本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784043908011
作品紹介・あらすじ
作り手が透けて見えるような実直な製品や、元の持ち主の生活の匂いまで感じ取れる愛すべきがらくた。パリの裏路地のアンティークショップや、かび臭い古道具屋で、作家が出会った「もの」と「人」。
みんなの感想まとめ
物に対する深い愛情と、作家の独特な視点が織りなす魅力的な物語が展開される。著者は、パリの裏路地や古道具屋で出会った品々を通じて、物の持つ歴史や魅力を丁寧に描写し、読者をその世界へと引き込む。古い品々か...
感想・レビュー・書評
-
物に対しての愛情が半端ない!
一つの物から筆者の類まれなる想像力やインスピレーションで物語を広げていく
エッセイとあったが、物語だと思った
小川洋子に近い、柔らかい文章でスラスラ読み進められた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
骨董品などではなく、少し古いくらいの品々に魅せられている著者のエッセイ。
古道具屋の埃の匂いや金物が机に当たる音まで実際に感じそうな端正な文章で、読んでいて心地好かった。 -
2019/8/11購入
2021/9/29読了 -
学生の頃に読んだフランシス・ポンジュの『物の味方』を想いだした。小説のように彫琢を凝らした文体ではないが、サラッとしていて、それでいてフランス風のエスプリを持った、ちょっと小粋なエッセイだ。「もの」は、あくまでも「物」であって、それ自体は生きてはいないのだが、ここでのそれらは何と生命感に溢れていることか。とりわけ2匹並んだ犬(本来は互いに無関係だったもの)のおもちゃのコンビの絶妙なこと。まさに「幼稚園の頃からの友だちみたいにたたずんで」いる。そして、ガラクタ市で売っている人たちとの掛け合いもまさにパリだ。
-
堀江さん、初トライ本。好きだな、文章。
-
はたから見ればただのがらくたに過ぎない中途半端な物たちに惹かれる著者が、主にフランスで出会った物たちについてペンを走らせた好エッセイ。
スライド映写機、珈琲ミル、陶製のペンギン、木製のトランク、ドアノブ、キッチンスケール、木靴、ビー玉etc.
年代物の高価な骨董品ではなく、20年から100年くらい前の使われなくなったものたちである。
「物心」という言葉があり著者はそれに心思いを馳せる。
もののはずみで買ってしまったものたちは、著者と心を通わせ世界を広げるための力となっていく。
堀江敏幸さんの文章は、小説にしてもエッセイにしても独特の静けさを持っていて大好きだ。
芥川賞作家であり、明大教授の堀江さんは毎日多忙な生活を送ってらっしゃると思うのに、彼の描く世界はまるで時がゆっくりと再生しているようで、その静謐の中に贅沢な空間を見出す。
劇的主題を持つわけでもなく、強烈な光を放散するでもなく、レトリックに凝るわけでもない。
静かに時を流し、静かに独創的な世界を作り上げる。
その白き静けさに堀江さんの文章を読んでいるとゆっくりと満たされていくのだ。 -
うまい。座布団お好きなだけ。
-
最近要らないものを買うことを覚えました。つい目に入って衝動買いしたもの、他にも持っているけど欲しくなったもの。緊急性も機能もないけれど、ただ並べておいたり、気分で使い分けたり、それだけで幸せになれるという点では自分には必要なものです。
堀江氏が好むのは、アンティークとするにはまだ歴史の浅い数十年から百年くらい前のもの。そのコレクションはキッチン道具から文房具、置物に家具と多岐にわたります。写真を見るだけでも楽しいし、文章から写ってない部分を想像するのも面白い。何より、ものに纏わる話に静かな興奮を覚えました。詩的な言葉を使う売り手に、堂々と「品質保証なし」と掲げるメーカー、著者が購入に至った経緯や活用法。それこそ詩的な言い回しや品のあるユーモア、偉ぶることのない表現で語られる逸話の数々に、もっと話を聞きたい、読み終わりたくないという気分になりました。
一つのものが作られ、人の手に渡り、今ここに存在するに至るまで。その背景を感じる楽しみを教えてもらいました。 -
物を選ぶ ということについて語るエッセイ。何を書いても堀江的世界に染まる。さらりさらりと流れる水のような感じ。
-
同じ物欲と言っても、こだわる「もの」への思い入れが、あたりまえだけどわたしとは違う観点で、面白かった。軽いタッチのエッセイで、著者も楽しみながら書かれたんだろうなぁ、という雰囲気だけど、行間の奥深さはさすが。
-
-
あー、こりゃあ何度読んでもいいねー、まったく。。。(09/9/24)
-
作者の「もの」に対するこだわりや愛しさがおかしく少々せつない。作者の密やかな趣味をちょっとのぞいてみた、そんな雰囲気のエッセー。
-
いいですね。ここに描かれているような、「もの」や「ことば」への接し方、とても好きです。文庫版では、片岡義男の解説がアクセントを効かせています。
-
「物欲」にまつわる楽しいエッセイ。
場所はパリ。著者独特の視点から、「もの」を見つめる。
著者はずいぶんと変わったタイプの「もの好き」である。
著者が買うものには、必ず心惹かれるストーリーがなくてはならないようだ。買うに至ったエピソードではなく、その「もの」のプロフィールであり、歴史が必要なのである。
だからといって、骨董的価値なんて全然関係ない。由緒もいらない。事実であるかどうかもどうでもいい。ただ著者が、きっとそうに違いない、と想像でき心躍ればいいのである。こんな人たちの手を経て、こんな風に使われてきたんだろう。「もの」から想像される物語が著者の堀江さんはすこぶる好きな様子だ。
だから、堀江さんの選んだものに新品のものはない。新品には過去の物語がないからである。
人が見たらガラクタと言いそうな戦利品たち。時々眺めて、その背景にある物語を想いさすらい、愉しむ。そして、本書のようなエッセイにして、さらに想いを深める。
我々読者が買うことのできない「もの」たち。「もの」は持ち主の体を表す。堀江さんのエッセイを通して、「もの」との新しい付き合い方を学んだ気がする。 -
何てことない掌編かもしれないけれど(いや、そんなことはないか?!)、堀江さんのものに対する温かみのある視線?が伝わってきました。
そうか、文筆業の人って、こんな風な観察眼を持っているんだな…。 -
物欲、という言葉はあまり聞こえが良くない。けれどこんな物欲なら、許してやってもいいんじゃないか、と思えてくる。もの、という今の自分たちには切り離せないあれやそれをちゃんと見つめるってことを考える。
-
09/07/05購入
09/08/31読了 -
やはり静謐な。「選ばれたモノ」そして片岡氏のいう「選ばれなかったモノ」、いずれにもドラマがある。モノは語るのだ。ただつらつら読んでいただけだが、最後にきて、里見惇が念頭にあったとは…音の響きだけなのか、それとも…不勉強な私にまた手に取ってみよう思う本が増えた。またそのうちきっと読む本だ。
-
やはり静謐な。「選ばれたモノ」そして片岡氏のいう「選ばれなかったモノ」、いずれにもドラマがある。モノは語るのだ。ただつらつら読んでいただけだが、最後にきて、里見惇が念頭にあったとは…音の響きだけなのか、それとも…不勉強な私にまた手に取ってみよう思う本が増えた。またそのうちきっと読む本だ。
-
ここまで物に思い入れをいれたり、ついつい想像を広げたりするのって、ものすごく楽しそうだけどおなじくらいかそれ以上につかれそう。 「空気が一変した」が好き。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
堀江敏幸の作品
本棚登録 :
感想 :
