クジラの彼 (角川文庫 あ 48-4)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898046

作品紹介・あらすじ

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる…。表題作はじめ、『空の中』『海の底』の番外編も収録した、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。有川浩がおくる制服ラブコメシリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 自衛官の恋愛を描いた短編集。

    標題作の"クジラの彼"はよかった。
    自衛官(潜水艦乗りだけ?)と付き合うと、いつ出航し、いつ帰ってくるかすら教えてもらえない機密事項らしい。何ヵ月も会えなくても、メールすら入らないエリアにいたらメールすら数ヵ月ぶりということもあるらしい。
    やきもきはしても他の人に揺らぐことなく、相手を信じて待てる人でなければ、自衛官とは付き合えないんだなと、改めて自衛官やその家族をリスペクトしたくなった。

    また、軍用機のトイレはコンパートメントになっていない(カーテンで仕切られているだけ)とか、基地の中でトイレの通路を人が普通の通路として通り抜ける(これは物語のなかだけの設定かも?)とか、自衛隊の独特な世界を知って参考にはなったが、同時に、そういう常識的には受け入れがたいことをおかしいと思わない(慣れにより思わなくなってしまう)感覚が、内部でセクハラ、パワハラを横行させるような自衛隊の体質を生むことに繋がっているのでは、と思わずにはいられない。

  •  『〝クジラ〟強調月間始めました!』2

     第2回は、有川浩さんの『クジラの彼』です。
     2007年の作品で、陸海空自衛官に関わる6つの恋愛短編集です。「制服ラブコメシリーズ」第一弾で、番外編として「自衛隊三部作」の『海の底』から2編、『空の中』から1編入っているとのこと…。
     「いやぁ、やっぱり有川さんは昔から有川さんですねぇ(?)」「キュンですぅ。萌えますぅ」「ハイ、妄想いただきましたぁ」と、多くの声が聞こえてきそうです。
     潜水艦をクジラと喩えた「クジラの彼」だけでも十分に楽しめましたが、6篇全ての設定が絶妙で、良質な独立した短編です。
     文字通り、恋愛の中にコメディー要素があり、胸キュンと愉快さが有川さんらしいのですが、単なる甘ったるいラブコメではなく、自衛官の仕事の厳しさ、そこで働く方々の覚悟・矜持(カッコいいんだなぁ、これが)なども取り込み、物語に深みを与えてくれています。
     明日への希望と浪漫を与えてくれる、万人へおすすめできる一冊です。

    • おびのりさん
      こんばんは、おびのりです。
      いつも、いいね、ありがとうございます。
      私も、最近のクジラブーム気になっていました。先を越された感じです。先日、...
      こんばんは、おびのりです。
      いつも、いいね、ありがとうございます。
      私も、最近のクジラブーム気になっていました。先を越された感じです。先日、一頭読みましたし。
      いつも、素敵なレビューを書かれていて、本がお好きなんだなと。
      また、本棚参考にさせて頂きます。
      2022/10/27
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      おびのりさん こんばんは!
      コメントありがとうございます。
       独断のクジラ強化月間も、徹底追究する気はなく、ゆる〜い感じで進めたいと思ってい...
      おびのりさん こんばんは!
      コメントありがとうございます。
       独断のクジラ強化月間も、徹底追究する気はなく、ゆる〜い感じで進めたいと思っています。
       なにせ、くじらと言っても、学術書や絵本、作家さんのお名前に入っていたりと、キリがない状況になるのが目に見えているので…。
       ああ、また別の読みたい本が溜まります。
      自分で自分の首を絞めているようですが、自ら楽しんでできたら、と思っています。
       今後ともよろしくお願いします。
      2022/10/27
  • 表題作「クジラの彼」を含む全6篇の短篇
    私達の知りえない自衛隊の仕事や恋愛の話がわかりやすく描かれている
    自衛隊という厳しい職業でありながら女性というギャップ、男勝りな性格だけど恋愛に関しては一途で女性らしい面を持ち合わせていたり
    そんな甘い恋愛物語

  • 久しぶりの有川浩作品。かなり甘い甘いラブコメ。
    でも自衛官が主人公なので抵抗なく読めました。
    実写ドラマ化すると誰がいいかなって想像しながら読んでしまいます。なぜなら、かなりイケてる登場人物が多過ぎるから。

  • 自衛隊の恋模様を描いた本作。出てくる登場人物がみな強くある中、ホロッと弱さを見せる感じが何とも言えない感情にさせる。女性目線でのラブコメだったが、恋愛要素だけの切り口でなかったからか最後まで楽しく読めた。
    本作がスピンオフだったなんて知らず。後出しになるけど、前作も読んで見ようかな。

  • 自衛隊ラブコメ短編集。

    空の中、海の底 関連の作品も。
    有川氏らしい作品。

  • 表題にもある潜水艦乗りとの恋愛を描いた「クジラの彼」をはじめとする恋愛短編小説です。
    おじさんが読んでもこんな恋愛いいなぁと思う素敵なお話が満載です。オススメ!

  • 有川浩ならではの自衛隊もののラブコメ短編集。
    プロ意識と切ない思いがせめぎ合う展開~甘い満足感にひたれます。

    「クジラの彼」
    「海の底」の番外編。冬原の彼女の視点で、潜水艦乗りの恋人になるとめったにメールすら来ないという付き合い。
    時には辛くなるけど‥?

    「ロールアウト」
    航空設計士の女性が自衛隊機を見ての困惑と努力。
    経費節減のためトイレの場所をどう作るか?そんな悩みから出合うこともあるのです。

    「国防レンアイ」
    陸上自衛隊の女性隊員はなかなか恋愛に恵まれない。
    自衛隊仲間とは転勤で終わり、民間の男性には偏見を持たれ‥
    いや身近に良い男がいるんですよ。

    「有能な彼女」
    「海の底』の番外編。夏木の場合は?

    「脱柵エレジー」
    自衛隊では隊員が脱走することを脱柵と呼ぶんですね。恋人にせがまれて、自らも経験した人物が、新人を指導する立場に。

    「ファイターパイロットの君」
    「空の中」の番外編。
    パイロットの女性が結婚したが、その生活は‥?

    取材を生かして専門的な問題をさまざま取り入れた展開。
    男前な彼女達とがっつり組むお似合いの男達。
    持って行き方が上手いです☆

  • 【注意】この1冊は、自衛隊シリーズ3冊を読んだ後にお読み下さい。
    お互い、相手を大事に思うが故に擦れ違い揺れ動く心。
    でも、それを有川浩さんの絶妙な描写で、見事にハッピーエンドに導く。そんなラブストーリーが6編。
    それにしても、なかなかどぎつい表現が随所にあるよねぇ。
    『(自衛隊では)ぶっちゃけ穴さえ開いてりゃ女神である』
    とか。でも、話の流れで、極めて自然なんだよね。

  • 一回、図書館で借りで読んでみました。
    その時は、単行本でしたが…。

    そして、表紙がとても綺麗なことが印象的で文庫本を買いました。

    クジラの彼も凄く好きですが、ロールアウト!が好きですね。
    内容が、トイレについての話だったので初めは驚きましたが読み返すにつれて「なるほど・・・」と考えさせられる点がいくつかありました。

    クジラの彼は、≪海の底≫の続きで、有能な彼女も海の底の夏木さんと望ちゃんの後の話です。
    そして、ファイターパイロットの君。この為に、買ったようなものです。
    親となった、≪空の中≫の高巳さんと光稀のその後ですね。

    先に、≪空の中≫ ≪海の底≫を読むことをお勧めします。


    単行本と文庫本の表紙が少し違って素敵だなあ・・・、と思いました。

  • こんなに一気読みしたのは久しぶりかもしれない。
    特に表題作の「クジラの彼」で冬原のかっこよさに痺れた。
    さすが有川先生。
    きゅんきゅんが止まりません。

    • 青格子さん
      『植物図鑑』もベタな恋愛ものなのに、何度も読み返す本。まだ未読ならオススメ。
      『植物図鑑』もベタな恋愛ものなのに、何度も読み返す本。まだ未読ならオススメ。
      2023/01/26
  •  「いい年した大人がベタ甘ラブロマ好きで何が悪い!」とは、俺の事?と思ったら、有川さんの言葉でした。
    まったくもって、有川さんには参る。恋愛物なんぞ、今さら読んでも・・・と思ってたオジサンの気持ちをあっり覆した自衛隊3部作や、図書館戦争シリーズ。俺、ベタ甘に飢えてんのか?(ココは突っ込まず、スルーして)
     自分の風体から、「有川さんのベタ甘、好きなんだよね」とは間違っても会社では言えませんが・・・

    国防ラブコメの短編集です。
    自衛隊3部作「空の中」のその後、
    高巳と光稀がどうなったのか!を描いた1編、「ファイターパイロットの君」

    同じく「海の底」のその後、
    夏木と望は?を描いた「有能な彼女」
    えっ、じゃあ冬原は?を描いた「クジラの彼」
    が収録されています。

    他3編も、どれも長編にして欲しいと思える国防ラブコメ短編です。
    「ロールアウト」とか、
    「国防レンアイ」とか、
    「脱柵エレジー」とか、
    特にいいですね。(全部だべ!)


    国防と言う「堅く厳しい環境」と恋愛の「緩く曖昧な感覚」のさじ加減が絶妙なんでしょうね。
    期待通りのおもしろさでした。
    (と感じていたら、文庫版の解説で同じような事が書かれていました。同じ感覚だったので、かなり嬉しい)

     さて、いよいよ有川さんの自衛隊物を読みつくしてしまった・・・と思った所、続編に当たる「ラブコメ今昔」が存在するらしい。
    http://booklog.jp/item/1/404100330X
    「国防ラブコメ」をもう少し味わうことが出来そうです。

    ウシシ!


    自衛隊3部作の第1部「塩の街」のレビューはココ
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898037

    第2部「空の中」のレビューはココ
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898010

    第3部「海の底」のレビューはココ
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898029

    3部作とは別な、「国防ラブコメ」最新刊の「空飛ぶ広報室」のレビューはココ
    http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4344022173

    • ohsuiさん
      ラブコメ今昔もよかったですよ!
      ラブコメ今昔もよかったですよ!
      2012/10/18
  • キュンとしたくて読んだ一冊。
    さくさく読めて、甘くてにやけちゃう小説って有川浩さん以外では出会ったことないかも。

  • 「仕事と彼女どっちが大事?」

    それにきちんとした答えを出したような小説だったと思う。空の中、海の底で出てきた魅力的なキャラに加えて、ここで出てきたキャラクター。みんな仕事「国を守ること」に本気で、すごいかっこいいなと思った。

    読んでいて爽快だったし、とてもスラスラと読み進めることができた。

  • 陸上、海上、航空自衛官の、それぞれの恋愛模様が描かれた作品。国防という、普通の会社員とは違った仕事に従事しているだけあって、自衛官たちの恋愛事情はなかなか複雑だ。また、自衛官と付き合う側もかなりの根気と覚悟が必要になってくる。そんな彼らのひたむきな恋愛模様に、心を動かされることは間違いないだろう。さらに今作には有川浩さんの他作品である『空の中』、『海の底』の番外編も収録されていて、既読の読者にとっては懐かしく感慨深いものとなっている。

  • 有川さんの自衛隊三部作と呼ばれる一冊。

    すでに読了した『空の中』の続編が、しかも前作よりベタベタに甘い恋愛もの。読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまうくらい、こういう展開って多分ないよねって言うあま〜い展開でも読んでしまうあたりは有川作品のなせる技か。
    『海の底』も早く読みたいところ。

  • 読みながらこっちがデレてしまうほどのラブロマンスな話なのに、彼女たちが(彼氏たちも)男前すぎです。
    かっこいい!
    それに、みんな胸はって国防して、恋愛して、ほんっと、羨ましくなってしまいます。
    『空の中』も『海の底』も、めちゃめちゃ非日常なのに、後日譚では当たり前に生活してて、そこがまた、なんともリアルで、はまってしまいました。

  • 長編作品の番外編、ということを知らずに読んでしまった、有川浩さんにハマるきっかけになった本です。
    恋愛小説はこれまであまり読んでこなかったのですが、有川さんの書く恋愛は、何と言うか、突き抜けてる感があって、読んでいてとても楽しいです♪
    出てくる女の人が、とにかくとっても魅力的!
    さばさばしているわけじゃないけど、変にウジウジしてなくて、女であることに甘えてない。
    そしてなにより、言う事がとっても可愛い♪
    私もこんな事言えたら・・・と、見習いたい部分がたくさんあります(笑)

    六つの短編の中で特に好きなのは、「クジラの彼」と「有能な彼女」。
    「クジラの彼」は、潜水艦の表現にこだわる冬原が、微笑ましくもあり格好良くもあり。二人の気持ちが高まっていく時の会話には、思わずニヤニヤしてしまいます♪
    「有能な彼女」は、夏木と望の喧嘩のシーンが、喧嘩なのになぜか笑えてしまいます。望の突っかかりどころやふてっぷりがすごく可愛いく(笑)、望に押されっぱなしの夏木さんのキャラも、個人的にとても好きです♪

    どのお話も、上手くいかない時や精神的にキツい時の描写がとてもリアルで、共感できる所がたくさんあります。
    辛くても、前を向いて頑張っていく彼女達は、本当に“男前”。
    私もこんな風に頑張りたい!と、読んだ後には
    すがすがしい気持ちになれる恋愛小説です。

    かなりオススメ!

  • 先に「ラブコメ今昔」を読んでいました。自衛官を主人公にした有川浩さんの作品(制服ラブコメシリーズ)の第一弾があることを「ラブコメ今昔」の解説でわかったので、直ぐに手に入れて読みました。特に「国防レンアイ」「ファイターパイロットの君」は面白かったです。カバーイラストとタイトルだけでの先入観を持たない方が良いかな(良い意味で)と思います。『空の中』『海の底』も読んでみたくなります。

  • すっと読めました。三部作の続きと知らずに読み始めましたので、登場人物の方々が懐かしかったです。

  • みんな可愛くてカッコよくて愛おしい!こんな綺麗な恋愛小説久しぶりに読んだ、、有川浩さんの恋愛ものはたまらんな〜

  • 自衛官の恋愛物。

    どのサイトでも高評価なので読んでみましたが…

    私には合いませんでした。

    全体的にくさい。
    15年ぐらい前に出版された本だから仕方ないのかもしれませんが…
    そして登場人物特に女性キャラですが、痛い感が…

    文章が読みにくい。
    殴り書きのような乱暴な文章に感じられました。
    その当時の若者の素直な感情を表現しているんだとは思いますが、とても粗雑な感じがします。

    人しか出てこない。
    季節や天気、景色など日常の風景、雰囲気がほとんど出ないので、情緒的な物は一切感じず、ただ人と人の会話、感情を読んでいるだけな感じでなんだか疲れてきます。
    私の脳内ではただ人がジタバタなんかやってるなーぐらいのイメージしか湧きませんでした。

    評価も高く、他にもたくさん高評価な作品を書いてる作家さんだったのでかなり期待していたのですが…とても残念です。


  • 自衛隊シリーズなどの他作から、気になるカップルを抜き出して、それぞれの恋愛をベタ甘に描いたスピンアウトの短編集です。自衛隊シリーズを先に読まないと面白さは半減なので、読む順番を気をつけてくださいね。

  • ベタ甘!
    「空の中」「海の底」のスピンオフ

    …やってしまった。本編から間が空きすぎた。続けて読めばもっとキュンとなったのに〜
    しかしまぁ有川浩さんのおかげで自衛隊の仕事や隊員の事が知れた人は多いんだろうね。

  • こりゃいい!自衛隊のことなんて全然知らないけど、この恋のどきどきは知ってる!!全部ちゃんときゅんとしたなぁ。これ読む前に三部作見ればよかった。。言葉が軽快でよかったです。三部作も読みます。

  • 独身の頃に戻って恋愛した気分になれました。
    海の底と空の中を読んでから読めばよかったみたい。
    また再読します!

  • 久しぶりに有川浩さんの自衛官シリーズ読んだけれど、やっぱりこのキュンキュン具合はなんともいえない高揚感あるなぁ。会いたいのに会えない辛さ、近くに居すぎて距離感がつかめなくなっている同僚、様々なシチュエーションで恋の始まりの筆力はホント素晴らしい。自衛官三部作また読みたくなってきてしまった。

  • どうやら読む順番を間違えたのかな。
    でもサクッと楽しめた。

  • 再読。自衛隊の甘々の恋愛短編。少女漫画を読んでるようで、サクサク進みました。
    キュンキュンしたいなぁ...。
    #読了
    #読書好きな人と繋がりたい

  • 自衛官と一般人(時に自衛官同士)とのラブコメ短編6作。自衛隊三部作のスピンオフ3作ほかの3作もツボを押さえた話ばかり。子どもの表現で多少引っかかる部分はあるものの、甘く、切なく、ほっこりする...。著者の作品は積読がまだまだあるので、今後もコツコツ読んでいきたい、と思わせてくれる一冊。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

有川浩の作品

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