海の底 (角川文庫)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898022

感想・レビュー・書評

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  •  有川浩発、通称自衛隊三部作の中の完結作であり、大人ライトノベル第二弾という『海の底』は、『塩の街』や『空の中』とは作品の空気感が全く違い、ほっこりシーンの少ない緊迫したパニックもの、という印象。
    そして巨大人食いザリガニ襲来、というリアルにはありえなさそうな設定以外は全て、とてもリアルに思えた。

     横須賀に住む身としては、描かれる場所の全てがほぼリアルに想像できるし、そこに作中の惨劇をプラスしていくと、もう怖ろしくて、小説の中に入り込みすぎて疲れたくらい。初っ端の、艦長の殉職という衝撃的な出来事は、夏木や冬原だけではなく、読み手にもかなりショッキングなシーンであり、その衝撃を引きずったまま緊迫した世界に引き込まれていくことになる。
    「掴み」は完璧。そして、途中で私も「何故、最初から出さないッ!」と叫びそうになった。

     滅茶苦茶な状況に立ち向かう人々がまたそれぞれに魅力的で、有川さんはキャラの作りこみが本当に上手いなぁ、と思う。平時では異端視される、ちょっとクセのあるキャラが大活躍するところには、何とも言えない爽快感がー。生意気でどこまでも子供っぽい問題児の落としどころも、ニクい展開。

     その後の夏木と冬原の恋愛模様が『クジラの彼』で楽しめるのだけれど、私は我慢できずに先に好物のラブコメパートを読んでしまっていたので、夏木と望のなれ初めとか、冬原のキャラ等を後追いで知る形になってしまい・・・でも、緊迫感のある本編からのラブコメ、が順番としてはやっぱりいいように思えた。なので、もう一度『クジラの彼』を読み返そうと思う。

     『海の底』は、海上自衛隊の隊員がメインのお話。自衛隊三部作の中でも、とりわけストーリーは硬派な感じがするのだけれど、陸・海・空、それぞれの自衛隊のイメージを思い浮かべた時に、伝統墨守、昔気質的な海自のイメージに、硬質な空気が漂う本作はとてもマッチしている気がする。

  • 捕食されるシーンはイタタタすぎて目をぎゅっと閉じてしまう場面も多かった。
    夏木と冬原はレガリス退治に活躍すると思っていたのだが、潜水艦に閉じこもって子守?をしているだけなのに、読み応えがあった。いいキャラクターだ。
    レガリス退治に奔走する明石と烏丸もいいコンビ。
    「忘れてください」が伏線になっていて爽やかな結末だった。

  • 巨大エビなんてシュールな設定だけど、警察や自衛隊の側をビシッと書かれるとなんとなく現実味を帯びてくるから不思議な感じがした。
    甘さも程よくて、楽しく読めた。
    2014/5/22

  • やっぱり良いな、有川浩。
    登場人物がまるで目の前にいるようにすごくイキイキしている。

    夏木と冬原、明石と烏丸。
    人間的にクセがありながらも魅力的な彼らのかっこよさったらないね。
    なんていうか、“分かっている”者同士の阿吽の呼吸や、駆け引きや掛け合いがすごく良かった。

    本作品は架空の進化生物が出てきて、基本的には全編フィクションなんだけど、
    その圧倒的リアリティ溢れた筆致は、冒頭からときどき鳥肌が立つほど。
    解説にもあるように、『図書館戦争』シリーズに通じる社会的なメッセージ性も読み取れてとても良い。


    しっかし圭介の野郎(あえて野郎と言わせて欲しい!)にはホントに戦慄かされた。
    最終的には彼も彼なりの成長を遂げてくれ、一応の溜飲は下がったものの、
    途中、「こいつ!やってられるか!」と、思わず本を投げ飛ばしたくなった(笑)。

  • 自衛隊三部作の海上自衛隊編。
    人を襲う巨大な甲殻類から逃げて海上自衛隊の潜水艦で籠城した子供たちと、彼らと共に過ごすことになったふたりの若い自衛隊員の密室での生活が、あぁー子供がたくさんいたらこんなこと起きるんだろうなぁ、というほほえましさと腹立たしさがとてもリアルに描かれていた。夏木と冬原の名コンビは、さすが艦長が見込んだだけのことはあって問題児でありながら危機的状況では素晴らしい対応を見せ、とても魅力的。
    密室での(しかも子供をたくさん含んだ)人間模様の描き方がとても素晴らしかったのだけれど、なにせ人をも食べてしまう巨大エビ?ザリガニ?の描写がグロテスクでしばらく食事ができなかったので、その分だけ星をひとつ減らしてみました。ラストシーンはとても好き。

  • 面白い。

    順番は前後したけど,「塩の街」読むかぁ~♪

  • 自衛隊三部作のひとつ。
    潜水艦「きりしお」や横須賀が巨大生命体に襲われる。だが、矢面に立たされるのは、武器を持たない機動隊だった――。そして、潜水艦の中には十数名の子供と二人の自衛官が残されていた。
    6日程度の出来事。地上では機動隊と巨大甲殻類との争い、潜水艦の中では、地上の狭い団地での諍いを持ち込んでの争い――。
    日本でいつも決まらないものが決まっていく嬉しさ、そして子供たちの成長していく過程がもどかしくも頼もしい。
    夏木冬原のコンビなどは有川浩の図書館戦争にも引き継がれる熱血漢とcoolなコンビとなっていて掛け合いが楽しい。

  • これも何度読んでるかわからない

    潜水艦、現場、司令塔?の3箇所に分かれて話が進んでいるけど、どこにいる人たちも魅力的(^◇^)
    やはり潜水艦の中が一番ドキドキするのだけど、たった一週間弱の中で子供たちの成長や、気待ちの変化が見逃せない。夏木さんは本当にいいキャラしてる!

    あと個人的に好きな場面は、レガリオスから呼吸器が入ったハンドバッグを取り返して帰ってきた場面。人々の優しさが感じられると思います。


    海の底を読んだ人は必ず、『鯨の彼』とその中に入っている『有能な彼女』を合わせて読んで欲しい!

  • 時系列にそって政治、警察、自衛隊、艦内などから視点を変えて書かれていた。一つのあり得ない出来事が起こるとどうなるだろうか。というのが他の事をすごく現実的にリアルに描かれていて、ファンタジーが読めない自分でも楽しめた。最後のまとめかたがやっぱりうまくて読みやすかった。
    自衛隊三部作制覇!

  • パニックが苦手なため、一気に読んでしまいました。
    甲殻類こわい。

    前半を越えれば各キャラクターに焦点を当てたストーリー展開で落ち着いて読めました。それでも私は残念ながら「甲殻類こわい」という印象が強く残ってしまいました。

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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