図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898060

作品紹介・あらすじ

図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む郁は、中澤毬江という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さいころから面倒を見てもらっていた図書隊の教官・小牧に、密かな想いを寄せていた。そんな時、検閲機関である良化隊が、郁が勤務する図書館を襲撃、いわれのない罪で小牧を連行していく-かくして郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?書き下ろしも収録の本と恋のエンタテインメント第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • ◎ ブクログ秋の特別対談 さて子 × さてさて(にわか読書家)

    小説を愛し小説家を愛する、ブクログきってのにわか読書家にして感想家でもある一般人・さてさてと、『図書館戦争』シリーズの生みの親・有川浩さんの大ファンなのにこのシリーズだけは読んでいないという さて子の対談が前回「図書館戦争」での大好評を受け、この度その二度目が実現しました。では、早速いってちょんまげ!

    さて子〈さてさてさんお久しぶりです。また、お会いできるなんてとても光栄です!〉
    さてさて〈私もこの企画で二回も呼んでいただけて、とても嬉しいです〉
    さて子〈前回は有川さんの作品を読み始められたばかりだったと思うんですが、その後他の作品も読まれましたか?〉
    さてさて〈はい、これまでに15作品を読ませていただきました。一番印象に残っているのは「旅猫レポート」ですね。いやあ、男泣きをさせていただきました〉
    さて子〈私もさてさてさんのレビューを読ませていただきましたが、気持ちが溢れていましたよね〉
    さてさて〈お恥ずかしい限りです。レビューには、あまり感情が出過ぎないようにとは思っているんですけどね〉
    さて子〈(よく言うよね、この人の感想、感情べたべたじゃない。やたら、長いし…)〉
    さてさて〈何かおっしゃいましたか?〉
    さて子〈べ、別に、な、何でもないです。えっと、じゃあ行数が長くなっても、読者の方に読み飛ばされてしまうので、まずはこの作品がどんな内容なのか簡単に説明していただけますか。私、この作品まだ読んでいないんです〉
    さてさて〈はい。この作品は「図書館戦争」の続編です。主人公は前作に続いて『本を読むのは昔から好きだった』という笠原郁です。そんな郁が関東図書隊に入隊して『図書館の自由』を守るために活躍し始めるというのが前作だったと思いますが、この作品では、郁のその後が描かれていきます。
    さて子〈何か事件とかが起こったりするんですか?〉
    さてさて〈はい。まさしく冒頭から郁にとって『入隊以来最大の個人的ピンチ』が訪れるんです〉
    さて子〈いきなり山場なんですね。何があったんですか?〉
    さてさて〈Mission: 親に戦闘職種配属を隠し通せ!〉
    さて子〈えっ?意味不明なんですけど?〉
    さてさて〈郁の『両親が勤め先の図書館を見学に来るという突発事態が発生』したということなんです〉
    さて子〈両親が娘の職場見学なんて聞いたことないですけど、優しい両親っていうか、まあ良い話じゃないですか〉
    さてさて〈それが、郁は自分が『戦闘職種』に就いてるって両親には伝えていないんですよ。もしバレたら…〉
    さて子〈退職させられるってことですか。それはまずいですね〉
    さてさて〈でしょう。寮が同室の柴崎麻子は『寝ながらうなされてた』と証言してますからね〉
    さて子〈それでどうやってカモフラージュしたんですか?〉
    さてさて〈事務職員だとごまかすために図書館のシフトに入って、カウンター業務をやることになったんです〉
    さて子〈でも慣れないとボロって出ますよね〉
    さてさて〈そうなんです。先輩から指示を受けたら普段の癖で『ハイッ』と敬礼してしまったんですよね。『アホか貴様』と叱られて『敬礼はなし敬礼はなし』と頑張るんですよ〉
    さて子〈健気ですね。郁ちゃん可愛い。それで最後までバレなかったんですか?〉
    さてさて〈えっと。それがですね。二日目にお父さんが来て…〉
    ブクログ編集部〈しゃ、喋ってはいけません。さてさてさん!それ以上はネタバレ!です〉
    さてさて〈きゅ、急に出てきてビックリさせないでくださいよ。あなた誰ですか。しゃ、喋りませんよ。この作品は連作短編のような構成になってますからね。まあこの先喋ると最初の短編のネタバレにはなっちゃいますね。でも、その後もこのシリーズ続いているわけですから、結果はわかっちゃいますけどね。まあ、いいです、はいはい〉
    さて子〈すみません。私が誘導しちゃったのがいけなかったです。気をつけます。ところで、作品全体の印象として何かありますか?〉
    さてさて〈はい。前回も言ったので、またか、と言う方もいるかもしれませんが黙っていられないので言わせてください。それは、有川さんの文章、難しい言葉多すぎ!ということです〉
    さて子〈読めない漢字が出てきて、辞書を片手に読んで面倒だったんで憤慨してるってことですか?〉
    さてさて〈いえ、ルビは振られてるんですよ。でもね、どうしてわざわざ判別できるかできないかレベルの小さいルビをふってでもこんな難しい言葉を使うのかなあと思うんです〉
    さて子〈例えばどんな言葉ですか?〉
    さてさて〈傾いだ・喚く・濃やか・嘯いて・窘める…ってそれぞれ読めますか?意味分かりますか?〉
    さて子〈あああ、いーっ、う〜ん、えーっと、おろおろ〉
    さてさて〈なに、あいうえお、で遊んでるんですか。ごまかさないでください。読めないでしょ?これね、かしいだ・わめく・こまやか・うそぶいて・たしなめる…って読むんだそうです。たまたま読めても意味分かりますか?漢字検定やってるんじゃないんだから、勘弁していただきたいです〉
    さて子〈でも、それも含めて作品の魅力ですよね〉
    さてさて〈もう、そう言われたら何も言えませんけどね。唐突ですが、湊かなえさんってご存知ですか〉
    さて子〈はい。「告白」が有名な方ですよね?〉
    さてさて〈はい、私もレビュー書きました。それで有川さんと湊さんってプライベートでかなり仲が良いそうなんですよ。それぞれのエッセイでお互いのことを色々と書かれているくらいですから〉
    さて子〈そうなんですか〉
    さてさて〈はい。それで、湊さんは自身のエッセイで『小説を書く際、自分が書けない、読めない漢字はなるべく使わないように心がけている』と書かれてるんです。多分、有川さんもこのエッセイ読まれているはずです。まあ、もしかしたら有川さん、漢字検定一級お持ちなのかもしれないですけどね。だから有川さんがどうこうというわけではないんですけど。それぞれの持ち味、魅力というのも確かにあるので。でもね。この作品の内容的にこんな難しい言葉がどうして登場するのかなあ、とはどこまでいっても思います〉
    さて子〈はい、おっしゃりたいこと分かる気がします。普段使わない言葉って頭にスーッと入って来ない気がします。う〜ん、なかなか難しいですね〉
    さてさて〈はい。漢字ということで言えばレビューを書く時に私のレビュースタイルだと書きづらいという個人的な問題もありますけどね。変換しても出てこなかったりで大変なんです(笑)〉
    さて子〈なるほど。では、すみません。行数がかなり多くなってきたので、先に進めたいんですけど、この作品でほかに何かありますか?〉
    さてさて〈はい。この作品で一番印象に残ったことがありますので、それを話させてください。この作品、小説内小説が登場するんです〉
    さて子〈小説の中に小説が展開するというものですね?〉
    さてさて〈そうです。ただこの作品では展開するとまではいきません。というのも内容が書かれているわけではありませんから。それで、その小説というのが「レインツリーの国」という書名で『難聴者』のヒロインが登場する恋愛小説なんです〉
    さて子〈なんだか、とても素敵な書名ですね。書名だけで読みたくなるタイプの作品かも〉
    さてさて〈同感です。「図書館内乱」の中では、聴覚に障がいのある中澤毬江という少女が登場するんですけどね。ある隊員が「レインツリーの国」を彼女に読むように勧めたことが問題になるんです。『中澤さん耳が悪いのに、難聴のヒロインの本を勧めるなんてちょっと無神経じゃない?』という感じで〉
    さて子〈彼女自身はどう感じていたんですか?それが一番大切な気がしますけど〉
    さてさて〈はい。そこがクライマックスに至る重要なポイントなんですよね。ある日、彼女が…〉
    ブクログ編集部〈ピー!ピー!ダメですって。感動的なシーンを喋ってしまっちゃだめでしょう。何やってるんですか。ネタバレしたら、今日のギャラお支払いできなくなりますからね〉
    さてさて〈えっ、勘弁してくださいよ。せっかく妻にバレないへそくりにしようと思って楽しみにしてるんですから〉
    ブクログ編集部〈じゃあ、気をつけてください。”ネタバレと二度漬けは禁止ですからぁ!”〉
    さて子〈あっ、言っちゃった!それって、さてさてさんが特許申請中なんですよー。ダメですよー。さてさてさんの持ちネタとっちゃあ!〉
    さてさて〈ひどいです。今日、私、もう笑いが取れなくなっちゃったじゃないですか!帰りたいっ!〉
    ブクログ編集部〈大変失礼いたしました。申し訳ありません。今日のギャラ、三千円増やしますから〉
    さてさて〈ありがとうございます。最近、本を買うお金がキツキツなんで三千円はありがたいです。さて子さん、続けましょう〉
    さて子〈機嫌が直られたようで良かったです。話を戻しますが、その「レインツリーの国」ってどんな作品なんですか。とても気になります〉
    さてさて〈それがですね。有川さん、この「図書館内乱」を書かれてすぐに、その書名そのままの作品を出版されてるんですよ。あとがきでも『興味を持ってくださいますように』って書かれてます〉
    さて子〈そうなんですか。さすが有川さんですね。出版社も有川さんならすぐに出してくれるんですね〉
    さてさて〈それが、この作品とは出版社が違うんですよね。まあ、色々あるんでしょうけど。ところで、私もとても興味が沸きましたので「レインツリーの国」、読みたいと思ってるんです。というか、もう買っちゃいましたけどね〉
    さて子〈そうなんですか。じゃあ、レビューを楽しみにしてますね〉
    さてさて〈はい。頑張ります!〉
    さて子〈かなり長くなってきたので、そろそろ終わりにしたいと思いますが、この作品はラブコメとして有名ですよね。この点では何かありましたか?〉
    さてさて〈前作に比べてキュンキュン♡する感じは少し抑えられていたように思いました。そもそも主人公の郁が隊員になろうと決意したのが、本が好きという理由の他に、かつて『高校生の頃、図書隊員の人に助けてもらったことがある』、その助けてくれた人のことを『王子様』と思って、キュンキュン♡というのがこのシリーズのベースにあって、それがこのシリーズのラブコメ要素を支えているんだと思います〉
    さて子〈なんだか、ラブコメをそんなに難しく語られても、ラブシリのようですね〉
    さてさて〈なんですか、ラブシリって?〉
    さて子〈ラブ・シリアスです〉
    さてさて〈意味不明です。とってつけたこと言って早くこの対談を終わらせようとしてませんか?〉
    さて子〈まさか、私、さてさてさんの大ファンなんですよ。いつも、さてさてさんのレビューがアップされたら、3秒以内に『いいね!』をカチカチって二回押してるんですから〉
    さてさて〈えっ?二回押したら、『いいね!』が外れるじゃないですか。そこはダブルクリックするとこじゃないでしょう。そうか、だから、あなたの名前、『いいね!』リストの中で見たことがないんだ〉
    さて子〈えっ?そうなんですか?知らなかったです。ショックです。ごめんなさい。今度から十回押すようにします!〉
    さてさて〈いや、それだと、結局外れちゃうでしょう。一回でいいんですよ。カチッて〉
    ブクログ編集者〈お二人とも、いい加減にしてください。ここはプライベートなことを話す場じゃないんですから。何を無駄に行数使っているんですか!もうギャラは半額に決めましたから〉
    さてさて〈いやいや、それはないでしょう。こうやって拘束してるんだから。冗談じゃないよ、参ったなあ、もう〉
    さて子〈すみません。また私のせいです。とにかく、もうこれ以上長くなると、誰も読んでくれない無残なレビューが出来上がるので締めましょう。こういうぐだぐたな展開を締められるのは、さてさてさんしかいません。さてさてさん、よろしくでちょんまげ!〉
    さてさて〈無茶ぶりだなあ。まあ、仕方ないか。この作品は有川さんが『図書館の自由に関する宣言』をお知りになったことから生まれました。それは、将来この国に訪れるかもしれない一つの危機を描いたという側面を持っています。主人公の郁は『検閲のある社会しか知らない』という環境で生まれ、育ちました。そのため『検閲のない社会ってどんなふうだろう』という感覚を持っています。そして、そのことをいつも胸に抱いて図書隊員として活動しています。この作品は図書館を舞台に派手なドンぱちが繰り広げられるなど、荒唐無稽と言ってしまえばそれまでとも言える作品世界が展開しています。我々が暮らす世界からすると、それは全くの絵空事の話とも言えます。しかし、ここ何十年かの世の中の動きを振り返ると、それを異世界の話と簡単に突き放せる状況でもなくなってきているような気もします。”言葉狩り”というかつては存在しなかった言葉が生まれたりもしています。『本が狩られない世界。読みたい本が自由に読める世界。本屋さんが検閲にびくびくしなくていい世界』。今、我々が当たり前としている自由な世界が、気づいたらすでに手遅れになっていた、という自由が失われた時代にならないという保証はありません。『図書館が武装しなくていい世界』、それは我々が読みたいと思う本をいつでも自由に読むことができるという、今の我々には当たり前の環境です。そんな『図書館の自由』が守られる時代が未来に続いていきますように、そんなことを願ってこの対談を終わりにしたいと思います。いつもながら長いレビューを最後までお読みいただきありがとうございました。さてさては、今後とも皆さんに、長くても読んで良かったと感じていただけるような、そんなレビューを書き続けていきたいと思います。本日もどうもありがとうございました!〉
    さて子〈えっ、最後まで締めちゃったんですか。私の出番が…えっと、皆さま、どうもありがとうございました。またのご来店をお待ちしております〉
    さてさて〈ちゃうやん。ここお店ちゃうから〉
    さて子〈またねー (^^)/~~~〉

    • さてさてさん
      奏悟さん、こんにちは!
      いつもありがとうございます。
      お褒めいただき光栄です。本人も楽しみながら書いているのでいいのですが、読み返すとこれが...
      奏悟さん、こんにちは!
      いつもありがとうございます。
      お褒めいただき光栄です。本人も楽しみながら書いているのでいいのですが、読み返すとこれが公に公開されていると思うと恥ずかしいといえば恥ずかしいです(笑)
      今後ともよろしくお願いします。
      2020/10/23
    • 奏悟さん
      さてさてさん、こんにちは。
      さてさてさんのレビューは私の隙間時間や、就寝前の楽しみで、読み終わる頃にはまるで1冊の本を読み終えた満足感でいっ...
      さてさてさん、こんにちは。
      さてさてさんのレビューは私の隙間時間や、就寝前の楽しみで、読み終わる頃にはまるで1冊の本を読み終えた満足感でいっぱいになります(笑)
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
      2020/10/23
    • さてさてさん
      奏悟さん、ありがとうございます。
      光栄なお言葉ありがとうございます。さて子も喜んでいると思います(笑)
      対談企画はやりすぎると皆さんも飽...
      奏悟さん、ありがとうございます。
      光栄なお言葉ありがとうございます。さて子も喜んでいると思います(笑)
      対談企画はやりすぎると皆さんも飽きられると思いますので、また時期を開けてやらせていただきます。ネタを考えないといけませんし。
      奏悟さんに、コメントいただいて俄然やる気が出ました。
      こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
      2020/10/23
  • この世界感に少し馴染んできたかも。味のある登場人物達のこの先が気になる。明日から郁はどんな顔して仕事をするのかな?

  • 前回の感想に「内乱と見紛うような「戦争」をしておきながら、それが単なる検閲をめぐる攻防であるところが味噌」と書いたが、今回のお話はその「内乱」の話ではない。次第と明らかになる図書館をめぐる組織の力関係の話である。

    そういう「見世物」を描きながら、結局「エヴァンゲリオン」等でも良く描かれる美少女美青年の若者が私生活では自分たちと共感できる悩みを抱えながら、対外的には実はとても優秀であるという、アニメにありがちな「キャラクター」モノの世界を描いている。

    これ絶対アニメに向いているなあ、と思ったら既にアニメとして完結しているらしい。

    巻末の児玉清さんとのトークインタビューを読むと、有川浩は典型的な「ライブ派」作家らしい。つまり、最初から細かな計算をせずにキャラクターが動き出したらその動きに任せるという書き方である。それはそれで分かりやすい。主人公が突拍子も無い動きをしたら、回りがそれに釣られて感動したり、反発したりするのである。そこに細かな心の動きが入るから分かりやすい。有川浩が38歳の女性だと聞いてなるほどなあ、と思う。「阪急電車」の時には女性のような感覚を持った男性作家だなあ、と思っていた。ところが思いっきり女性でした。この世代、思いっきり「エヴァ世代」なのである。

    しかし、そうなると悪人はその心の動きが読めない人間ということになる。手塚光の兄の手塚慧などはその典型だろう。

    私は小説でマンガを読みたくは無い。けれどももうシリーズを読み出したので、最後まで行かない気がすまないという気持ちにもなっている。児玉清さんの最後のインタビュー記事もおそらく四巻まで繋がっている様なのでそれも気になる。

  • 図書館戦争シリーズ2作目。
    楽しみに取ってありました。
    間が開きすぎて、設定を忘れていたけど‥
    戦争というと剣呑だけど~本をきびしく検閲しようとする一派(メディア良化委員会)に対し、本を読む自由を守ろうとするのが、図書隊。

    笠原郁は、一等図書士として関東図書隊に入隊。
    戦闘職種である図書特殊部隊の配属だということを、保守的な両親には隠している。
    その両親が突然、見学に来るという‥
    みなに協力を頼んで、事務職のふりをすることに。
    心配性で子離れできない母親が重い郁。
    堂上に接する父のほうは、どうやら色々察して、挨拶に来たよう。なるほどね。

    小牧の家の近所に住む中澤毬江という高校生が登場。
    聴覚障害がある毬江に対して、10歳上の小牧は兄のように何かと親切にしていて、毬江は薦められた本を借りに図書館によく来ていた。
    ところが、そのことが誤解を受け、良化特務機関に小牧が連行されてしまう。
    4日帰らない小牧を案じて、郁と同期の手塚は、疎遠な兄を頼る‥

    郁と同室の柴崎麻子は、郁とは対照的な要領のいい美人で、頭は切れるが、意外に恋愛には恵まれていない。
    図書館利用者の男性・朝比奈にランチを誘われ、思惑のある周りに盛り上げられて、行ったほうが面倒がないと、応じることにするが‥?

    主要キャラが少しずつ掘り下げられていき、事件の展開と絡み合って、恋愛模様も。
    郁があこがれの王子様の正体に気づくまで。

    甘々な展開でキュンキュン~気恥ずかしいぐらい。
    その背景には骨のあるストーリーがあり、その上なぜか皆、口が悪いのよね~。
    その絡み具合がうまくて、読んでいると~なんだか元気が出てきます!

    • さむさん
      小牧さんと毬江ちゃんのくだりは素敵ですよね!
      柴崎さんの不器用具合もかわいい。

      確かに、読んでて恥ずかしくなるけど元気が出ますね!
      これか...
      小牧さんと毬江ちゃんのくだりは素敵ですよね!
      柴崎さんの不器用具合もかわいい。

      確かに、読んでて恥ずかしくなるけど元気が出ますね!
      これからも素敵なレビューを楽しみにしてます。
      2012/12/22
    • sanaさん
      さむさん、
      わ~コメント、ありがとうございます☆
      小牧さん、どんな美女と付き合うかと思いきや?ハートをわしづかみにされちゃったんですね~。
      ...
      さむさん、
      わ~コメント、ありがとうございます☆
      小牧さん、どんな美女と付き合うかと思いきや?ハートをわしづかみにされちゃったんですね~。
      柴崎さんの不器用具合!確かにかわいいです♪
      いつかきっと、お似合いの人が?
      読んでいて恥ずかしくなっちゃうけど~まあ読むところは誰にも見られてないし!
      元気が出るのが貴重ですよね~☆
      2012/12/22
  • 図書館戦争よりも好きだった!! という事で☆5です!

    新しく出てきたキャラが沢山いるけども、新旧ともにどちらも素敵なキャラで、良いですね!! うん、とってもいいです。

    聴覚障害を持ったまりえちゃん、そんな彼女を守る小牧さん、控えめに言って推せますね。
    もう満腹感と幸せ感がやばいし続きを読みたいので長々と語らずに次の巻に手を伸ばそうと思います!

  • 1巻に引き続き、世界観に引き込まれ2巻も一気に読み進めました。シリーズ物の小説にここまでハマったことがなかったので、夢中で読んでます!

    2巻は脇役の登場人物にスポットが当たったお話がメインでしたので、気楽に読めました。(郁がメインだと、自分の事のようにハラハラしてしまうので…)ルームメイトの柴崎の恋もどんでん返しありで今後の展開が楽しみです。
    やはり、主人公の郁の恋模様が気になりますね!6巻までどのように続くのか…

    • あんころ餅さん
      2巻は猛スピードで読んだね!面白そうやなぁ❤️もう一度読みたくなった^_^
      2巻は猛スピードで読んだね!面白そうやなぁ❤️もう一度読みたくなった^_^
      2021/03/04
    • もちっちさん
      日常生活に支障でるくらい一日中よんでる(あかんな…)全巻持ってたんやね!読み終わったら貸すで〜!
      日常生活に支障でるくらい一日中よんでる(あかんな…)全巻持ってたんやね!読み終わったら貸すで〜!
      2021/03/05
    • あんころ餅さん
      支障をきたすくらい笑
      ううん!私は持ってなくて、同僚に途中まで貸してもらった!ありがとう❤️
      支障をきたすくらい笑
      ううん!私は持ってなくて、同僚に途中まで貸してもらった!ありがとう❤️
      2021/03/05
  • 『恋の障害』の話は考えさせられる。
    毬江ちゃんの障害と小牧さんが本を与えた理由に関する噂の収束のさせ方は、実写版の方が好きだったけど、毬江ちゃんが放つ言葉の元の強さは原作からしっかりあって活字で読んでも充分、ずしっと響いた。
    私達、病気や障害についてちゃんと解ってるのかな?無意識のうちに「かわいそう」って押し付けてないかな?と思い返してしまう。
    「差別かどうか」については、周りが決めることじゃないんですよね。

    あと、10歳差の恋にキュンキュンしました(*´ー`*)
    小牧さん素敵です(*^^*)

  • 仕事に陰謀に救出に恋に(?)郁ちゃん大忙し!

    美人ゆえに苦労も心労も多く、誰にも心を開かず
    うまく立ち回ることを覚えるしかなかった柴崎。

    そんな心を気取られまいとしてきた彼女が
    言葉の裏のない郁ちゃんに出会って、
    大好きと心の中でしっかりと思えてほんとによかった。

    内乱の内容は違えども今の日本に多々ある
    問題と重なる部分も多い倫理観や正義感の問題。

    "正しい未来のために自分の自由を捨てられる人は
    崇高だと思うし尊敬する。
    でも、それができない人を貶めるのは違う"

    それがいかに正しい"正義"の正論であろうとも、
    自分の尺度の正義を振りかざして
    人に押し付け、傷つけ、そうできない人の上に
    立ったかのように、粗暴な言葉で断罪する人を
    たくさん見て心の痛む近年。

    すべての事柄はいつだって多面的で、
    思考の隔たりや、自分が正しいと思いすぎることは
    とても危険だし、自分との相違を切り捨てることや
    許容や柔らかさ、思いやりのないところに
    正義も優しさも育つことができず、誰も救えない。

    すべての人の意見がまぁるく収まる方法はないけれど、
    みんなが笑っていてられることが
    すべての事柄に通じる幸せだからこそ、
    意見の相違がある時こそ、相手を慮って
    歩み寄り、最良の道を探していける世界になるといいな。

    そして娘を案じながらも、信頼し、
    黙って堂上に想いを託していった父。
    静かに受け取った想いを受容するシーンが素敵だった。

    恋もいっぱいの2巻。
    憧れから恋へと変わる小牧さんと毬江ちゃんの恋。
    他人の恋には気づけども、肝心の郁ちゃんは相変わらず…。
    でも、次巻はエーーー!な進展が楽しみ♡

  • この本の男性陣はホントに…。
    10歳差を受け入れる小牧と、5歳差が壁になる堂上。
    対比が面白い。笑

    郁の両親の話は、あんまり他人事じゃないような気がして
    続きが気になるところ。

  • 今回は図書館内部の醜い派閥抗争と手塚兄の企てに巻き込まれる笠原郁
    今回は登場人物達のキャラが濃く出てるドラマだった。
    卑劣な奴らの憎らしさは現実的で、味方の格好良さはドラマ的
    最近は日和見野郎ばかりで、こんなカッコいい人間達が殆どいないから読んでて気持ちいいよ。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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