いつか、虹の向こうへ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 954
レビュー : 104
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043897018

作品紹介・あらすじ

尾木遼平、46歳、元刑事。職も家族も失った彼に残されたのは、3人の居候との奇妙な同居生活だけだ。家出中の少女と出会ったことがきっかけで、殺人事件に巻き込まれ……第25回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 行きずりの少女を成り行きで自宅に泊めたことをキッカケに始まる元刑事の奮闘劇。

    著者デビュー作ともあってか、読了済みの作品と比べて展開に盛り上がりを見出せず、物足りない読後感であった。

    しかしながら私は著者の言葉選び・比喩表現のセンスが好きなので、他の積読本に期待しよう。

  • これがデビュー作なんやな!
    凄い!
    この作者のは、スイスイ読める!
    ラストも辛くないのが多いので安心!
    とは言え、この作品も刑事から、刑務所入って、その日暮らししてる主人公が辛くないと言えるのか…
    その主人公に、更なる試練が!
    知り合ったばかりの女性が、殺人事件に!自身も巻き込まれ…というか、突っ込んでいく〜
    ボコボコにやられるし、ヤクザに雇われて、失敗したら☠️…
    最悪な状況やけど、元刑事の経験、繋がりなどを使って、女性、同居人を救おうとする。
    クライマックスのヤクザのボスとのやり取りは、凄い!面白い!
    まっ!自分なら、震えて何も出来んけどね(−_−;)
    まだまだ、伊岡さんのは積読してるので読むで(^-^)v

  • 続け様に伊岡瞬を読んでしまった。
    一言で言えば泣ける。こんなにも世の中は悪に満ちて、悲しみに溢れている。尾木も悲しい。

    主人公尾木遼平は家に三人もの、居候を置いている。そしてある日
    居候させるつもりのない早希が四人めに加わる。

    はじめに結論ありき
    そこから石渡、潤、恭子と
    4人目の
    早希、それぞれの話が
    でてくる。グイグイ読ませるし
    パズルが埋まっていく。
    まあ肋骨を殴られたり、怪我の治る時がない
    命まで失わないかとハラハラドキドキ。
    ハードボイルドなんだ!

    そこに尾木が世話になる花房弁護士の話
    本文よりー
    「私は他人の不幸を喜んだことはないと断言できる
    しかしあなたが困った状況に陥って
    私を頼らざる得なくなったことを
    そしてやっと借りていたものの一部が返せる時がおとづれたことを喜んでしまいました。
    こんな気持ちでなにが弁護士でしょうか。
    こんな浅ましさを許していただけるなら
    謝礼などいりません。誠心誠意、ことにあたらせていただきます。よろしいでしょうか?」ー
    どう良くない、滲みる。

    もう一つ「虹売りの話」ー絵本
    「あなたが一番悲しかったことの話を聞かせてください。」
    実は虹の種の材料は人の悲しみでできていた。話の中身が悲しいほど大きな虹ができる。
    この話もズドンときた。この絵本があるなら読んでみたい。
    本の趣旨も
    ここに集約されてる気がする。
    お互いがお互いを幸せにしょうとする。
    自然につながっているが無理やり感がない。
    みんなが、尾木も恭子も潤もみんな、幸せになることを祈りたい。悲しいことが一つでも減って欲しい。
    それほど登場人物がかわいそうだった。
    自分の星4.9なんて独断と偏見

    これが伊岡瞬初作品とは
    完成度の高さにびっくり。25回横溝正史賞だって!


  • 伊岡瞬4冊目。落ちぶれ、荒んだ元刑事・尾木遼平。彼の家には訳ありの若者が同居する。理由は尾木が放っておけないからである。同居人の早希(美人局)が殺人容疑で逮捕される。尾木のハードボイルドっぷりは新宿鮫・鮫島を超えるほどで、彼の優しさや同居人(家族)想いが、尾木への感情移入を容易にさせた。ヤクザ、刑事と対峙し、早希の無実を命がけで勝ち取る。その背景には同居人や刑事時代の彼と関わった者が助け、糸口を広げる。尾木とヤクザのボス(檜山)との対決にはシビレタ。彼は確実に「虹の種」を持っていて、純平に渡すだろう。

  • 面白かった
    ハードボイルド+ミステリー+ヒューマンドラマ
    第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞のW受賞作

    アルコール依存症気味の尾木遼平。
    かつては腕利きの刑事だったにもかかわらず、ある事件で刑務所へ。妻とも別れて、今は警備員。
    そして、尾木が住む家には、男女3人の同居人。

    そんな設定で、酒場で声をかけられた若い女、早希も同居することに。
    しかし、早希は実は美人局。
    その男に自宅で、ふるぼっこにされてしまいますが、そのあと、その男は陸橋から転落死。
    早希が逮捕されるも、暴力団から、真犯人を見つけるように強要されます。
    やくざのトラブルや警察内部のいざこざも含めて、ぼこぼこにされながらも尾木は徐々に真相にたどり着いていきます。
    その過程で明らかになっていく同居人たちの過去。
    そして、明らかになる真相
    という展開です。

    本書の中で語られる虹売りの絵本の物語。
    これが最後にささってきます。
    悲しい話を聞かせることでできる虹
    この話から本書のタイトルへの伏線にもなっています。

    これはお勧め

  • 伊岡さんの本はこれで2冊目。
    最初は「代償」で、この「いつか、虹の向こうへ」は「代償」より面白かった。
    刑事ものがあまり得意ではない私でも問題なく読めた。
    途中に出てくる虹のお話、とても好き。
    私の虹はどのくらいだろう。

  • なんとも言えない余韻を遺す
    ハードボイルド作品だ。

    やりきれない葛藤や過去を持つ男女の
    干渉しない共同生活。
    それぞれの小さな付箋で交わり絡まって
    事件の真相が暴かれてゆく。

    佐渡が描いた自作の絵本
    タイトルの いつか虹の向こうへ
    あまりに染みる

    酒に溺れ自堕落に暮らし自暴自棄な主人公も
    ちっとも情けなくなんかない
    優しさは強さだなぁ

    テンポの良い文体で読みやすく
    あっとゆうまに一気読みした。

    登場人物の過去の話を回想するたび、
    どんどん悲しみは積み重なるのに
    主人公にすべてを受け止める器があって。
    惚れてまうやろ!w
    男でもw 佐渡は多分惚れてるw



  • 『代償』を読んで心を折られ、かなり苦手意識を持っていた作家さん。

    一作で決めてしまうのも勿体ないのでデビュー作を。

    ダメだ。私には合わない。
    登場人物の誰一人として魅力を感じず、非常に残念。

  • アル中気味の主人公は、ある事件でムショ入りして警察を首になり妻にも去られて、出所後住んでる親から相続した持ち家も離婚慰謝料のために売りに出してる。
    警備員で糊口をしのぐ毎日だが居候が何故か3人。男2人に女1人。
    そこに新たに若い女の居候。
    そこから物語が動き出す。
    若い女はチンピラみたいなヒモが居てそいつから逃げていた。そのチンピラが跨線橋から突き落とされて女が逮捕される。チンピラは実はヤクザ組長の甥で、主人公は犯人捜しを強要される。

    ヤクザの組内のトラブルや対抗する組や警察内部の腐敗等もからまって窮地な主人公が一発逆転的な感じで最後に生き残る。まあそりゃお約束なんだけど。

    チンピラ突き落とした犯人は意外にも古株の居候女で、これはこれで悲しい悲惨な過去がある。

    物語の筋とは別に主人公に近い登場人物のワケありなエピソードが出てきて、それが物語に深みを与えている。物語自体は大したことは無いが読ませる手法と細かな記述に味を感じる。

    ま、そんな感じ。

  • 主人公と、その家に住む3人の居候の関係が、とても好きだった。
    お互いに辛い過去を持ち、一定の距離を保ちながらも寄り添って生きている感じが好きだった。
    家が売れるまでの疑似家族だったとはいえ、あんな形で終わってしまうとは・・・・。
    石渡とジュンペイは、その後どうなったのだろう。
    また4人揃って会える日が来ることを願ってしまう。

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著者プロフィール

伊岡瞬

一九六〇年、東京都生まれ。二〇〇五年に『いつか、虹の向こうへ』(「約束」を改題)で第二五回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞し、作家デビューした。代表作の『代償』四十万部を超える、『悪寒』は二十万部を超えるベストセラーとなった。近著に『不審者』がある。

「2020年 『冷たい檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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