粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 551
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043913039

作品紹介・あらすじ

ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。待望の「粘膜」シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 粘膜シリーズ第3弾。
    突拍子もない世界観のエログロ小説です。

    「粘膜人間」のキチタロウ様や「粘膜蜥蜴」のナムールでの戦争、蜥蜴人間なども登場します。

    冴えない双子の兄弟の高嶺の花ゆず子との恋愛話から、徴兵され戦地ナムールでの拷問、ヤクザとの対決、親の敵討ちなど、次から次へと幅広い展開されていきます。

    グロい表現が続く中でも「双生児」を双子の意味だと知らず「ソーセージ」だと思って上官に解答するという可愛い場面もあったり、全体的にギャグっぽい印象のお話です。

    定期的に軽い気持ちで読みたくなるシリーズです。
    素晴らしい想像力に、毎回感動させられます。

  • 粘膜シリーズ。
    相変わらずのエログロさ。
    拷問の描写は、かなり痛そうだが、ヘモやんに癒された。

  • ★★★★
    今月4冊目
    今作は面白い。粘膜シリーズ3作目
    1番面白いかも。
    エログロと大スペクタクルが凄い。
    場面展開多すぎだし飽きない。
    傑作

  • 磨太吉、矢太吉、ヘモやん、
    吉太郎、ポン太、黒助、亀吉。
    可愛いユニークなキャラクター盛りだくさん。
    これらを見られるだけで大満足。

    展開は幸福と不幸を織り交ぜてながら
    不幸な方へ傾いていく。

    前作の『粘膜蜥蜴』のような愛のあるオチを
    予想していたが、力技のラストが少し残念。
    テンポが良く勢いのある疾走体験は同シリーズの
    白眉。

  • ヘモやん最初は気持ち悪い爺様なのに段々と親しみが涌き、可愛く見えてきました。
    粘膜シリーズ、最初は、ひぃぃとなるキャラが最後には親しみわくキャラが一人、二人いますね。

  • 粘膜シリーズ三作目。1番ストーリーがしっかりしていた。絶妙なファンタジック具合も良かった。一作目の耽美な感じももっと欲しかったけど満足出来る作品だった。

  • 飴村さんが上手くなったのか、読んでるコチラ側が
    麻痺して馴れてきたのか分からないんですが、もう
    既にこの世界観を普通に、当然の如く受け入れてしまって
    いる自分がいます。というか...前2作に比べて、所謂鬼畜っぷりや
    ぶっ飛んだ描写などは少し控えめになっていて、今作の
    主人公の「磨太吉」「矢太吉」の双子兄弟が、割と普通な
    人間に感じることすらあるんですけどw。

    しかし、その分本筋であるストーリーが壮大になりつつ、
    しっかり飴村作品として収拾するラストはもはや、唯一無二
    なんではないでしょうか? 行き当たりばったりで展開されて
    いるようでいて、しっかり伏線(なのか??)も回収するあたりは
    所謂ミステリ畑の読者も惹き付けるものを持ってますよね。
    単純にエログロ好きなサブカル寄りや、スプラッタなホラー
    寄りのファン以外をも、面白がらせてる所以ではないでしょうか?

    それにしても今作で登場する「ヘモやん」の存在の大きいことw。
    こういうキャラを書かせたら本当に天下一品。ある意味、この
    キャラが全てを持っていってしまいそうなのに、そうせず、印象的な
    存在としてのみ扱うセンスが凄い。
    あり得ませんが...実写化しても、この役を受ける俳優なんて
    絶対にいないと思うw。

  • 吉太郎が出てきたり、ヘルビノが出てきたり・・・と過去2作を読んでるとつながりがわかるんだけど、面白さでは粘膜蜥蜴を超えられず。
    粘膜シリーズの集大成ではあるけど、最高傑作ではない。
    ただ、へもやんとフグリ豚はよかった。
    あいかわらず独特のキャラが冴えてる。

  • なんとも説明しがたいし、内容のある物語だとは思わなかったけども、引き込まれたし、続き気になったし、好きなんだと思う!

  • 粘膜シリーズ第三弾。
    戦時下を舞台に山奥でひっそり暮らす兄弟とカフェで女給として働く一人の美女。三角関係の恋路は戦争をきっかけに大きく動き出す。ナムールへの出向命令、現地で出会う爬虫人、そして時折現れる黒い影の正体は何なのか? ホラー、グロテスク、SFそしてラブロマンスを加えた物語はとんでもないラストへ。

    まともな話だと思ったんですよね途中までは、そしたらいきなり異空間から黒い影があらわれるんだからびっくりしちゃう。河童と蜥蜴はまだ説明がつく存在だったんですけど今回はいよいよ分からない。そして舞台はまたもや戦時下最前線のナムールへ、話もぐちゃぐちゃだし体もぐちゃぐちゃになったところで盛大なネタバラシ。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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