白の鳥と黒の鳥 (角川文庫)

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  • 角川グループパブリッシング (2008年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043918010

白の鳥と黒の鳥 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なんだか不気味だったり、ほんわかしたり、深い意味があるような、やっぱりなにもないような。いしいしんじさんの作品はなんとも中毒性が高くてやめられない。あれ、自分の方が世界を見逃していたのかな?と感じてついつい読み返してしまう。

    太った人ばかりが住んでいる村の朗らかさ、紅葉狩り顛末の爺さまの格好よさがよかった。しろねずみのなんだか切ないんだか気色悪いんだかな感じもあとを引く。

  • いしいしんじさんの短編集です。
    なんか……いいんだよ……いいんだって………!
    これじゃ説明になってないな……あーでもこの独特な読後感はちょっと言葉にしにくいです。
    物語の芳醇な要素を抽出凝縮し奇想を贅沢にぶちこんだ聖俗清濁併せ呑む短編が収録されてるのですが、いしいしんじさんはファンタジー要素をまるっとぬいた現実の悲哀を描かせても上手い!と炙ったスルメのごとく噛み締めました。
    滑稽味のある人物造形がその裏にひそむ哀しみを引き立てるというか……ひょうたん島さながら泣くのはいやだ笑っちゃお的な人の日常の一瞬が切り取られていて、胸が詰まる。
    中年にさしかかったニューハーフの孤独な暮らしを描く「紫の化粧」、河原の彼岸と此岸に分かれてのホームレスのカラオケ合戦「薄い金髪のジェーン」など、もうね……こういう話も書けるのかと懐の広さに驚かされました。

    人は本質的に汚いということ。
    でもそれだけじゃないということ。

    居場所を失って河原に流れてきたジェーンが呟く言葉、「俺、ず、ずっとこの着物着てるよ。そ、そうすりゃきっと、も、もっとちゃんと、み、みんな俺のこと好いてくれんだろよ」がたまらなく切ない。
    「肉屋おうむ」の息子が死の床の父の耳元で囁く言葉、「カラタチとブルーベル」のおまじないに目から涙がこぼれた。
    そんないい話があるかと思えば、「赤と青の双子」に出てくる奈津川家さながら異形の家族にぎょっとする。
    跡継ぎの長男、父に疎まれる白痴の次男、赤男青男とぞんざいな名前を付けられた末の双子のみ溺愛する母、酒乱の父。
    家の呪縛から逃れられないと悟った長男の最後の言葉がひしひしとおそろしい……背筋が冷える短編です。
    「すげかえられた顔色」は世にも奇妙な物語で実写化されたらさぞ怖そうなシュールな一編。「紅葉狩り顛末」の大胆な奇想、老マタギ二人のかっこよさに痺れた……!
    「ボーリングピンが立つ場所」は傑作です。

  • 筆者のなかでもわりあい読みやすい作品が詰まってると思う。寓話めいたものがたりを描くときの文章はほんとうにうつくしく憧れる。

  • 万人には到底思いつかないような着眼点で魅せる、ファンタジーでもありリアルでもあり、悲しくもあり愛くるしさもあるショートストーリー集。
    こんなにも多面性がある作家さんだったなんてと、驚きの連続。

    すごく悩ましいけど、私は「緑春」の発想や言葉の表現と、「太ったひとばかりが住んでいる村」の鮮やかで艶やかな描写が好きです。

  • 短編集。
    せっかくの奇想天外で思い浮かばないような設定も話が短いせいでイマイチ世界観が伝わってきません。
    現実とファンタジーの間を行ったり来たりするような話が多い本だけに、一つ一つ話にもう少しこい肉付けがされていればなーと感じました。

  • 黒い話とか目を背けたくなるような話も多かったけど、発想が想像つかないのが多くておもしろかった。

  • 久しぶりに物語を読んだ。

    明るい話ばかりではなく、
    もの悲しい哀切なストーリー。
    短編集だけに色々なものが含まれる。

    いしいしんじの長編が読みたいと、
    思わせるには、十分な手応え。

  • ファンタジーな色合いの中に、毒々しさが混じる短編集。
    いしいさんの作品の中では、全体的にはそれほど良いとは思えなかったが、「緑春」と「紅葉狩り顛末」がすごく好き。

    あと、春日武彦氏の解説も「おお、その通りだ」と思えて良かった。

  • ちょっと途中、こわくなって気分が悪くなり中断。
    好きなひとは好きだけど、深く読もうとするわたしにはちょっと向かなかった。

  • 好きな料理研究家が読んでいたことがきっかけで読んだ。
    あまり、つっこみしないで
    軽く流す感じで読んだほうがおすすめです。

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