- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043897025
作品紹介・あらすじ
プロ野球投手の倉沢は、試合中の死球事故が原因で現役を引退した。その後彼が始めた仕事「付き添い屋」には、奇妙な依頼客が次々と訪れて……情感豊かな筆致で綴り上げた、ハートウォーミング・ミステリ。
感想・レビュー・書評
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ライバル打者への死球がきっかけでプロ野球を引退した主人公が、第二の人生の苦悩と葛藤を描いたヒューマンドラマ。
敢えて寝かせていた伊岡瞬、そろそろ読んでみるかと積読棚から引っ張ってきた。著者作品は9作品目。
ずっとタイトルが気になっていたが調べずにいた。
そう言うことだったのかと納得。
途中までは、映像や登場人物の表情まで浮かんでくる伊岡節に酔いしれていたのだが、中盤あたりから、軽口ばかり叩く主人公の性格に難を感じはじめると、展開にまで違和感を感じはじめ、そのまま読了。
どうやら私の肌には合わない作品だったようだ。
久々の伊岡瞬に期待を膨らませ過ぎたのかもしれない。
まだ積読書は数冊ある。
好きな著者なので次に期待しよう。
こちらの今日の天気は曇り。
子供たちと公園に行ってボール遊びでもしよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編連作?と思いきや、これは、全体で一つの長編ストーリ。
ハードボイルドミステリとなっていますが、主人公倉沢の軽口に辟易します。かなり残念。
とはいうものの、この主人公の人を見る目がきれっきれ!なんじゃこのギャップ(笑)
元プロ野球選手ですよ(笑)
ピッチャーだった倉沢は試合中のバッター頭への死球事故で現役を引退。便利屋を始めます。
その仕事内容は「付き添いや」
息子のサッカーの試合に付き添ってほしいという依頼
フィリピンに帰る女性を成田まで送り届けてほしいという依頼
泊りがけで本棚を整理してほしいという依頼
などなど、変な依頼が舞い込みますが、その真相をズバリと読み取る倉沢の人の見方がすごい!
そして、それぞれの依頼を通して、倉沢の一人の人間としての再生の物語でもあります。
冒頭コメントしたとおり、ハードボイルド意識しすぎているのか、挫折した人物感を表そうとしているのか、孤独感を表そうとしているのか、その軽口にはうんざり。
しかし、最後の依頼(事故)を通して、倉沢は再生していくと思われます。そこが救いかな。
145グラムは公式球の重さでした。 -
うーん、あんまり好きではなかった。
登場人物に魅力を感じず、なかなか話に入り込めなかった。
タイトルは良い。 -
元プロ野球選手が死球事故が原因で引退し、便利屋を始め、付き添い屋の仕事を立ち上げる。
不可解な依頼のなかで物語が進んでいく。
ストーリーに少し抑揚が無く、読み進めるのに疲れを感じてしまった。 -
軽〜!なんちゅう…
ウェットに富んだ会話っていうんかな?屁理屈多いけど、嫌いではない。むしろ、好き!飄々としてて、実は!って人好きなんで、主人公には好感持てる。実際に隣りにおるとどうなるか知らんけど。
軽口叩く元プロ野球選手、今は、便利屋(兼探偵?)が、付き添い作業とかのトラブルの短編集。短編といっても、繋がってるんで、テレビドラマ風かな。
でも、人間性か、必要以上に首を突っ込む。それがええ方向に向かって行くんやろうけど、こら、商売には苦労するわ!助けてくれる人には困らん感じやけど。
話的には、それぞれのお仕事のエピソードが繋がって、ラスト!って、まぁまぁ面白かった!
重た〜いのを期待してるとあかんかな。
はじめに「代償」とか「痣」とか読んでると特に。
こんなのもええかな。
どひゃどひゃ♪───O(≧∇≦)O────♪
(文中では、ある人の大笑いを表現してるみたいやけど、笑ってるように思えんわ…) -
伊岡瞬著 145gの孤独
ぽろり涙 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ミステリー⭐️⭐️
1.物語のはじまり
プロ野球投手。
先発を務める、150キロ本格派投手。
危険球で、相手打者に致命傷をあたえ、
その後、内角攻めができずに引退。
第二の人生で、何でも屋を始める。
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2.何でも屋の依頼人
①毎週水曜日。子供の遊び相手を依頼するシングルマザー。
②終活で蔵書の整理をしようと思い立つ大学教授の独り身女性。
③認知した子供と、故郷の旅行に同行を、、、と依頼する社長。
プロ野球を辞めざるをえなかった主人公。
何でも屋の仕事に対して、情熱も気力もなし。
ただ、依頼された仕事は、プロとしてやりとげる責任感がある。
そんな主人公の特技は、相手方の気持ち、考えを推察できること。
依頼人の一人ひとりの人生に、自然と向き合うことになる。
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3.孤独
主人公は、独身である。親しき人もほぼいない。
そう、人間関係は、限定的である。
そう、孤独とも表現できる。
そんな彼が、引退後、145gの硬球を握り、ピッチングの練習を始める。
何のために、、、?。
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孤独は悪ではない。
その環境が、自身にどのような作用、反作用を起こすのか?
その認識が、次の未来をつくる。
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伊岡瞬さんの作品。
ミステリーが多いなかで、どろどろせず、穏やかに読める作品が、この「145gの孤独」である。
ラストシーンは、ぽろりときた。
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プロ野球で活躍していた倉沢 修介。
しかし、不幸な死球事故で相手のバッター共々不幸な人生に。
始めた仕事は、便利屋。その中でも、人に付き添う『付き添い屋』を始めることに。
しかし、奇妙な依頼の数々。
『息子のサッカー観戦に付き添って欲しい』
『フィリピンに帰る女性に成田空港まで付き添って欲しい』などなど
しかし、その依頼には、裏があった、、、
・第一章 帽子
・第二章 報酬
・第三章 記憶
・第四章 利腕
それぞれ味わいがある作品です。
登場人物の過去が明らかとなり、そして、かつての相手バッターの西野 真佐夫が、実は、、、
これは、驚きでした、なるほど。
最後、ボールが投げられない体となった倉沢。
しかし、何故か気持ちは晴れ晴れとしていた。
彼ら彼女らに幸あれと。 -
※
プロとして活躍していた野球選手が、
ある事故をきっかけに輝かしい舞台の上から
転がり落ちるように姿を消した。
そして、ずっとボールを追いかけてきた人生が
瞬く間に反転し、気づけば想像したこともない
便利屋という仕事を生業として細々と日銭を
稼いで暮らす主人公。
全てにおいてやる気もなく、ただ漫然と
生きるのに必要な最低限のエネルギーだけを
摂取して怠惰に生きる。
夢や希望の光を失った主人公に舞い込む、
『付き添い人』という新たなビジネス。
気が乗らないまま、紹介されて依頼に応じる
ごとに色のなかった生活に徐々に色彩が戻り、
聞こえなかった音が微に聞こえ始める。
どん底から少しずつ這い上がっていく、
一人の元プロ野球選手の再建の物語。
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ちょっとくすっと笑える部分もあったり、全体的に軽いタッチで読みやすかった。
元プロ野球選手で今は便利屋をやっている倉沢が、様々な案件の仕事をしながら色々な人助けをしていく。
人情味あふれていて、なんだかほっこりしながら読んだ。 -
これまで読んだ伊岡瞬の作品とは違いました。
また違う伊岡ワールドを見た気がします。
後半どんどん物語の世界に引きづり込まれて面白かったです!