図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.15
  • (3818)
  • (2920)
  • (1539)
  • (324)
  • (118)
本棚登録 : 31583
感想 : 2366
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898053

作品紹介・あらすじ

2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る"王子様"の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ◎ ブクログGW特別対談 さて子 × さてさて(にわか読書家)

    小説を愛し小説家を愛する、ブクログきってのにわか読書家にして感想家でもある一般人・さてさてと、『図書館戦争』シリーズの生みの親・有川浩さんの大ファンなのにこの作品だけは読んでいないという さて子の対談が実現しました。では、いってみましょう。

    さて子〈さてさてさんが「図書館戦争」を読まれたと聞いて、驚いてるんです。「あの さてさてさんが読んだんだ!」って。〉
    さてさて〈いや、有川さんの作品は以前から興味があったのですが、読書の対象外だと思っていたんです〉
    さて子〈対象外とは?〉
    さてさて〈はい。私のブクログの書棚の説明に「色のある本棚にしたい」と書いてしまったんです〉
    さて子〈おっしゃっている意味がわからないんですが?〉
    さてさて〈その説明を書いた時に思ったことは、にわか読書家としては、女性作家の小説に絞って本を読むことで本棚に特色を出すのがいいかなって。だから、有川さんは対象外だと思っていたんです〉
    さて子〈もしかして、有川浩さんを男性だと勘違いされていたとか?〉
    さてさて〈ええ。お恥ずかしながら先週までそう思っていました〉
    さて子〈なるほど、でもそういう方ってたまにいるそうですよ。だから、最近、有川ひろ に改名されたとか聞きました。ところで、私、この作品まだ読んでいないんですけど、どんなお話でしたか?〉
    さてさて〈はい。主人公は笠原郁って女性で『本を読むのは昔から好きだった』そうなんです。でも30年ほど前に『公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された』ことで出版に検閲が入るようになって彼女が高校生の頃には読みたい本を入手するのにも苦労するようになっていたそうです。そんなある日、新刊を買おうと『発売日に学校の近くの本屋に行き、児童書のコーナーにひっそりと数冊積んであったその本を手に取った瞬間』に、『入り口から揃いの紺の制服を来た一団』が乗り込んできてこう言ったそうなんです。『これより一切の書物を店内から移動させることを禁ずる!』って〉
    さて子〈えっ、急にですか。怖いです。その人たち何者なんですか?〉
    さてさて〈施行された法律によって組織された『良化特務機関』の一員だったようです。でも郁は持ち前の気の強さもあって、手に持っていたその本を慌てて服の中に隠したんです。そうしたら、それが見つかってしまって〉
    さて子〈でも、それってそもそも万引きですよね?〉
    さてさて〈ええ、確かにそうなんです。でも郁はそれを逆手にとって『店長さん警察呼んで!あたし万引きしたから!』と叫んだんです〉
    さて子〈逆手と言ってもそれじゃ逮捕されちゃいますよ!〉
    さてさて〈そうですよね。でも、そこはあれです。これは小説ですからね。こういう時はヒーローが現れるものなんです。『こちらは関東図書隊だ!図書館法施行令に定めるところの見計らい図書とすることを宣言する!』と図書隊の隊員が現れて、なんと状況が引っくり返ったんですよ〉
    さて子〈法律のことはよくわからないですが、図書隊って強いんですね。好きになっちゃいそう〉
    さてさて〈でしょう?郁も好きになってしまって、いつか自分も図書隊に入るんだって決意するんです。しかもその思い出を『私の王子様』って語るんです〉
    さて子〈う〜ん。ちょっとそういうのは苦手かも。でも、結構、単純そうな主人公ですよね〉
    さてさて〈ええ。でも、世の中、何かのきっかけって案外こんなものだと思いますよ。それでね、この作品はそんな郁が大学卒業後、図書隊員となって、厳しい訓練にも耐えて、数々の失敗を乗り越えて、そして一人前になっていく、そんな過程を描いていました〉
    さて子〈なるほど。面白そうですね。ところで、何か興味深い箇所などありましたか?〉
    さてさて〈せやなあ。いきなり、関西弁がでてきて、びっくりしてもうたわ〉
    さて子〈「阪急電車」と勘違いされていませんか?
    さてさて〈ちゃうちゃう。郁が中学生を追いかける場面で、いきなり『止まらないとこかす!』って出てくんねん。こりゃおどろくやろ〉
    さて子〈さてさてさんが急に関西弁になったことの方がびっくりです。大丈夫ですか?〉
    さてさて〈失礼しましたっ!こんな感じでひと言だけ関西弁がいきなり出てきたのでその違和感を表現してみました。有川さん、どういう意図でここにだけ関西弁を登場させたのだろうと、とても不思議です〉
    さて子〈さてさてさんだけじゃないですか?他の読者の方で気づいた人いるのかしら?ところで、文体がどうこうとおっしゃっていませんでしたか?〉
    さてさて〈ええ。この作品、芯に流れているテーマはとても真面目だと思うんです。『社会に慢性的にはびこる政治的無関心も手伝い、国民は同法についての予備知識をほとんど与えられずその成立を受け入れることとなった』なんてもう小説って感じしないですよね。その一方で主人公・郁の猪突猛進な天然キャラだけだとなんだかテーマが軽くなっちゃう。作品が重くなりすぎたり、逆に軽くなりすぎるのを文章表現を上手く使って適度に中和して、結果としてとても良いバランスが保たれているように感じました〉
    さて子〈猪突猛進、あっ、そうだ。漢字についても何かおっしゃってましたよね?〉
    さてさて〈ええ。いえね。この作品。難しい漢字が多すぎだと思うんですよ。思わずメモしちゃいましたよ。『慄いた 俄かに 捏ねる 反駁 詰る 憚る 労う 謂れ 竦む 耳朶』これ、全部読めますか?それと意味もわかりますか?〉
    さて子〈う〜ん。初めて目にする漢字が沢山あります〉
    さてさて〈そうでしょう。読み方は次の通りです。『おののいた にわかに こねる はんばく なじる はばかる ねぎらう いわれ すくむ じだ』。私、しっかりメモしたのに、今ここで書いてみて一つも覚えていませんでしたよ(笑)そう、一つも読めないです。最後の『耳朶』って『耳たぶ』のことです。そう書けばいいのに。この点はちょっと閉口しましたよ〉
    さて子〈まあ文章としては『耳朶』の方がかっこいいから、ありじゃないですか。まあ、私には読めないですけどね。ところで、恐縮なのですが、長くなってきましたのでそろそろ感想をまとめて締めていただけますか〉
    さてさて〈ええ、そうですね。あまり長いとみなさん嫌になりますしね。では…。この作品は、地元の図書館に行かれた有川さんがたまたま『図書館の自由に関する宣言』のプレートを見つけられたことをきっかけに構想されたそうです。『一、図書館は資料収集の自由を有する。ニ、図書館は資料提供の自由を有する。…』というものです。昨今のインターネットの隆盛を受け、本はネットで購入する、もしくは電子書籍で購入するという人も増え、私の自宅の近所にあった書店も閉店するなど、本を気軽に手に取って選ぶ楽しみというものも徐々に奪われつつあるようにも思います。そんな中、図書館に行けばなんでもある、気軽に手にして読む本を選んでいけるという、そんな図書館という場所への期待は高まっていると思います。また一方で、そんな本自体も言論の自由との戦いの上にあると思います。作品の最後に『本文中、差別的と受け取られかねない表現がある場合もありますが、著者に差別的意図のないこと…』という記載がある本も散見されます。注意書きならいざ知らずこれが検閲に繋がっていくような未来は避けなければなりません。検閲ということでは、この作品では具体例として『こじきのおじいさん』という表現を挙げています。『住所不定無職のおじいさん』と表現すべきということですが、作者に差別の意図がない以上、後者の表現では作品の印象自体にも影響しますし、読む方も確かに興ざめします。このあたりのバランス感は時代によっても変わっていくものだと思いますが、規制する・しないということ、それ自体に我々が無関心であってはいけない、表現というものをもっと大切に考えなければいけない、そう改めて感じました〉
    さて子〈急に真面目になられてどうしようかと思いました。でもとにかく気に入られたということですよね?〉
    さてさて〈そうですね。テーマはとても面白いと思いました。でも『銃撃の音が内外で響く』というような戦闘シーンには最後まで違和感が拭えませんでした。図書館司書の普通の館内業務の日常の場面の後にいきなり『できるだけ殺すなよ。死人が出ると戦闘が激化する』と言われてもどうしてもイメージがついていかない場面があったのは事実です。作品に入りきれなかったというか〉
    さて子〈なるほど。この辺りは人によっても好き嫌いが分かれそうですね。実際、ブクログの感想も両極端に評価が分かれているようですし。まあそれも読書の楽しみの一つというところでしょうか〉
    さてさて〈ええ。上手くまとめていただいてホッとしています。この作品、思った以上に捉え方が難しいと思いました。考えさせる作品と取るか、それともただのエンタメと取るか〉
    さて子〈でも、私、さてさてさんのお話を伺ってとても読んでみたくなりました。あっ、では、ちょうど時間が来てしまいました。今後も さてさてさんのブクログの感想を楽しみにしています。本日はお忙しいところどうもありがとうございました〉

    • さてさてさん
      セシルの夕陽さん、コメントありがとうございます。有川さんの作品、こういった企画ものでレビューしやすいんですよね。何故なんだろうと思うのですが...
      セシルの夕陽さん、コメントありがとうございます。有川さんの作品、こういった企画ものでレビューしやすいんですよね。何故なんだろうと思うのですが、私としてはありがたいかぎりです。
      描写はお書きいただいた通りです。とにかくイメージがつきづらいです。その割にページ数があるので、読むまでに気合が必要…な作品ではあるかなあと。もちろん、こんな設定よく考えるなあと、思うことしきりですが。
      2021/08/31
    • セシルの夕陽さん
      本当に、有川浩さんは着想が豊かですね♪ 思いつかない設定から、必ず胸キュン入れますし。読者の希望を必ず叶えてもくださいます(^^)
      本当に、有川浩さんは着想が豊かですね♪ 思いつかない設定から、必ず胸キュン入れますし。読者の希望を必ず叶えてもくださいます(^^)
      2021/08/31
    • さてさてさん
      はい、そう思います。「明日の子供たち」とか、「県庁おもてなし課」とか、有川さんじゃなきゃできなかった作品だと思います。それでいて、キュンキュ...
      はい、そう思います。「明日の子供たち」とか、「県庁おもてなし課」とか、有川さんじゃなきゃできなかった作品だと思います。それでいて、キュンキュンを忘れないでいてくださいますしね。また読むのが楽しみです!
      2021/08/31
  • 『華氏451度』のような内容を期待して読んだのがそもそも間違いだったのだろうが、「言論の自由」以前に、主人公の非常識さにドン引きしてしまった。上司への無礼な態度、柔道の稽古中に背後からキック、仕事でミスして上司の前で泣く、新人の分際で割り振られた仕事にクレーム…。あまりのありえなさに愕然とした。大人のラノベを標榜している割には、主人公の精神年齢が低すぎると思う。

    テンションの高い雑な文体も苦手だが、それはラノベだから仕方ないと割り切った。しかし、郁の性格や文体には目をつぶっても、どうしても許容できなかったのは、主人公とその周辺=正義、敵対組織=悪、という単純すぎる構図だ。せっかく刺激的な設定なのだから、敵にそれなりの思想を持たせれば凄く面白い話になったと思うのだが、敵があまりにちゃちでおバカな悪党として設定されているので、抗争が激化すればするほど逆にしらけてしまうのだ。

    また、本を守るためとはいえ、文民が銃を用いて人を殺傷するということに、誰も葛藤を抱かないのも残念だ。これでは戦闘も、郁の本への思い入れも、恋愛を盛り上げるための道具にしか見えない。他の著作も読んで思ったのだが、「言論の自由」「身体障害」「致死性の病に侵された人の心理」など、本気で語るには正確な知識と細やかな配慮を必要とするデリケートなテーマを、恋愛を盛り上げる道具として安易に使ってしまう傾向が、著者にはあるようにみえる。

    思想的なことを書きたいなら、自分の意見だけを声高に主張するより、対立意見もぴしっと書いて読者に考えさせた方が、話に深みがでると思う。ベタ甘の恋愛を書きたいなら、思想的なことには言及せずコメディに徹した方が、大人のラノベとしては洗練されると思う。しかし、これだけ売れている所を見ると、私の感覚の方が圧倒的少数派なんだなぁ…。

    • もえぴさん
      コメント失礼します。
      全てが恋愛を盛り上げるための道具、と感じる人が私以外にもいたことに嬉しくなりました。
      私の周りには図書館戦争の大ファン...
      コメント失礼します。
      全てが恋愛を盛り上げるための道具、と感じる人が私以外にもいたことに嬉しくなりました。
      私の周りには図書館戦争の大ファンだという子が多く、その理由が、堂上教官にきゅんきゅんするから、だそうです。
      別に作品の中に恋愛の要素があってもいいとは思うのですが、それがメインになってしまっているのがもったいないと思いました。
      2023/02/13
    • 佐藤史緒さん
      >もえぴさん
      コメントありがとうございます。
      恋愛がメインになっていること自体はよいのですが、善悪の判断基準が一方的すぎるのが気になりま...
      >もえぴさん
      コメントありがとうございます。
      恋愛がメインになっていること自体はよいのですが、善悪の判断基準が一方的すぎるのが気になりました。悪を断罪するにしても、もう少し恩情とためらいが欲しい。そこが痛快という人も多いのでしょうけれど、わたしは苦手でした。
      2023/02/14


  • 図書館で戦争って、、なんだかアニメチックでどうなんって感じなんだけど、これが面白い〜!
    序盤は漢字も多くてなんだか小難しく、これ読めるかな?って思ったりもしたけど、そこを過ぎればもう面白くてどんどん引き込まれてしまいました♬

    まずキャラがめっちゃいい!!
    負けん気が強くてがむしゃらでハチャメチャで、でも弱い部分もちら見えしてる主人公の郁。
    そして取り巻く人達もそれぞれ味があって魅力的。
    同僚や上司との会話が多いんだけど、それの楽しいこと!ニヤニヤしながら読みました♪

    ありえない設定の話なんだけど、じーんとしたり改めて教えられる事があったり、なかなか深かった!
    そして何よりきゅんきゅんがとまらな〜い\♡/"
    恋愛要素も多いにありありでした♡
    今後の展開も気になる〜!
    とっても楽しい読書時間でした♪


  • 個人的には合いませんでした。
    このタイプはドキドキもしません。
    シリーズとしてもう大丈夫ですってなりました。

  • スピードワゴンの糸田じゃないけど、
    この本、本当に、「あまーーーーーーーーーい!!」少女漫画でもいけるレベル。(実際に、少女マンガで連載されてますが。)

    初☆有川作品

    初めは、その本の設定を理解するのに時間がかかったが、ぐいぐいと引き込まれる。
    確かに、ライトノベルらしいなあ、と思ったが、有川さんのモットーは
    (・・・確か)大人が読めるライトノベル!だった気がする。
    そう言われると、納得できる。

    郁と堂上教官、その他の隊員さん、図書館を守ってくださりありがとうございます。

    • しをん。さん
      ありがとうございます(●^o^●)
      しかしこれ、だいぶ昔に読んだのを今更レビュー更新です(笑)

      でも、本好きになったのは有川さんのおかげと...
      ありがとうございます(●^o^●)
      しかしこれ、だいぶ昔に読んだのを今更レビュー更新です(笑)

      でも、本好きになったのは有川さんのおかげとしか言いようありません!!

      もう、図書館戦争シリーズ制覇しました♪
      そして、漫画の方も!
      アニメ化に続き映画化まで…。映画化されるのはうれしいのですが、私は捻くれ者なのでやっぱりこの作品は、本だけでよかったかな・・・と。
      メディアに露出しなくても。とは思いますが。
      同志が増えるのは本当にうれしいです(笑)
      2012/09/28
    • まろんさん
      あ、ほんとだ!読了日6月30日!
      私ったらあいかわらず粗忽者~(>_<)

      でもでも、同志として、ブクログで有川さんファンを増やしていきまし...
      あ、ほんとだ!読了日6月30日!
      私ったらあいかわらず粗忽者~(>_<)

      でもでも、同志として、ブクログで有川さんファンを増やしていきましょうね!
      2012/09/29
    • しをん。さん
      いえいえ、こちらこそすみません(-_-;)


      はい!有川ファンに会いたくてブクログ始めたのは余談ですが(笑)
      いえいえ、こちらこそすみません(-_-;)


      はい!有川ファンに会いたくてブクログ始めたのは余談ですが(笑)
      2012/09/29
  • 公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」。
    これに対し図書館の権利としてすべての図書を管理する権利を守るための図書隊。
    まさに戦争のように銃撃戦が繰り広げられます。
    その中にちょっとじれったい愛が。。
    とても楽しい本でした。

  • よくもまあ、こんなとっぴな思い付きをしたものだと思う。思いつきのきっかけは近所の図書館に掲げてあった「図書館の自由に関する宣言」のプレートだったらしい。彼女のだんなが見つけたらしいが、このわずか五箇条から、この一冊だけでなくどうやらシリーズ六冊を書いたことに敬意を覚える。

    その宣言とはこれである。たぶん一図書館の志をいたずら心で宣言したのだろうとは思う。シリーズ一冊目はこれがそのまま章立てになっている。

    図書館の自由に関する宣言。

    一、図書館は資料収集の自由を有する。
    二、図書館は資料提供の自由を有する。
    三、図書館は利用者の秘密を守る。
    四、図書館はすべての不当な検閲に反対する。

    図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。

    「すこしいさましいな」という感想から、図書隊という独立武装組織を発想するのである。
    以下ブックデータより<あらすじ>
    2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る”王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。

    警察や自衛隊ではなく、良化特務機関と図書隊との「検閲」をめぐる武力抗争であるところが、「ありえるのかなあ」と思ってしまうが、なんとまあすれすれありえているのである。以下のような細部の設定も作っているので、まあ許しちゃおうかなとも思ってしまう。

     検閲対象施設外の公共物や個人資産を射撃で破損した場合、その補償は「中から外へ」向かって撃つことが必然の図書隊の負担になることが多い。実際には特殊な損害保険で処理するが、損害実績は保険料の値上がりに直結する。近年保険料は値上がりの一途を辿っており、図書隊の予算をかなり圧迫している。
     一方「外から中へ」向かって撃つ良化部隊は被害を拡大する心配もなく、また国家行政組織であるため図書隊とは比べ物にならない予算を確保しており、射撃を躊躇する必要はない。懐を気にしなくていいのは図書隊からすると羨ましい限りだ。

    内乱と見紛うような「戦争」をしておきながら、それが単なる検閲をめぐる攻防であるところが味噌である。

    この作品が発表されたときには、某首都都知事のマンガ規正条例は情報さえなかった。絵空事として書かれていたことが(まさにこの小説は絵空事であることを祈りながら書かれているのであるが)、それが現実化していることの「大いなる皮肉」が現代なのであった。

    今年の三月に収録したという著者と児玉清さんのインタビューが巻末にある。三月というと、すでに胃がんの告知の直後である。そういうことをまったく感じさせない「本好き」の児玉さんの知見がここにある。そういう意味では貴重な文庫になった(もしかしたら絶筆インタビューかも)。二巻目にもインタビュー後編が載っているらしいので、話の内容はちょっと背伸びをした少女マンガを超えていないので辟易するのであるが、一応読んでおこうと思う。

  • やっぱり、自分はミステリーとか刑事物が好き。
    ちょっと図書戦争という発想には着いていけなかった、、、。と最初は思っていたが、中盤から同僚の手塚、さらに後半、王子様の正体が分かってくると面白さはピークに。キャラクター毎の熱い思いが伝わってきて中々良い作品。後半はスラスラと読み易くなった。ちなみに著者って女性なのね。これシリーズもの。恋の行方が気になる。
    途中までこの後続シリーズはもう読まないだろうと思ったが、大逆転続き読みたい。

  • 説明的な文章が多く、前半は読みにくいと感じた。
    後半の戦闘シーンは面白かったし、全体を通して登場人物一人一人の心情が緻密に描かれていてうまいと思った。
    ただ、検閲は憲法で禁止されているはずなので、良化法が通るためには憲法を改正しなければならない。なのに、憲法改正については触れられていなくて、違和感を感じた。さすがに憲法改正まで黙認するほど、国民の政治意識は低くないのでは?などと思ってしまった。
    あと、郁のキャラクターについて、うーんと思うところが多く…。いい所ももちろんあるけど、夢は大きいわりに努力をしない子だなあと思ってしまったので、あまり応援できなかったし、大口叩くのもイライラしてしまいました。

  • 私は女性ならではの温かい作品が好きなのですが、有川浩さんの作品はストライクゾーンのど真ん中です。図書館戦争というタイトルからどういう内容か見当も付かなかったため、手が出せずにいましたが、いざ本を開いてみたらこれがおもしろいのなんの。内容はある法律から本を自由に読むことが出来なくなり、それに対抗するべく結成された図書隊のお話です。どのように本を守るのかと思いきや戦争だけに銃などの武器で実力行使です。いやー驚きましたね(笑)。隊員達の会話は非常に面白く、個性もしっかりと活かされていて楽しく読ませていただきました。これは続き読まなくちゃ!

全2366件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

有川浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
米澤 穂信
有川 浩
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×