国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043911011

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  • 2008年(底本2007年)刊行。
    「だいたいやねぇ」の政治評論家竹村健一と佐藤との対談集。

     対談故か、話に深みは感じ取れなかったが、テーマは沖縄、ロシア(旧ソ連)、日露外交、学習法・読書術、語学、宗教、外務省・外交官など広範囲にわたる。
     いずれも佐藤のテリトリーであるためか、彼の語りが多いのが特徴かもしれない。
     そのなかで、外交・政治を主領域とする竹村らしさが顔を出すのは、日露外交などで日本の政治家(橋本龍太郎など)が言及される件。

     佐藤の誑しぶりが伺える一方、竹村のお茶目かつ暖かな為人も垣間見える。
     そもそも竹村とは思想的に真逆である小田実を、共に時代と格闘したという意味で「戦友」と評したのが、意外とも竹村らしさとも感じ取れたところ。

     収穫というわけでは全くないが、憲法観については、両名とも全く違うことだけは確認できた。

  • 佐藤優氏と竹村健一氏の、沖縄、宗教、知力、ロシア、官僚、憲法などのテーマに関する対談。竹村健一氏と言えば特徴あるキャラのイメージが先立ち、あまり注目してこなかったのですが、誤解をしていたようです。テーマ自体は佐藤氏お得意の分野ですが、竹村との対談によりさらに突っ込んだ内容になっています。さすがに中村うさぎとは違う(笑)。
    佐藤氏は、速読術を熟読するための本を選別するために使っており、熟読しなければ知識は得られないと…。確かに。肝に銘じておきます。

  • 著者の外交官時代を描いた『国家の罠』がとても面白かったので期待して購入したが、これはイマイチ。。
    筆者の論理展開に飛躍を感じてしまい、読む気を無くした。

  • 090626

  • 以下、備忘録的に印象に残った言葉を記す。

    竹村「(学者というのは)難しいことをやさしくするどころか、やさしいことを難しくいいたがります」「日本のマスコミは一点集中型で同じ話題を「これでもか」と報道する」

    佐藤「語学こそ努力しないと上達しないものです。集中して机に向かう訓練が大事なのです。(中略)この人間は伸びるかどうかを見極めるポイントはたったひとつ、机に集中して向かうことができる能力があるかどうかです」「試験をパスするコツも、机に一定期間集中して向かう能力があるか否かです。集中して記憶をし、それを再現する能力、それは知識人として最低限の能力なんです。試験とは、その基礎能力があるか否かを見るだけのものです。」

    佐藤「動物は、敵だと思う相手がいる場所では、決して同じ餌を食べません。一緒に食事をするのは、敵ではないと認識したからであり、安全だと考えているからです」

    佐藤「・・・自分にはっきりとした考えがないと、他人には寛容になれない。」「自分の考えを押し付けるのはよくない、結局、悲劇を生む。(中略)最近の社会情勢を見て、異分子を排除する精神が高まってきつつあるように感じます。これは危険です。」

    佐藤「濫読は重要ですね」「興味を持つ力をなくしたら、知的なものは入ってこなくなるでしょうね。日本のいま、特に若い世代に問題なのは、興味をもつ力が落ちていることではないでしょうか」

    竹村「ロシア式速読法というものがあるとか。」
    佐藤「特別な方法でありません。・・・基本書を完全にマスターしておくから可能になる方法です。・・・ロシアの学生は・・・小学校、中学校、高校で教科書を徹底的に丸暗記するからです。・・・丸暗記をして基本データが頭の中に入っているから、それに関連したテーマなら瞬時に理解できる。だから速読が可能になるのです。」
    竹村「ということは、基本データがインプットされていない分野は速読できないということですか。基礎知識がない分野は記憶できないということと同じですね」
    佐藤「同じです。いくら目の動かし方とか、ページのめくり方を訓練しても、基本データが入っていない分野では無意味だと思います」


    憲法に関する諸問題、露西亜に関する議論等は興味深い。竹村氏が概ね聞き役に回っているのが印象的だった。

  • なまじっかなビジネス書よりもよっぽど勉強になる。親子ほど年の離れた二人がお互いに敬意を抱きつつ対談する様子も伺えて読んでいて楽しかった。

  • 竹村健一氏が、佐藤優氏と三日間、寝食を共にして語り合った対談集。それぞれのエピソードは、非常に興味深いものがあった。

  • 天皇や憲法に対する考えは全く逆の二人だが、タイトルにあるように、寛容と多元主義こそがこれからの世界の平和に重要であるという点で一致している。
    そのためにも欧米の一神教的思想では無く、神道の精神を世界に広めることがその具体的な方策になりえるとの見解には賛成。

  • 今まで自分の中で曖昧になっていた部分がクリアーになる快感が味わえる。例えば憲法改正の問題。感覚的に改正すべきでないと思っていたが。権威と権力が明確に分けられていること。天皇は日本国の象徴という権威を持っていて権力を持っていないことが大事だという点。うなずける。こと憲法問題に関しては竹村氏は改憲、佐藤氏は護憲だが、佐藤氏の方が説得力あり。佐藤氏は保守、革新、右派、左派というカテゴリーに当てはまらず自由に論理的、そして現実的な解決策を提示していく。これが実に新鮮。

  • テンポ良い対談。新しい見方を発見できた一冊。

    人間の煩悩から来る悪を見定め、知的に対応する佐藤優氏のパワフルなエネルギーに勇気をもらう。

    佐藤優氏の本ははじめて読んだが、彼は護憲派だったことを知る。
    理由は、愚集政治の中で、人民主権さえ守れば良いという気風が出来上がると、世界に稀な皇統廃絶につながる可能性があるということ。逆に天皇が元首として君臨し、交戦権が認められ、戦争に敗れた場合、天皇制が崩れる可能性がある。かえって、よれよれの今のままのほうが良い。

    ●日本の場合、政治権力は転々とし、様々な間違いを犯しますが、皇統と言う権威によって国家は維持されています。それに対するロシア人の尊敬は大変なものです。ロシア革命の騒乱の中で、ロマノフ王朝一族を皆殺しにしてしまった。いまになってロシア人はそれを後悔しています。
    ●日本という国を考えた場合、権威と権力が明確に分かれていたから、ここまで発展したのだということです。・・・権威と権力が別れていれば人間は多元的な価値観のよさに気づく。
    ●自虐史観が成立するのは、日本が神の国だからなのです。皇統の伝統が続いている国だから、過去に対して永遠に責任を持たないといけないという刷り込みがもたらされる。中国のように革命が起こる国では、前の国の施策には責任を持ちません。

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