコの心境で、
    仕事と勉強に取り組むエネルギーを取り戻す『守護者』

    新人時代のキラキラした高揚感と、そこに初めて立ち塞がった
    ラグジュアリーなベンツ(?!)という形をとった試練を
    テンポよく楽しげに描いた『アシスタントというお仕事』

    シングルマザーという境遇に甘んじることなく
    仕事も子育ても妥協せずにやり遂げる!と意気込んでいた孝子が
    気遣ってくれる同僚達の配慮を素直に受け入れ
    肩の力を抜いてやわらかい視点でこれからを見つめ始める
    『ワーキング・マザー』

    と、性別、仕事、目標と、さまざまな角度から
    「オトナ」を感じさせてくれる作品が並べられていて
    十代も、( )十代も、楽しめる1冊になっています。
         ↑好きな数字を入れましょう♪

  • 未感想

  • 主人公が大人なのが小学生には共感難しいかもしれないが、どの話も良かった。
    「ケンジントンに捧げる花束」大崎善生
    将棋の編集長していた主人公が10年で辞めてイギリスのある人物の奥さんに会いに行く。家人との合意もうやむやでの渡航だったが、その日本人の生き様により、自分を見つめ直す
    「話を聞かせて」山本文緒
    営業で行く酒屋のオヤジとどうしても一人上手く行かない。前向きに頑張って壁を突き破る様。
    「守護神」森絵都
    働きながら夜学に通っている裕介。レポート間に合わず伝説の代筆家を探しに行くが、まずそこで噂がたくさんあって見つけるとこも面白いのと、レポートを頼むエピソードも盛り込みある。タイトルにもネタが一つ盛られてる。
    「アシスタントというお仕事」原田宗典
    変人有能者がたくさんいるようなデザイン系事務で働いてるハラダ青年の楽しい仕事模様。
    「ワーキング・マザー」奥田秀朗
    シングルマザーで小一息子いる孝子は営業に復帰、周りの気遣いを、感じながら問題にも立ち向かいながら、爽やかに頑張る様子。

  • 夜間大学に通うフリーター、新人営業マンとして頑張る女性、シングルマザーとして奮闘する母親、数十年働いた仕事を退いた男性、と様々な形の社会人が描かれます。全体のバランスが良いのでさらりと読了できました。
    個人的に一番面白かったのは「守護神」です(森絵都さんが好きという理由もありますが)。物々しいタイトルから重厚なお仕事小説なのかと思いきや、レポート代筆の神様と半ば生ける伝説のようになっている女性と彼女に一縷の望みを託そうとする男性のお話という少し変わったテイストでした。話の運び方も「そういうオチになるのか」と少し意外になりつつも読後感が爽やかでした。

  • 大人の世界の普通にありそうな仕事の話満載、

    仕事に生きる大人の世界、いいものです。

  • 学生の頃読んだらどう感じただろう。

  • 4年ぶりに再読したのですが、前回読んだ時に何とも思わなかった「ケンジントンに捧げる花束」で泣きました…。年をとると、また感じ方が変わるものだなと思いました。

  • 働く人を主人公に据えた短編集、全5編。
    書き下ろしではなく、各々の短編小説から抜粋した短編集。
    表紙に「十代のための新名作」とあるが、若い成人も楽しめる。

    -森絵都「守護神」 ※短編集「風に舞いあがるビニールシート」より再掲
    夜間大学に通っている青年。古典について力説する話。

    -原田宗典「アシスタントというお仕事」 ※エッセイ「新人だった!」より再掲
    アルバイト青年が、整理整頓の行き届いた部屋を更にピカピカに磨き上げる描写が微笑ましい。

    -山本文緒「話を聞かせて」 ※短編集「絶対泣かない」より再掲
    彼女の作品傾向は、精神的に不安定な女性が主人公に据える物語が多い。だけど、この作品の主人公は前向きなので、じめっとした話が苦手な方でも読みやすいだろう。

    個人的感想。山本文緒の作品だけ再読。
    山本文緒ファンで、10年前に2週めを読んだが、その時は、興味を抱けない作品だった。それなのに、今回は琴線に触れた。もしや読み手側の意識が変わったのだろうか。

  • 『きみが見つける物語』シリーズに新鮮な「オトナ」をテーマにした内容が集結した。この本には、悩める大人たちが それでも明日をがんばって 歩いて行こう──と、それぞれの主人公が、頑張るための糧を見出だしていることに感心できる。
    ◇大崎善生の『ケンジントンに捧げる花束』は、雑誌「将棋ファン」の編集長だった主人公が、あるイギリスで亡くなった日本人男性の墓参りに旅立つお話。現地にて。亡くなった夫の話をするイギリス人の妻。彼女の話を聞き終えたあとの、うまくいっていなかった彼女に対する想いが強まる主人公。この物語に登場した彼らは、愛の素晴らしさや 生きている上での楽しみや 喜びの大切さを 思い出させてくれたのだ。
    ◇山本文緒の『話を聞かせて』。これには驚いた。僅か16頁で、生きている内でとても重要なことを教えてくれた。営業を頑張る女性が主人公。自信はあるのに、とあるお店の親父だけ主人公を嫌った。彼氏に愚痴を零し励ましてもらい、やり方を変えてみた主人公。すると、思いがけないことになり……。僕が感動したことは、その後の主人公の今まで見えてなかった部分に気づいたことである。自分語りや愚痴は、誰でも零したくなるものだ。しかし、本当に大事なことは、ひとに「話を聞いてもらう」という以上に「その人の話を聞こうという気持ち」だったのだ。たったそれだけの気配りで、世界は一変するのだと思えた。
    ◇その他、名作が三部収録されている。森絵都の『守護神』では、多忙な社会人兼大学生である主人公が 秀才な社会人兼大学生の女性に悩みを打ち明ける物語。 原田宗典の『アシスタントというお仕事』は、この作品集の中でほっこりさせてくれる存在だ。 そして最後に奥田英朗の『ワーキング・マザー』は、仕事と子育ての両立を頑張るシングルマザーのお話。
    この小さな本は、僕たちが生きて行く中で大事で大きな糧となる存在(それは人であったり物であったり)が、必ず自分のすぐ近くにあるのだということを 教えてくれるのだ。

  • 高校の図書館で。

全35件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

角川文庫編集部

「2008年 『きみが見つける物語 十代のための新名作 スクール編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

きみが見つける物語 十代のための新名作 オトナの話編 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×