魂追い (角川ホラー文庫)

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著者 : 田辺青蛙
制作 : 文倉 十 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年12月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043923021

魂追い (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『生き屏風』の続編。村はずれに住む妖鬼の皐月と、生き物の魂を捕えて、それを売る少年、縁との冒険を描く連作短編。

    「好きだなあ」

     読み終えてまずそう思いました。「これは傑作だ!」という興奮や感動とは、また違うのですが、でも初めに思うのは「好きだなあ」なのです。

     文章はどちらかというと落ち着いていて、淡々とした感じなのですが、その分キャラの魅力が惹きたてられているように感じます。

     前巻では、皐月の「身近な友人」というポジションのキャラクターがいなかったのですが、今回そこに登場するのが縁。どこか気の抜けた二人の出会いから始まり、ふれあいや冒険を通して、徐々に絆を深めていきます。そういう意味ではロードノベル的でもあります。

     二人の間にあるのは友情と、そしてそこはかとない初恋の雰囲気。皐月は長い間生きてきた一方で、妖鬼という立場柄人と深く付き合うことがありませんでした。だからこそ、前巻で様々な依頼を受けたり、今回も縁を受け入れたのかもしれません。そう考えると、飄々としていて、感情の読みにくい皐月をとても可愛らしく感じてしまいます。

     前巻では、村での出来事が中心でしたが、今回は村の外に出ることで、このシリーズの世界観の広がりも感じられます。そういう意味では、単独でも読めるものの前巻から読んでほしいところです。

     前巻から登場している皐月の師匠の化け猫や、第4話に登場する泳げない河童など、他のキャラも魅力的です。

     言葉にしがたい、不思議な魅力がある皐月の物語たち。怖い系の作品ではないので、ホラーが苦手な人にも是非読んでほしい作品です。

     皐月のシリーズも次で最終巻。二人がどこに向かっていくのか、楽しみにしたいと思います。

  • 『生き屏風』の続編。妖怪が普通に人々に溶け込んで暮らしている世界観とキャラクターは好み。このふわっとした不思議な世界観の描写を読んでいるだけでも楽しい。
    (読みながら違和感があったところなど辛口感想)
    前作では民話的な幻想譚という雰囲気だったのが、今回は長編で冒険譚的な要素が入ってきて雰囲気がかなり変わりました。そのためか、あっさりめで起伏を抑えた文章が少し物足りなく感じました。
    視点や場面の切り替え、台詞で少し唐突だったり違和感を感じるところがあったのも気になりました。
    あとは、主人公の一人である皐月鬼への違和感がなかなか拭えなかった。前作では村に暮らす鬼の一人として描写されていた(と思う)のが、今回は主人公としてスポットが当たっており、読む側としてそこの切り替えがうまくいっていないのかなと感じました。開き直ってずっと縁の側の視点でよいのではなどと思ってしまいます。
    とはいうものの話は面白いし、好きなんですけどね。

  • 2015年、24冊目は田辺青蛙『魂追い』。『生き屏風』の続編となります。

    県境守りの妖鬼、皐月は森で魂魄(たましい)を捕らえる「魂追い」の少年、縁(えにし)と出会う。魂魄が漂う「道」に入ってしまった縁と皐月、そして、皐月の愛馬、布団。それを契機に皐月の体は変調をきたす。皐月の体調を戻すため、皐月と縁は「火の山」を目指し旅に出る。

    連作短編四編収録だが、四章構成の皐月と縁との出会いから「火の山」への旅の物語 と捕らえることもできる内容。

    前作の世界を踏襲しつつ、新たに縁という少年の登場で物語は展開していく。皐月の、そして、縁の想いは友情なのか?淡い恋心なのか?はたまた、他の……?さらに、「火の山のねねこ」から登場のねねこもイイ味付けで効いてる。

    今回の四編では三編目の「落ち星」がミステリーのテイストも入って、新鮮だった。そして、ラストは次作につながるであろう結末。

    さらに、大好きな恒川光太郎の解説の絶妙なこと!細かい部分で幾つかツッコミ所もないでは、ないが、この世界観に浸って、最後にこの解説読んだら、そんなことはどうでもよくなってしまった。

    あっ、ニシン蕎麦は食べたくなります。きっと……。

  • 『生き屏風』の続編。魂追いを生業とする縁が登場。個人的には前作の落書きみたいな表紙が好きやねんけどなぁ。それに皐月のイメージが何か違うねんなぁ・・・。どうせやったらタイトルが『魂追い』やねんから縁が表紙でも良かったん違うかなぁ。 内容は好きやねんけど、所々で分かり難い所があった。「金蜜」と「金糖」は別物?呼び方の違いだけかな? 河童のねねこが好き。次の『皐月鬼』では色々すっきりするんやろか?とりあえず楽しみ。

  • 魂を追う不思議な職業の少年 縁と
    馬の中で眠る鬼 皐月の旅のお話し。

    イロイロあって旅をする。

    この人のお話は面白いんやけど
    何かもぅ一つ足りない感じ!
    勢い??かな・・・

    でも世界観は好きです。
    このシリーズも好き^^

  • 前作は箱庭的だったけど今作は旅モノか。キャラも増えてよりイイ感じ。続編もあるからは読みたい

  • 生き屏風の続編というか、シリーズ第2弾になります。
    県境守として暮らす皐月の生活や人間に頼まれた
    厄介ごとや、妖たちの思い出話やなどがメインだったのだが、
    今回はそこに魂追い(たまおい)の縁(えにし)が加わります。
    魂魄が漂う“道”に入り込んでしまったことで体調に
    異変が生じ、それを治す為に火の山に向かうことになった二人。
    頼りない二人の旅は目的地に到着しても終わらない。
    皐月の治療中にとんでもないことになっていた。
    縁がした約束の為に、悲しい結末が待っていると思わせる終わり方。
    緩くて優しすぎる二人が大好きだぁ~
    続きも読もう。

  • 連作短編集。
    前作で出てきた登場人物とかのちょっとした話も出てきたりするから前作も読んでおいた方が楽しいと思う。

  • 読み終わって、続編であったことを知る。

    2012.7.21 start→2012.7.23 fin
    きっかけ: 魂追いとはなにかが気になったから。
    ライトノベル調というか、緩く淡々とした書き方で一気に読めた。
    物語全体のどこか無感情な描写が好ましい。
    途中、誰が話しているのか分からず迷子になりかけることもあったけど、登場人物がそれぞれ奇妙で良かった。人とあやかしの境界が曖昧な点も好ましく、主人公の一人である『魂追い』という職業設定が魅力的であった。

    続編をたまにのんびりした気持ちで読み続けたいなあと思う一冊。
    ということで前作である『生き屏風』を読みたいと思う。

  • 読了、70点

    **
    県境を守る妖鬼の皐月は、動物や妖の魂を捕まえて売って生計を立てる魂追いの縁と出会う。共に旅していた縁の祖父が亡くなり、縁は祖父の魂を求めて常世への道を進むが、皐月によって連れ戻される。
    しかしこれにより皐月の体に異変が起こり、治す為に火の山へ皐月と縁は旅に出る。
    妖と人との不思議な物語、シリーズ第2弾。
    **

    ということで続編です。
    が、まぁ何と言うか物語の方向性がそっちに進むのかぁ、という感じに進みました。
    個人的には妖と人間がぬくぬくと交流しているのを見るのが楽しかったのですが、割と、そう、ホラーテイストが強くなってきました。

    小説としてはキャラクターの配置が上手いように感じます、第一作に収録されている「生き屏風」のエピソードが火の山の話に繋がったり、もう出番終わったんでしょと思ったキャラがあとから活きてきたり。
    また小説単体で見ると、一応の決着は付いてはいるけど、また新たな重要事態発生と言う感じで続きは読んでみることにします。

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