空の中 (角川文庫)

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  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898015

感想・レビュー・書評

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  • 日本上空に確認された未確認飛行物体をめぐる話。未確認飛行物体と人間との意思疎通の過程がなかなか難儀で、あり得ないんだけどありそうで面白かった。子どもの間違いを正してやれるのが、年寄り(宮じい)ってところがいい。切なさを残した爽やかな読後感。

  • 自衛隊三部作二作目。
    「塩の街」よりはサクサク読めたし、
    こっちのほうが好きです。

    高己がすごく好き。
    話術や考え方など、こういう人って素敵です。
    どうしてこう、有川作品の男性は
    こんなに器がおっきくてかっこいいのでしょうか笑

    瞬たちの子供ながらの葛藤。
    宮じいの優しさと同じくらいの愛のある厳しさ。

    子供は自分を過信して、でも未熟だと遅くに気づく。
    だけどそれをみんな経験して大人になるのだと思います。

  • やっと読み終われた…長かった。なんと言うか、意外だった。『塩の街』とは違って、解決の仕方がほぼ話し合い。敵は未確認生物じゃなくて人間だった。すべて【白鯨】の知能が高かったからそうなった。人間の言葉を理解したり、多数決に同意したり、ほぼ人間に対する接し方ができる【白鯨】。最初にぶつかった時になんで人を襲わなかったのかとか、その破片はフェイクだけなのかとか、若干疑問はあるけど、作者の想像力と言うか、こんな生物がいたら世界はこうなるという想定がすごいなと思った。フェイクの大昔の記憶とか、漁の場面の描写がなんか知らないけど好き。作者は本当に女の人かと思うほど、客観的でも男目線でも書けることがすごい。と賞賛してみたけどもお話自体は私にとってそんなに波がなかったので星3。番外編の「仁淀の神様」は、なんだあれ…泣いてしまいそうになった。(20100527)

  • 本編を読んで、あとがきを読んで「ああ、しまった」と思った。
    元々文庫で買おうか、ハードカバーで買おうかはすごく悩んでいたのですが(価格の問題と、本の紙質の問題の間で揺れていた)最終的に持ち運びの問題で文庫にしたものの、本が届いた段階で既に「ハードカバーにしておけば良かった」と(爆)
    その後、あとがきにあった男前の編集さんが、この本のハードカバー化に掛けた心意気を読んで、それを知っていたら、迷わずハードカバーを買ったのに、という思いになりました。

    そして内容は文句なく面白かった。
    初期の作品ということで、読み始めはああ、やっぱり書き慣れた頃とは違うなーとか思ったりしたのですが、それが不遜な考えだったことには、割とすぐに気が付きました。
    やっぱり有川さん、すげえ!

    なるべくネタバレしない方向で書いて行こうと思っているので、内容は割愛しますが、なんつーか、いつも「この人の描く話は違う」と思って読んでいるのだけれど、今回ほどそれを如実を感じたことはありませんでした。
    何が、って言われると本当に困るのですが、現れた「白鯨」の存在に、というか、今までSFの舞台でさまざまな人間外生物が取りざたされていたにも関わらず、こういうタイプは初めてだ、と思うこと自体にビックリでした。
    それはページを捲るたびに慣れていく感覚ではあったけれど、それでも最初の頃に読んだ「違う」感じはずっと読んでいる間中続きました。
    発想が、というか根本的に話の組み立ての妙が違うのかな、という感じ。
    それは結構衝撃でした。

    そしてこの本を読んで思ったことはいろいろあるけれど、ひとつは何故こんなにも彼女の本の恋愛話は私を惹きつけるのか、という話になると、まずは恋愛は人生の一部なんだということ。
    いい意味でも悪い意味でも。
    人生はだいたいいろんなことがあるのが当たり前で、そんな中のひとつに恋愛がある。そういうニュアンスが8割方恋愛とは違ういろんな出来事の中で精一杯生きている人の、ホッと隙間に揺蕩っているようなゆるみの中に見える恋愛が極上!
    こういう人生を背負って、こう生きている彼(彼女)だからこそ、こういう相手に惹かれ、こうして思いを育んでいくんだというのが、恋愛の場面じゃない繋がりで響くように伝わってくる。
    その表現が有川さんは絶妙です。

    そしてどの本を読んでも、とにかく男性陣がカッコ良くてクラクラします。
    これってなんでだろうとずっと考えていたら、古き良き時代の少女漫画の登場人物のように、とにかく懐が深いのです。
    出来がいいとかそんなんじゃなくて、堪えるところはグッと堪えて、自分のするべき仕事をこなす大人。
    かといって完璧かというとそんなこともなく、それがまた人間的魅力につながっている。
    それこそ今から30年くらい前の少女漫画に、たまに出ていたタイプの男性像ですよ!
    そしてそういう男性にめっちゃ弱いんだなー、自分。

    それから女の子の方も、そんな彼が惹かれるのが何故か、というのが、説明でなくさりげないエピソードをつなげていくことで分かる。
    そういう演出も憎いです。

    でも今回はなんてったって、瞬と佳江が別れるエピソードにやられました。
    元々手を使ったシチュエーションは大好きですが、私を萌え殺すのかーっ!とつい叫んでしまいそうになるくらいツボでした。
    男の子って繊細だな……と心から思えますよ。
    「大人のライトノベルを読みたい」という一言に、ああそれで、といういろんなものがその一言に集約されているなという思いを抱きました。
    まさしく彼女の描くのは大人のライトノベルです。
    しかも相当上質の。
    出会えて本当に良かったと思います。

    そして最後の「仁淀川の神様」にはボロ泣きしました。
    有川さんにはこういうふうに思える相手がいたんだなーと思うと余計に。

    素敵な物語をありがとう、有川さん。
    勿体なくて他の本が大事にゆっくりしか読めないよ!

  • いつも専門用語の多さに圧倒される、作者の専門知識の深さが見て取れる。

  • 世界観に魅了され、実際に物語の舞台、高知県の仁淀川まで行ってしまった。

  • 有川さんは、女性の「キュン」ポイントをど真ん中に突いてくる。
    宮じいの言葉が、今現在の自分の生活態度にグサッと突き刺さる。

  • ずっと手元に置いておきたい大切な1冊。
    必ずまた読み返したくなる1冊。
    そんな本と出会えた喜びたるや…(感動中

    瞬くんの気持ちとフェイクの思いが痛いほど伝わってきて
    どれだけ泣いたらいいんだ、、てくらい泣いてしまいました。

    「望んでもいないことを運命への八つ当たりのように口走って、本当にそれが叶ってしまったら喜ぶのは義務だろうか。」

    この言葉が強く胸から離れません。
    この一文だけで泣いてしまいそうになる。

  • 塩の街に続く、自衛隊シリーズの二作目。

    今回は、よりSFらしさが増しているかな。

    高度二万メートル。
    それは飛行機に携わる者、全てが憧れる空。

    国内の最新鋭機が、その高さで散った。
    時をあまり置かずして、自衛隊の戦闘機もまた。

    原因は、不明。

    事故の調査が始まり、人々が遭遇したのは
    今まで出会ったことのない知的生命体だった…。

    基本的に悪いやつが出てこない。

    人間が異種生命体と心を通わせていく過程も
    人類滅亡の機器を回避していくのも、すごく
    理性的で、こころある判断をしながら
    勝ち取っていくから、読んでいて心地が良い。

    遭遇した生物も、私は愛着が湧きっぱなしだった。

    ネタバラシを極力控えたいので、正直細かいことが
    書けない。歯がゆい。でもそのくらい面白かった。

    読者がおおっと声を呑みながら
    次はどうなる!とページを捲るのが一番。

    恋物語も散りばめられていて、ああ、この場面
    アニメでみたい!と思ったところもしばしば。

    でも一番の読みどころは、諄々と語られる
    あるひとの言葉かもしれない。

    人間は間違う。確かに。
    取り返しの付かないことをする事もある。

    でも、その結果失敗して、何かを失っても
    そこからの人生まで失うわけじゃない。

    そこから、やり直して新しく始められる。
    痛くても、無様でも。

    間違ったからこそ…そこから。
    遅すぎることはない。

    大事な人には特に。

    それを改めて、いいなって思わせてくれたお話。

    それで帳消しにならない事は?
    いや、それは人生起こり得る。

    このお話の主人公たちが、
    かけがえない人を失くしているように。

    でも…そうだけど。私たちは耐える力を持っている。
    ありがたいことに。その原動力が自分を源にするか
    他の人を源にするかは措いて。

    その先にも、誰かがいて、自分がいる。
    それは時にしんどいけれど、いいものも
    連れてくる。

    何のことか分からないって?

    うん。それでいいのだ。
    あなたがこの本のページを閉じる時には

    ああ、ああいう意味か…(くすっ…)

    って、きっと思ってくださるから。

  • 図書館の新着図書コーナーにあったので借りてみたけど2004年のデビュー2作目だったんですね。思いの外がっつりSF。登場人物の良さも相まって一気読みでした。

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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