別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)

著者 :
制作 : 徒花 スクモ 
  • KADOKAWA/角川書店
4.34
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本棚登録 : 13518
レビュー : 877
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898107

感想・レビュー・書評

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  • 別冊1を読んだ時点で唯一の懸案事項だったふたりが
    想像していた以上にきっちり綺麗にまとまっていて
    驚きもあり嬉しくもあり。

    前作までに布石のようにちらっと出てきた
    緒方副隊長のエピソードが読めるとは思っていなかったので
    それも嬉しい驚きだった。
    緒方さんの図書隊入隊の経緯が思っていたより相当波乱含みだったものの
    加代子さんとの関係は読む前に想像していたより修復できる余白があって
    尚且つ折口さんのインタビューのくだりで
    更に希望を見い出せる終わり方になったのでよかったと思う。
    このふたりはどの組み合わせよりも穏やかな感じがした。

    『昔の話~』は堂上夫妻のデレッぷりを補完するのに加えて
    堂上さんと小牧さんの青い部分が垣間見られたのが面白かった。

    そして本命、『背中合わせのふたり』。
    このシリーズの中でいちばん始末に負えない奴ら(坂上と水島)が出てきた。
    言い換えると理解することを頭が拒否する奴ら。
    ストーカーの正体は途中でなんとなく気が付いた。動機までは判んなかったけど。
    最初は純粋に恋心だったのかもしれないけど
    次第に自分に都合のいいように物事を捻じ曲げて捉えるようになっていく
    水島の存在は怖いのを通り越して薄気味悪い。
    一歩間違うと誰でもこうなれるんだよ、というサンプルを見せつけられた気がする。
    情報屋と異名をとり、人間観察眼に絶対的な自信を持ってるはずの柴崎をして
    水島の本性を見抜けなかったというのは少々意外だった。
    水島がそれほどに上手く隠していたのか、或いは柴崎の側に変化があったのか。
    もし、柴崎に変化があったとしたら郁と手塚の影響なんだと思う。
    柴崎が手塚に救出されたときのふたりの遣り取りは読んでて泣きそうになった。
    美人なうえに頭が切れる、と自覚している柴崎が
    無防備なところを初めて晒したところがどうしようもなく可愛かったし、
    晒した相手が手塚だったところも、お互い報われた感じがして嬉しい。
    そして、その無防備な部分を受け止める度量を手に入れた
    手塚の成長振りも眩しかった。
    このふたりに関してはようやくまとまった感がハンパない。
    というか、このふたりを纏めないでシリーズを締めるのは無しだと思ってた。
    なので読み終えて最初に思ったのは『柴崎、よかったね』だった(手塚は?/笑)。

    玄田さんと折口さん、緒方さんと加代子さんなど
    気になってた部分はショートストーリーまで入れるとすべてフォローされていたと思う。
    個人的には小牧さんと毬江ちゃんの結婚式だとか
    ベタ甘は関係ないところでは進藤さん目線の話なんかも読んでみたかった。

    それはそうと『後味が悪い』と進言してくれた有川さんの旦那さんは
    大ファインプレーだと思う(笑)。
    そのおかげであのシーンが読めたんだし。

  • ストーカーって、怖いですね…。
    映画化されてこの別冊も入るかが凄い気になる。

  • 終わった恋に望むとすればー君に幸あれ。ただそれだけを。
    そしてどうか俺がここて君の本も守ることを許してくれますように。

    メディア良化法によって図書が狩られる時代、それに対抗する図書隊での、図書に対する思いや人間関係や憧れや恋愛やらがたくさん詰 、全六巻の最終巻、別冊second。

    結婚後の堂上夫妻、副隊長の入隊経緯、なかなか進展しなかった「背中合わせのふたり」の歩みだし。
    教官ふたりの新人抗争時代なんかもあったりして。

    物語は終わっても彼らは生き続けているのだ。
    図書が狩られる時代が終わった訳じゃない、結婚がゴールじゃない。
    どんな物語を読んでも、彼らもまた続いていくんだ、ってことを思う。

    いつになっても特別な本です。
    シリーズは長いんだよな、買い始めると最後まで読みたくなるだろうし、ハードカバー何冊買えば…図書館戦争を買う前、そのタイトルとあらすじに惹かれて、有川さんの本を読んだこともなかったのに、そんなことを思ってしばらく悩んだ自分が懐かしい。
    買ってよかった。読んでよかった。
    そう思える本です。
    ハードカバーと文庫版と、どちらも買ってしまうほどに(文庫版はpresentだけど)(笑)
    これからも繰り返し読みたい、いつか子供にも読ませてあげたい本です。

  • 柴崎と手塚のお話。

    とてもいいカップルになってくれて、
    私としては嬉しい。

    うっかり返却してしまったので
    引用が正確にできませんが

    (私を)「大事にして大事にして!
    私も(あなたを)大事にしたい!」

    という柴崎の叫びは、
    痛いほど分かるだけに刺さりました。

    人の幸せを妬んだり横目で見ているのは嫌。
    でも、幸せになれない自分も分かっているから、
    自分を一番突き放すしかない…。

    そんな気持ちが素直に愛し合うことでほどけたら
    本当に幸せですよね。

    それと、ここで柴崎が巻き込まれた事件。

    愛することと、欲求の対象になることは
    重なっているようで、女にとっては違うのだということも
    気がついてもらえたらいいのだけどなあ。

    それと、緒方の淡彩画のような恋も
    芯が強くて私は大好きになりました。

    玄田と折口もそうですけれど、
    大人には大人なりの恋があって、
    こちらも決着がついて良かったです。

    愛する、という心の動きには
    あまり年齢は関係なくて、
    あるところで心の芯ができると
    それはいくつになっても変わらないのかな、とか。

  • 素敵なサイドストーリーがぎゅっと詰め合わせ。

    主人公に続いて純情遠回り組さんの恋たちに
    こんなに泣かされることになるなんて。

    なんだかんだとかわいい兄弟の雪解けも
    たまらなくうれしい♡

    不可抗力である「美人」に生まれたゆえの
    苦しさ、苦労、辛い気持ちを
    たくさん呑み込み、超えてきた柴崎の
    全部をくるんであまりある手塚の不器用ながらも
    大きな愛情と、その中に素直さを
    見出していく柴崎の光景が見れたことが
    郁ちゃんと手をとって号泣したいほど感慨深くうれしい。

    父のようにあったかい稲嶺指令の大きく広げた
    腕の中で幸せに微笑んでいるような
    大団円極まれりで大満足な最終章。

  • わぁ、とうとう<図書館戦争>シリーズも最後の1冊となってしまった。
    そして、一晩で読んでしまった。
    だってぇ~
    最初のお話は、緒方副隊長と元彼女と進藤さんのお話だったの。
    とっても、よかった。泣いちゃいました。
    緒方さんの過去の話は、本編のなかで思わせぶりに書かれているけど
    その回収がされてなかったから、ずっと気になっていた。
    だから、よかったわ。
    ふたつめのお話は、堂上さんと小牧さんの若いころのお話。
    これも、気になっていたから、楽しく読めたわ。
    だけどね、この段階では、物足りなくて眠れなかったのよ~
    もっと甘々な話が読みたかったし、
    一番気になっている柴崎と手塚の話が全然でてこないし・・・。
    で、ちょっとだけ、と思って次を読み始めたらもう
    止められませんでした(笑)
    私の中で最大の気がかりだった柴崎と手塚のお話だったんだもの。
    更に、事件も大きくて嫌ぁ~な感じだし、
    気になって気になってラストまで読んでもうた。
    ふふっ。満足!
    そして、有川さんのご主人に感謝。
    あとがきに書いてあったけど、本来は、
    小牧と手塚の乾杯のシーンで終了だったとか。
    でも、あまりにも後味悪すぎて相殺できないからというご主人の言葉で
    ラストが書かれたそうです。
    私もまったく同じ気持ち。
    事件が気持ち悪すぎて、ホント後味悪いほうが強かったけど、
    ラストでめっちゃハッピーになれました。

    更に、最後のショートストーリーも、なかなか乙でございました。

    よかったわ~
    図書館戦争本当に面白かった。
    ほかの、有川浩先生の作品もぜひ、読んでみたいと思います。

  • 一回目に読んだときは手塚と柴崎にあまり興味がなかったので
    ふーんって感じでしたが再読してじっくり読んでみれば
    これはこれで恋愛要素満載でキュンキュン来るなと(笑)

    別冊1は堂上と郁らしい話ばかりで
    ドタバタしつつも甘々で
    少女マンガみたいな恋物語だったけれど
    別冊2は大人な2人にあった綺麗めなお話な気がします
    2人のしっかりと正統派な恋愛の結末が見えて良かったです
    「背中合わせ」っていうところがツボです

  • カラーページのキャスト一覧にも載っていない緒形副隊長の話が始まった時はどうしようと思いましたが(笑)、良化隊員になる人の経緯は非常に興味深かったです。まるで現代の就活生を象徴しているかのようでした。自分で調べて考えるって本当に大事ですね。
    また、柴崎と手塚の話は「郁と堂上教官」以上にヤキモキしていた2人のその後だったので、最後は読んでいて涙が…!良かったね〜手塚〜と(笑)
    何より柴崎のおかげで素直になる大切さを知れました。
    この巻でシリーズは終了ですが、個性溢れるキャラ達はずっとずっと自由に戦い続けていくのではないかと思います。彼らに負けないように、彼らのような世界にならないように、私も頑張らねば…!
    ありがとう図書館戦争!!

  • あー、遂に終わっちゃうのかあー。
    もっと長く続いて欲しかったー。
    このシリーズと一緒に歳とりたい!

  • 読み終わったよーーー面白かったよーーーでも読み切っちゃって寂しいよううううう(T△T)

    「もしもタイムマシンがあったら」は緒方副隊長のお話。
    もと良化委員だったなんて驚いたよ!
    まさかこんなすごい過去抱えた人がひっそり控えてるなんて思わなかったよ!
    そしてこの話は切ない。マジで切ない。
    読んでいて胸がぎゅうっとなった。

    自分でも作家目指してるから、加代子にめっちゃ感情移入してしまってのう…。
    初めて自分の作品が載る雑誌。
    それを他の誰でもない自分の一番好きな人が狩るなんて酷いよやるせないよ絶望するよ。
    きっと一番喜びを共感してほしい相手なのに。

    お互いが誰かじゃ換えられない一番なのに、一緒に入れなくなっちゃったのが切ないと思ってたので、長い時間をかけてまた二人が歩み寄れて本当良かった…。

    「昔の話を聞かせて」は、堂上や小牧の昔のお話。
    クマ殺しエピソードの詳細がわかります^^

    「背中合わせの二人」は手塚と柴崎のお話。
    堂上・郁ペア以上にじれったくて、幸せの行方を一番知りたかった二人かもしれない。
    クライマックスで「俺が見つけた」
    っていう手塚のセリフに乙女回路が限界ぶっちぎったよね。
    ぐおおお、そういう運命の相手に言うようなセリフ言われてみてえええええ……!!
    その後大泣きする柴崎も可愛くて仕方なかった。
    良かったねえ、良かったねえ。幸せにおなり。

    登場人物がみんな生き生きしてて、実在しているかのように感情移入しまくった図書館戦争シリーズでした。
    読み終わってしまったのは寂しいですが、読後も本の向こう側に広がる世界はきっとまだ続いていくのでしょう。
    そう思える良い本に出会えました。
    1~4巻巻末の児玉さんとの対談、別冊のインタビュー含め大満足!
    面白かったです!

著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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