粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.75
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本棚登録 : 826
感想 : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043913022

作品紹介・あらすじ

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。

感想・レビュー・書評

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  • 大本命、読むのが勿体なくて積読される悲劇の粘膜シリーズ第二弾...////
    「河童」の次は「蜥蜴人間」 「髑髏」の次は「姫幻視」相も変わらずのぶっ飛んだ世界観に導入される密林の化け物達。
    30センチを超える蛭に人の腕を喰らおうとする巨大ミミズ 更にそれを食するテラフォーマーズ(G) 知らん方からすればハテナマークのオンパレであるこの世界観を一から説明したら世が明けます夜では無いです世紀跨ぎます。

    物語は雪麻呂サイドと雪麻呂の友人の兄サイドで進んでいきます。
    雪麻呂Partでは自分のイタズラが過ぎて死んだ友人を別の友人に解体させ、自身の(父の)権力にて不慮の事故とし隠蔽しようとする雪麻呂の傍若無人な振る舞いで幕開。支配する者とされる者たちの暴力と血と淫で塗れた描写が続きます。

    兄Part。
    ここでも当たり前のように理不尽が飛び交い人がバタバタと脱落していき、更に上記怪物が乱入ともうお祭り騒ぎです。蜥蜴人間達もしっかり登場致します。言うまでもありませんが暴力と淫に塗れております。
    この作者様は本当に人を壊すのがお上手です。

    そしてなにより雪麻呂と富蔵のキングオブコントな二人。彼等の会話が「....なんか好き///」となったのは私だけではないはずです。
    全てを理解した後に富蔵の応援歌を考えると...なんとも居た堪れない...
    (フレフレぼっちゃん!イケイケぼっちゃん!)

    ーーー
    この人は本当に人間なのだろうか...と不安になる作者様の脳内。前作「粘膜人間」で鳥肌のその先へ連れていってくれた「髑髏」の存在。
    人間の破壊とメンタルの破壊を繰り返す悪魔のような書物でした(全力の賞賛デス)
    それを踏まえての今作品。
    今回の髑髏枠は「姫幻視」だったのでしょうが、やはり私は女性側として完全に引かせていただきました。いえ、これが正常な判断なのです(笑)
    ナンノコッチャで気になったそこの麗しき(´・ω・)σ貴女
    共にこの不快感を味わおうじゃありませんかShall we dance?

    恐らく「粘膜シリーズ」は内容を全てお話出来たとしても人にこの世界観を伝えるのは不可能でしょう。手に取り読んで初めてこの気狂いな世界を体感出来ます。ですが決してオススメはしません。←
    手に取ったら後悔するかこの凄まじい世界観に感嘆するかのどちらかです。そして((小声))残念ながら((小声)) 圧倒的に前者側に陥る方が殆どだと思います。
    ....ホラー映画嫌いなのに気になって見ちゃってその夜を全力で後悔しながら眠りにつくタイプの貴方。ぜひこの一冊読んでみてはいかがでしょうか...へ(゜∀゜へ)フッフッフッ

    • 奏悟さん
      NORAさん

      読了お疲れ様です(笑)
      うんうん、そうそう、と終始にやつきながらレビューを読んでいた私を許して下さい!

      読まないと伝わらな...
      NORAさん

      読了お疲れ様です(笑)
      うんうん、そうそう、と終始にやつきながらレビューを読んでいた私を許して下さい!

      読まないと伝わらない世界観なのに、オススメすることを躊躇してしまうジレンマ( *´艸`)

      繋がりの無いようで別の粘膜シリーズにある方が登場したりして、どうやって全体像を考えているのかと。

      作者さんの頭の中を覗いてみたいものです。
      またレビュー楽しみしています。
      富蔵サイコー!( ´∀` )b
      2021/03/11
    • NORAさん
      奏悟さん、こんばんは。
      うふふふふ...待ってました(◦ˉ ˘ ˉ◦)←

      残念ながら確実に、読んでプラスの何かを得る事はないですからね、、...
      奏悟さん、こんばんは。
      うふふふふ...待ってました(◦ˉ ˘ ˉ◦)←

      残念ながら確実に、読んでプラスの何かを得る事はないですからね、、、
      純粋な読書好き様にこそ勧められない複雑な代物です。。。笑

      そうみたいですね..!!!
      完全にー混ぜるな危険ー信号出てる気がしますが、自作も楽しみにして読みたいと思います(≧ω≦)

      虎視眈々とヘルビノ語習得を狙っているこんな私の本棚をいつも見に来てくれてありがとうございます!!ぷるっきゅるん!!
      富蔵雇いたいでございやす!!

      私も奏悟さんのレビューこれからも楽しみに待っております...♪*゚
      2021/03/11
  • なんて天才的な想像力。
    「粘膜人間」同様、旧国家の日本が舞台なのですが、頭が蜥蜴の爬虫人の村がナムールに存在し、独特で想像を絶する世界観が広がります。
    金持ちでわがままな病院の息子、雪麻呂が、友人や家族との関係で生じるトラブルが気持ちいいくらいあっさり処理されていくのが、何だか爽快です。
    エロくてグロテスクでバイオレンスですが「愛」がテーマなのだと思います。
    ラストもすごく良かったです。
    とんでもない世界観のお話ですが、道徳のお勉強にもいいかもしれません、、、よ?
    刺激強めですが。

  • グロテスクながらも、ユーモラスさ、爽快感のある話だった。富蔵のデンデン太鼓の応援歌がよかった。

  • 粘膜シリーズ。
    へルビノなる蜥蜴人間が登場。
    前作同様、読み終わるといろんな意味で疲れるなぁ。富蔵さんがいいキャラです。

  • ★★★★
    今月3冊目
    こりゃら凄いっすよ、前粘膜人間読んだが、これは面白い。作者の頭の構造がわからん。
    説明ができないが
    とにかく面白いワールドだ。

  • なんとも衝撃的な作品だった!
    カバーデザインから単におどろおどろしいだけの話を想像していたが、実際はとてもしっかりした小説。ホラー/ミステリー/コメディどの部分も見事で、大いにおののき、大いに笑わせてもらった。第二章、密林行のくだりは息を飲む面白さ。初めて読む「粘膜シリーズ」の作品だったが次はどれにしようか悩む〜。

  •  遅ればせながら、飴村行の粘膜シリーズにはまった。4作すべて読んだが、ベストはこれ。第弐章「蜥蜴地獄」の秘境冒険SFの部分がたまらない。ページをめくる手が止まらない面白さだ。肉食ミミズだの、巨大なゴキブリだのが攻撃してくる東南アジア・ナムールのジャングルの描写は貴志祐介「新世界より」の奇怪な生物たちがかわいく見えてくるほど。

     日本推理作家協会賞受賞作なので、ミステリの部分も申し分ない。グチャグチャグッチョンの描写があるのに、ラストには切なさが横溢しており、この小説の余韻を深いものにしている。傑作としか言いようがない。

     粘膜シリーズには河童や爬虫人ヘルビノなどが登場してくる。だから粘膜なのかと思ったが、作者インタビュー(http://bookjapan.jp/interview/090114/note090114.html)によれば、「粘膜というと卑猥なイメージがあるでしょう。グロテスクで、さらに卑猥というイメージ。河童が代表例なんですけど、この小説の登場人物はみんなそういう、グロテスクでどこか卑猥という印象があると思います。だから、登場人物をすべて象徴する言葉として粘膜を当ててみたわけなんです」ということなのだそうだ。

     これ、映画化かアニメ化ができないものかと思う。そのまま映像化すると、R-18は避けられないだろうが、監督は三池崇史が適任なのではないかと思う。

  • 粘膜シリーズ初体験。

    噂通りグロかったけど、文章のテンポが天才的にうまいのであっという間に読み終えてしまった。
    ・冒頭に出てくるライヘが何を意味するのか
    ・雪麻呂の父親の研究が何か
    を考えながら読んでいると、オチは途中で容易に予想はついたものの、ストーリーも楽しめたし、下品/不謹慎なギャグもキレキレで秀逸だった。

    生き地獄のような南国の描写は、絶対にこんなところ行きたくねえぇぇ・・・と思わせるものの、そういえばグイン・サーガでは物語冒頭のノスフェラスの描写に一番ワクワクしたものだなあと思い、新潮文庫のコピー「戦争は読むもの」「差別は読むもの」「不倫は読むもの」がふと頭をよぎった。これ角川ホラー文庫だけど。

  • 顔以外は人間によく似た爬虫人なる架空の生き物が出てきます。
    タイトルにある蜥蜴(とかげ)人間です。どれだけおぞましいのかと思いきや、案外キュートなんだな。笑
    権力を持った人間の業の方がよっぽどおぞましく、げんなりするシーンも多々あり。
    だけど…なんだろな〜この癖になる感じ。 飴村氏の著作はこれまで数冊読みましたが
    グロとインモラルの中にある独特のユーモア、これがいい味出してるんだよなぁ。

  • 前作のように方向性も結末も定まらず、激しい衝動のみが暴れまわるのかと思いきや、メチャクチャななかに因果応報の要素をもって、しっかり着地しているではないか。
    エロとグロとバイオレンスに充満した世界に不快感以外のものを感じるのは、私が特にイカれているからではあるまい。
    すべてのキャラクターたちの滑稽で悲しいまでの愚かさが作品を祝福すべきものに変えている。
    作者はただ単に、残酷であることに酔っているとは思われない。
    異形であれ、忌むべき存在であれ、愛も救いも与えられている。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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